プロ野球で続出するドーム球場「天井直撃弾」の原因は?
日刊ゲンダイ 5月7日(水)15時2分配信
今季に入ってドーム球場の「直撃弾」が急増している。先月9日に東京ドームで行われた広島戦で巨人・村田が左翼天井にぶら下がる照明機器にボールを直撃させる本塁打を放ったかと思えば、30日にも同球場でヤクルト・バレンティンが高さ約55メートルもある屋根(最高地点は61.69メートル)に打球を直撃させる「左前打」を記録した。
6日には京セラドームでもオリックス・ペーニャが左翼後方の天井付近にボールを当てる特大弾。天井や周辺の機器にボールが当たりまくっているのである。
東京ドームが開場した1988年当時、本塁打や内野フライが天井に当たることは皆無だった。それは、当時の打球が天井に当たらないことを想定し、球場の高さや容積に余裕を持たせていたからだ。97年に開場した京セラドーム(当初は大阪ドーム)は東京ドームの数値を考慮したうえで、グラウンドから屋根の高さを60メートルに引き上げたといわれる。
それが今や、当たり前のように直撃弾が出るようになった。東京ドームや京セラドームの設計者は頭を抱えているはずだ。
■バットには厳密な規定がない
原因は、道具の進化と技術、体力の向上だ。
プロ野球における用具の技術革新はそれこそ「日進月歩」。ボールには反発係数を設けているから、規格外だと「飛ぶ」「飛ばない」と問題になるが、バットに関しては圧縮などを施さない「自然の木」と「長さ、太さ」というルールだけ。材質はホワイトアッシュ、メープル、アオダモなど種類がバラバラ。ボールに対するバットの反発力もメーカー任せになっているのが現状である。
そこに、マシンで打ち放題可能となった選手の打撃技術の向上とウエートトレーニングによるパワーアップも加わる。これでは、ボールの反発係数を語る前に、打者の飛距離は伸び続け、狭くなったドーム球場は「室内練習場」になりかねない。
プロ野球評論家の高橋善正氏はこう言う。
「ボールやバットの質が上がって天井や外壁にボールが頻繁に当たるようになったからには、球界は本気になって新たなルールを作る必要がある。打ち損じのフライが天井によって安打になってしまっては、ファンも納得しない。ボールの反発を規制しているのであれば、バットもそろそろ規制をかけるべき。今のままでは至近距離にいる投手だって危険です。それができないのなら、メジャーで加速しているように、日本もドームの屋根を取っ払って屋外球場に戻していくしかない」
ゴルフ界では急激な道具の進化により、公式競技に使えるクラブの反発係数を抑えたりコース改造が行われるようになった。プロ野球に、もはや東京ドームは狭すぎるのだ。
最終更新:5月7日(水)17時47分
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