スマホ:標的、不正サイト急増 アプリは200万種

毎日新聞 2014年05月06日 13時55分(最終更新 05月06日 14時03分)

ツイッターでログアウトしてしまったように見せかけ、メールアドレスやパスワードを入力させる偽サイト=トレンドマイクロ提供(画像を一部加工しています)
ツイッターでログアウトしてしまったように見せかけ、メールアドレスやパスワードを入力させる偽サイト=トレンドマイクロ提供(画像を一部加工しています)

 スマートフォン(スマホ)やタブレット端末を狙った不正なアプリやウェブサイトが増えている。正規のアプリ配信を装って個人情報を入力させたり、有料サイトに誘導したりする被害を受けかねない。どんな危険があり、どのように防げばよいのか。

 情報セキュリティー大手「トレンドマイクロ」によると、個人情報を盗み取ったり金銭をだまし取ったりする目的のスマホ向け不正アプリは、今年3月までに累計200万種類が確認された。2年前は6000種類、昨年9月は100万種類だったことから、急増ぶりが分かる。

 「最近は不正サイトの増加も著しい」と同社シニアスペシャリストの高橋昌也さんは注意を促す。今年1月末までに累計7万3000件を確認。2年前の5300件に比べて14倍に増えたことになる。パソコン向けを含めた不正サイト全体数は、同期間に4倍増にとどまっており、スマホなどのモバイル端末が主な標的となっていることが分かる。

 200万種類の不正アプリは、ほぼ全てが米グーグル社のOS(基本ソフト)「アンドロイド」搭載機向け。審査の厳しい米アップル社のiPhone(アイフォーン)では4種類しか見つかっていない。

 ◇正規画面そっくり

 一方、どの機種でも危険があるのが不正サイトだ。アプリはインストールしなければ使えないが、ウェブサイトはアイフォーンでもアンドロイドでも同じようにつながる。

 不正サイトは、例えばツイッターのログイン画面にそっくりな偽サイトを作り、メールアドレスやパスワードを入力させる。知らずに入力すると、ツイッターのアカウントを乗っ取られるなど悪用される恐れがある。同じIDとパスワードを他のサイトでも使っていると、他のサイトからも情報を盗まれかねない。

 別の例では、アプリをインストールするように見せかけて、実際には別のサイトに誘導し、個人情報を入力させたり有料の出会い系サイトに誘導したりするケースがあった。画面上はアップルやグーグルの正規のアプリ配信サービスそっくりに動き、うっかりだまされてしまうという。

 なぜスマホが狙われるのか。高橋さんは「連絡先などの個人情報がパソコンよりも多く価値がある一方、安全対策をしている割合は低いから」と指摘する。

 情報セキュリティー大手「シマンテック」が昨年調べたところ、スマホに何らかのセキュリティーソフトを使っていたのは23%にとどまった。

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