STAP論文:理研委、再調査せず 不正確定へ

毎日新聞 2014年05月07日 20時01分(最終更新 05月07日 20時50分)

小保方晴子氏=大阪市北区で2014年4月9日、貝塚太一撮影
小保方晴子氏=大阪市北区で2014年4月9日、貝塚太一撮影

 新たな万能細胞とされる「STAP細胞」の論文不正問題を巡り、理化学研究所の調査委員会(委員長・渡部惇弁護士)は7日、筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が求めていた再調査をしない方針を決めた。調査委の最終報告に対する小保方氏の不服申し立ては退けられ、論文中の2件の画像に不正があったとする結論が確定する見通しとなった。

 理研の規定によると、小保方氏の処分は、懲戒委員会が決める。懲戒委設置後約1カ月で結論をまとめる予定で、諭旨退職もしくは懲戒解雇となる可能性がある。また、理研は英科学誌「ネイチャー」に掲載された論文について、小保方氏ら著者に撤回を勧告する見通し。撤回されれば研究成果は白紙に戻る。

 小保方氏側は、4月1日に調査委が「2件の画像にそれぞれ改ざん、捏造(ねつぞう)の不正があった」と公表した最終報告について、同8日に不服申し立てをした。さらに、同20日と今月4日、主張の詳細を説明する理由補充書をそれぞれ提出した。

 しかし、小保方氏側が提出した資料は、改ざん・捏造の定義や画像取り違えの経緯に関する反論が大半で、小保方氏が「調査委に渡した2冊以外にもある」としていた実験ノートなどは提出されなかった。このため調査委は「再調査が必要な新たな資料には当たらない」と判断したとみられる。

 懲戒委では、調査委の報告で「責任は重大」とされた共著者の笹井芳樹・発生・再生科学総合研究センター副センター長、若山照彦・山梨大教授(理研客員主管研究員を兼任)の処分も検討される可能性がある。【大場あい、斎藤有香】

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