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銃の使用が厳しく規制されている日本ですが、銃を製造している企業も数社存在しています。
四国に本拠地を置くミロク製作所は自社製の銃の他にもブローニング社と提携してOEM供給をしており、世界的にも高い評価を得ているガンメーカーです。
海外のサイトがミロク製作所の工場を取材した様子と海外の反応です。





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数年前、私は幸運にもミロク製作所の見学をするために四国の高知県を訪れる幸運を得ることが出来た。
そこではCitori(上下二連ショットガン)を含む日本製のブローニングやミロクのショットガンを作っているのだ。
ミロクは日本に2社ある銃製造会社のうちの1つだ(もう1つは主にライフルを作っている豊和工業)。
雑誌の記事で書いた事はあるが、写真はまだシェアした事は無かったからここで紹介しようと思う。
日本は特筆すべき清潔さで、人々は非常に礼儀正しい。
空港でセキュリティチェックをする時など、局員がスキャナの反対側で靴ベラを用意して待っていてくれるのだ。
ところで、日本には約17万人のガンオーナーがいる。
幾つかのナイフにも銃と同様の規制がある
日本を訪れた当時、私はナイフによる刺殺事件とその余波で幾人かのナイフオーナーが自主的に所持を止めたという記事を読んだ。
日本は訪れるには素晴らしい国だが、銃愛好家にとって住むのに良い国ではないかもしれない。

ミロク製作所は郊外のすそ野に広がる水田を望む場所にある。
彼らは1893年から銃を作りはじめたものの、当初はハープーンガンで知られていた。
今日は彼らの4つの工場と銃製造工程の60%を紹介する事にしよう。
 
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主となるガンファクトリーはこの様な波形のトタンで作られた1棟建ての建物になっていて、たくさんある窓から日光が差し込んできている。
日本ならではで、休憩所には鯉が住む池もある。
工員の平均年齢は45歳。
ちょうど新入社員を工場に配置させて、一週間ほどかけて最適の仕事を選別している最中だった。
Citoriを作るのに多くの手作業を必要としているのは実に驚きだ。
昔ながらの方法を今でも続けている、それが日本スタイルなのだ。
 
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ミロクのバレルボーリング(銃身製作)マシンは世界最高なのだが(例えば、ハイエンドなConnecticut Shotgun Manufacturing社を訪れた時、そこでミロク社の機械を見かけた)、ミロクの作る銃はローテクと経験や眼といった感覚によって作られている。
写真の男性はバレルの調整を行っている所だ。
もしこの時点で彼の目に適わなければ、彼は床にあるベンダーでバレルを調整するのだ。

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ここではバレルをモノブロックにジョイントしている。
ジョイント部分の強度は近代的な超音波測定器で図っているが、真っ直ぐであるかどうかは目視で確認している。

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バレルとリブは丁寧につけられ、ワイヤーで縛られて銃が売られるのを待っている。

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全てが目視で行われるという訳ではない。
この男性は測定具を使ってバレルを検査している。
この制服は初代ボンド映画に出てくる敵の部下を思い出さずにはいられない。
マシンガンを肩に担ぎ、ドクター・ノオのために働いていた男達だ。

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この男性はバレルをレシーバーに合わせる作業をしている。
伝統的にヨーロッパやアメリカでは煤を部品に塗って部品同士を嵌め合わせ、煤が擦りあった場所を探すという方法を取ってきた。
ミロクでも同じ方法を採用しているが、ここでは煤の代わりにピンクのチョークを使っている。
この男性の動きは目で追えないほど早く、部品を合わせる、ばらす、けずる、合わせるを正確に装着できるまで続けるのだ。
これはバレルがきちんと合い、動作するようになるまでに行われる20~30工程のうちの1つなのだ。

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(銃身の)彫刻はまず手回し式の機械で部品の上に刻印され、彫刻家がロールされた刻印をハンマーとビュランで仕上げていく。

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ストック(銃床)はコンピュータ制御された機械により13分ほどでカットされ、それからレシーバーを嵌めこんでフィットするまで手で仕上げていくのだ。

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チェッカリング(銃床に付けられた滑り止め用の溝)は機械によって刻まれ、その後電気カッターで仕上げる。

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プルーフマークが付けられた後、コンピュータ制御で着弾点のテストを行い、最終目視チェックを行う。
この工場では1日に137丁のCitoriが作られている。

最終製品
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高知県のある四国は日本で一番小さな本島で、高知市はフィリピン海に面した港湾都市だ。
漁業や稲作が盛んな場所でもある。
日本で狩猟を行うのはごく少数の人達だけだが、高知のような場所では自分のボートで釣りを行う人がたくさんいる。
我々が訪れたのは4月で、ちょうど桜の花が咲いていた。

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第二次世界大戦時に空襲で高知市の半分は破壊されたが、市の最も有名なランドマークである高知城は破壊を免れた。
この城は1601~1611年の間に建築されたものだ。

高知城の射撃口(狭間)。
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城の上から市街を望む。
高知市は30万人の人口を擁している。
別の方向からは高知ファイティングドッグスのホームスタジアムを見る事もできる。

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下町の交差点。
車は小さく、凄く清潔だ。
日本に来るまではアメリカ人もかなり車を洗っていると思っていたのだが。

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商店街は天井が付いていて、たくさんの種類の魚が売られている。
高知はカツオのたたきで有名だ。
高知にいる間中、山ほど食べてきた。

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日本は一人当たりの自動販売機数がどの国よりも多い事を知っていただろうか?
ポカリスウェットはその残念な名前とは裏腹にとても人気がある。

日本語は読めないが、これはエイリアン横断注意のサインだろう。
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●swoolley
義理の父親は1976年に三菱から鋼材を買うために工場に視察に行ったらしい。
で、家に帰ってきた時にミロクの上下二連ショットガンを買ってきた。
義父はもう亡くなって、今では妻がその銃を所有してるけど、私はそれで今年もう145羽の鳩を撃ったよ。
完全無欠の性能だ。

●huntnfish50
日本で地震があったけど(訳注:東日本大震災当時)、日本製のブローニングや他の銃はどうなるのかな?
今のうちに買っておいた方が良い?

●UnitMaste
震源はミロクから600マイルは離れてるから、銃の値段にはさほど影響がないと思うけど。
ニューヨークからシンシナティくらいの距離だ。

●Carl Huber
日本製のBrowning Highwallを持っているよ。
ぴったりだし、フィッティングも仕上げも極上だ。
産業が平準化されて新しい機械を入れた後なら、そんなに難しい事じゃなくなるのかな。

●Jere Smith
自分の記憶だとブローニングはベルギー製だったんだが。

●DannyWV
アメリカにある日本の企業で働いてるよ。
震災を受けた人達は無事だろうか。
ブローニングの銃は自分にとっても凄く大事だし、日本製ブローニングのフィッティングと仕上げは最高級だよ。
サウスカロライナにあるウィンチェスターの工場みたいなのをアメリカに作ってくれたらいいんだけど…
日本の友人達の無事を祈っているよ。

●Drew McClure
日本の新しい製造技術は重要な部品の品質向上に役立ってるんだよね。
我々もよく知る(日本発の)イノベーションによって良い出来となったブローニングにサムアップだ。

●buckhunter
面白かった。
自分の想像以上に目視確認をしてるんだな。

●Carl Huber
とある記事によると、アメリカの製品はどれも技術的革新の最先端にあるとか。
問題は、アメリカの工場がどれも時代遅れだという点だと。
ニューヨーク2番街地下鉄の作業をしている叔父がいるんだけど、そこで使われる鋼材は全てアメリカ製で、それを日本に送って製品にしてからアメリカに戻しているらしい。
その方が安いから。

●DakotaMan
日本のみんなが地震を無事切り抜けてくれるといいんだけど。
最近豊和のHowa1500を買ったんだけど、実に感銘を受けたね。
今はライフルをカスタムしてる所なんだ。
アメリカに部品を輸入しようとした場合、輸送費はどの位掛かるんだろう?

●jrok6661
昔は良いものと言えばアメリカ製だったんだけどな。

●eharkness
今日、Citori White Lightningを受け取ったよ。
初めての上下二連ショットガンなんだ。
年に両手で数える位しか撃たない銃に1500ドルも払うのはちょっと心配だったけど、この銃のスライダーとここでのコメントを読んでこれは一生ものになると思ったね。

●philbourjaily
ブローニングに勤めてる友人が言ってたけど、ミロクの会社は地震のあったと事から数百マイル離れてるから影響はないらしい。
日本の壊滅的な天災の中の小さな明るいニュースと言えるかな。

●rigajames
数多の粘土製の鳥を塵に変え、数百の鵞鳥や鴨を撃ってきた我が忠実なるBrowning Citoris以上の銃、銃メーカーは存在しないな。
あらゆるアメリカ製、カナダ製、ヨーロッパ製の銃と大会で競ってきたけど、毎回私が頭1つ抜けていたよ!
最高なるBrowning Citoriに長生あれ!






トップイメージのオバマ大統領が撃っているブローニングもミロク製です。
昔ながらの手仕上げが海外でも高い信頼性を生んでいます。
ミロク製作所は銃床を作る木工技術も評価が高く、トヨタの高級車ブランド・レクサスの木製ハンドルもミロク製作所が作っています。
ミロクは銃腔をあけるためのガンドリルマシンも製作しており、高精度の深穴をあけることが出来るため工業界でも高い評価を得ています。