過去放送内容


#235 信じられないウソ スペシャル


ゲスト:松居一代 吉田秀彦 里田まい

悲劇の少年 JTリロイの素顔


次回予告
悲劇の少年 JTリロイの素顔/命を懸けたインチキ男<スタジオ収録現場から>
2000年に次々と出版された2冊の本が大ベストセラーとなった。本の著者は若干20歳のジェレマイア・ターミネーター・リロイ(略してJTリロイ)。体験を元に書かれたという小説は内容もさることながらわずかJTリロイが14歳の時に書いたという事でまたたく間に話題となった。マドンナ、コートニー・ラブ、ウィノナライダーなどハリウッドセレブも大ファンだと公表、JTリロイは瞬く間に時代の寵児となったのだ。しかし、このJTリロイという20歳の著者は、実は1組のカップルが作り上げた嘘だった。作家志望の女性ローラと売れないミュージシャンジェフリーのカップルは同棲を始めて4年。作家志望のローラは自分の書いた小説を、同性愛をテーマした作品で知られるベストセラー作家デニスクーパーに売り込みたかった。しかし、30歳近い女が書いた小説なんて読んでもらえないと悩んでいた。
そんな時、恋人のジェフリーにあるアイデアが閃いた。それは小説を自伝として14歳の少年が書いたものと偽って作品を読んでほしいとメッセージを送る事。ローラはすぐに手紙を書くと、なんと数日後、デニス本人から小説を読んでみたいと電話がかかってきた。すぐにデニスに小説を送ると、読んだデニスから「素晴らしい」と好評価を得た。そしてデニスの紹介で出版社も出版に興味を示したのだ。しかし、問題が起きた。それは編集者がJTリロイと打ち合わせしたいと言ってきたのだった。翌日、ローラとジェフリーは、街中でJTの代わりを探した。そして50ドルでJTリロイの代わりの男の子を見つけ、約束の場所に一緒に行かせたのだった。男の子は挨拶を済ませると、いきなり狂ったように店を飛び出してしまった。そしてローラは編集者にJTリロイとの関係を説明。麻薬中毒で倒れているJTリロイを助け、一緒に暮らしていると。それを聞いた編集者は納得。ローラがJTリロイの代わりに打ち合わせをしたのだった。
こうして2000年JTリロイの処女小説「サラ」が出版。本に載せる著者紹介の写真はローラがJTリロイの写真撮影を断わったため、出版社が適当に用意したものだった。本が売れJTリロイの名が有名になるとまた問題が。それは取材の申し込み。だがこれは取材を断るのも限界になった時、ジェフリーの妹・サバンナが遊びに来た。そしてローラはサバンナにJT役をお願いした。サバンナは、黒の帽子・金髪のカツラ・大きなサングラスをつけた。作家・JTリロイの誕生だった。こうして会見を開けるようになった。そしてローラとジェフリーもJTリロイを助けたカップルとして必ず会見に出席。しかも答えるのはローラばかり。JTリロイは一言も口を開く事はなかった。しかし、また問題が。今度は「JTリロイは女性なのでは?」との噂。ここでローラが思いついたのは、JTリロイは性転換手術をしているらしいという情報を流したのだった。するとこの嘘情報はあっという間に広がり、皆、納得してしまった。
そして、2004年には小説は映画にまでなった。小説も売れ、映画にもなり、お金が入ったローラは、セレブのような生活をするようになった。しかし、世間はJTリロイと暮らすただのおばちゃんとしか思っていないのでは?と考えるようになり、つい自分がJTリロイだと言いまわった。が、幸いにも誰も信じてはくれなかった。2005年ローラが作ったJTリロイ伝説も終わりを告げる事に。そのきっかけはサバンナが勤めていたお店のホームページの写真。JTリロイに疑いを持っていた新聞記者が、見つけたHPのお店に連絡すると、彼女はジェフリーの妹サバンナと判明。そして2006年1月、ニューヨークタイムズは、JTリロイは家族プロジェクトだったという記事を載せた。5年以上も全米中を騙した詐欺事件として、JTリロイ伝説は完全に崩壊。しかし、ローラ達は罪にとらわれることはなかった。現在、ローラは本名で小説を書くことを計画、ジェフリーはお金を稼ぐために、この事件を映画化にする権利を売ろうとしているという。

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