多知川節子
2014年5月7日00時44分
桃太郎は桃から生まれていなかった――。桃太郎の知られざる世界を紹介する企画展が高松市歴史資料館(昭和町1丁目)で開催されている。岡山県立美術館や高梁市の桃太郎資料館の珍しい絵巻や関連本など約80点を展示中だ。
桃から生まれない桃太郎の物語は、川を流れてきた桃を食べたおばあさんとおじいさんが若返り、子どもができるという設定。江戸時代の色鮮やかな絵巻には若返ったつややかなおばあさんが描かれている。
学芸員の香川依央さん(24)によると、桃太郎は室町末期から江戸初期の各地の伝承から生まれた。明治期に小学校の国語教科書に載るまでは「若返り説」と「桃から誕生説」が混在していたという。香川さんは「桃太郎は江戸時代には大人も楽しむ庶民の娯楽だった。ただ、小学生に若返る話は伝えづらかったのではないか」と分析する。
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