環境省は6日、新潟県佐渡市の自然界で生まれた国の特別天然記念物トキの雄を含むペアから、ひな1羽が生まれたのが確認された、と発表した。自然界生まれのトキが親鳥となり、卵を孵化(ふか)させたのは2008年の放鳥開始以来初めて。

 雄は放鳥されたトキが自然の中で産んだ子どもで、2012年生まれの2歳。38年ぶりに自然界で巣立った8羽のうちの1羽だ。相手の雌は、島根県の分散飼育センターで生まれた3歳だ。同日午前6時から約2時間、同省職員が市内のクロマツの枝にある巣を映像で撮影し、その後に映像を確認すると、ひな1羽の姿が映っていた。同省によると、孵化した日は不明だという。

 今後、個体を識別するための足環(あしわ)をつける予定で、順調にいけば6月上旬に巣立ちを迎える。