ららら♪クラシック“悪魔の化身”と呼ばれた男〜パガニーニの“24の奇想曲”〜 2014.05.03

あのクラシックの名曲をあなたのものに。
人生を豊かにしてくれる一曲を一緒に見つけませんか?今回は…。

(「24の奇想曲第24番」)バイオリンのテクニックに大変革をもたらし多くの音楽家たちに計り知れない影響を与えました。
作曲者は史上最高の名手と言われた…人間離れした演奏で「悪魔の化身」と呼ばれました。
そんな彼が我を忘れる恋に落ちます。
そしてこの恋愛から新しいテクニックのためのヒントを得ました。
悪魔的な彼の技にゲストの奥田瑛二さんも…。
いわゆる叫び!悪魔の化身が仕掛けた罠に皆さんはまってみませんか?「ららら♪クラシック」今日はパガニーニの「24の奇想曲」をご紹介します。
バイオリニストの腕が試されるような超絶技巧の難曲ですよね。
では本日のお客様をご紹介しましょう。
俳優で映画監督の奥田瑛二さんです。
どうもよろしくお願いします。
すてきですね。
美濃さんの顔がちょっと違います。
もう色気がムンムンって感じですね。
ほんとにすてきですね。
奥田さんがクラシック音楽に興味を持たれたきっかけというのは?これはですねどれぐらいかな…。
20年ちょっとになるのか20年になるのかチャリティーのコンサートがあって文化人それから俳優等が出てオーケストラと一緒に何かを表現しろっていった時に…ジャージャジャンジャン!ジャージャジャンジャン!っていうのをやったんですが…。
それはうまくいきました?バッチリいきましたね。
すばらしい!振り返って挨拶しますよね。
それ以来だんだんとクラシックの世界が好きになったというのがありますね。
今日はねバイオリンの独奏曲を取り上げますけれどもバイオリンについてはどういうイメージを持っていらっしゃいますか?これは一発で表現するならば…いやん!女性の顔を見て言うと意味深に聞こえますが…そういう意味ではエロス。
バイオリンは。
何を言ってるんでしょう私は。
(笑い声)今日の名曲は「24の奇想曲」なんですけれどもこの作曲者のパガニーニについてはいかがでしょう?パガニーニという人がいると。
いるんだけど実際知らない。
でもすごいらしいぞと。
骸骨のように痩せた体でそしてちょっと白黒で分かりづらいんですけれども死人のように青ざめた顔をしていたそうなんですね。
そんな彼の超人的な演奏を見た人たちは「悪魔の化身」と彼の事を呼んだそうなんです。
一番魅力的なとこですよね。
それでは最初のキーワードはこちらです。
バイオリニストたちの憧れパガニーニ。
一体どんな演奏家だったのでしょうか?どの会場でも開演の1時間前には超満員になったといいます。
スーパースターだったんですね。
目にも留まらぬほどの速弾き!
(バイオリンの弦が切れる音)時には弦1本のみで演奏してみせるなど見る者聴く者を圧倒しました。
あまりの超絶技巧。
その技を盗み取ろうとする者まで現れます。
パガニーニは自分の技が盗まれないよう極度に警戒していました。
自分の曲の楽譜は門外不出。
演奏会のあとはオーケストラの楽譜まで必ず回収していました。
演奏会がどんなにうまくいっても決して楽譜を出版しようとはしなかったのです。
更に演奏旅行中はほとんど練習しませんでした。
ホテルの部屋の外に音が漏れる事を恐れていたためです。
そんなパガニーニが満を持して出版した初めての作品が「24の奇想曲」。
バイオリンの小品24曲をまとめたもので彼の秘蔵の超絶技巧が盛り込まれています。
なぜこの曲集を出したかっていうとよく同時代の人から批判されたようにすごくアクロバチックな演奏をする人とか技巧だけが先走りしてるみたいに言われる。
人を驚かせるだけの演奏だというふうに言われている事に対して実はこれは……というのを伝えたかったんじゃないかなと思っています。
24曲のうちいくつかをご紹介しましょう。
弓が猛スピードで跳びはねるこの奏法。
一瞬のうちに音の高低差が生まれ音楽に緊迫感がみなぎります。
左手を大きく広げて出す和音。
2人で演奏しているかのような厚みが出ます。
低い音から高い音まで一気に駆け抜ける奏法。
ダイナミックな爽快感を生み出しています。
中でも特に印象的なのが…この曲から多くの編曲が生まれました。
ラフマニノフやショパンブラームスなど後世の作曲家たちが競うように独自のアレンジを作り出しました。
「24の奇想曲」は音楽家たちに計り知れない影響を与えたのです。
悪魔とかさんざんな言われようでしたけれどこういうパガニーニの人間像というのはどのようにご覧になります?取りつくんではなくてコンタクト。
そんな気が…。
取りつかれちゃうと身が滅びる。
しかしコンタクトしながら弾いている。
もしパガニーニのような役者が目の前に現れたらどんな役を振りたいですか?あの顔で来たらやっぱり…それしか思いつかないですよね。
ところが心根はどうかっていった時にいわゆる彼の肉体が煙と化して灰となって燃え尽きる。
その瞬間の心根みたいなものを撮ってみたいなと思いますよね。
僕もそういう役いいと思いますね。
なんか悪い役振りたいですよね。
それがいいと思います。
ではここで突然ですが「ららら♪クイズ」。
パガニーニの音楽以外の面がどうだったのか見ていきたいと思います。
パガニーニは非常にギャンブル好きでした。
パガニーニがギャンブルで実際に賭けたと言われているものは次のうちのどれでしょうか?悪魔主義的というかそういう事を申し上げたんですけど「恋人」。
なるほど。
エロスですね。
奥田さんらしいお答えが!もう大満足でございます。
正解はですね残念ながら…演奏会の前日に彼はギャンブルで愛用のバイオリンを賭けて負けてしまって取り上げられたんですね。
明日のコンサートで使うものを売っ払ってしまう。
どうですか?明日撮影がある時にカメラ照明全部売ってしまうのは。
ありえないですよね。
借金してて取りにきてももう死守しますよね。
泣きながらでも土下座してでも「頼みます!これだけは持っていかないで下さい!」って。
ほお〜!ちょっと分からん。
イタリア北西部の港町ジェノバに生まれたパガニーニは7歳から父親にバイオリンの手ほどきを受けました。
父親のレッスンは超スパルタ。
遊ぶ事も許されず練習は朝から晩まで1日10時間以上に及びました。
少しでも熱意が感じられないと食事抜きで練習させられたといいます。
そんな生活が続く事10年以上。
パガニーニは10代の終わりには各地の演奏会で大喝采を浴びるほどに腕を上げていました。
しかしそのまさにこれからという時期に…。
パガニーニはこつ然と姿を消してしまいます。
実はこの間パガニーニはディダという名の貴婦人に出会い恋に落ちていました。
そしてトスカーナ地方の彼女の邸宅でひっそりと暮らしていたのです。
なんと表向きは庭番として。
2人は世間の目を欺き愛に溺れた生活を送りました。
ディダはギターが好きでした。
ある日彼女はパガニーニに言います。
「ねぇニコロ。
あなたもギターを弾きなさい」バイオリンそっちのけで恋とギターに没頭したパガニーニ。
やがてギターを使って作曲もするようになりました。
たくさんのギターの曲を書き続けるうちにパガニーニはあるアイデアを思いつきます。
左手で弦を押さえ左手ではじくというギターの奏法。
パガニーニはこれをバイオリンに取り入れたのです。
普通バイオリンでは弦を指ではじく「ピチカート」という奏法を右手で行いますがパガニーニはこれを左手にも応用したのです。
それが「24の奇想曲第24番」で聴かれるいわゆる…パガニーニならではの超絶技巧です。
パガニーニの場合はギターが弾けるっていう弾けるレベルがもうトップクラスの演奏家レベル。
つまりビルトゥオーソ名人芸の域に達しているっていうぐらいギターも弾けるっていう事なのでその事によって…より豊かな広がりを持ったような音楽につながったという事は十分考えられると思います。
天才パガニーニにとっては恋の寄り道も芸の肥やしだったんですね。
これスーパースターが突然失踪してお庭番になるっていかがですか?まあ分かりますよ。
つまり恋ですからね。
そこに何がどういう2人の関係が育まれていたのか…でもタダでは起きないんです。
左手のピチカートという奏法を手に入れてギターの技術も手に入れてという事でパワー倍増でまた帰ってくるわけですもんね。
何かでもあります?そういうふうに役者をしてても監督をしてても違う事をする事によって戻ってきた時面白いなみたいな。
ないんです。
僕の場合は俳優役者をやってダーッとのめり込んでやって終わって次にじゃあ監督になるぞというのはこれは…最初に監督業にチャレンジしようっていうのはかなり距離がありますよね。
それはどういう時期に監督をなさりたいと思われたんですか?それはね俳優として…映画俳優になりたかったから映画俳優になったぞと思った時に夢をつかんでしまったんで「もう夢つかんじゃった。
つかんだ夢は置いておこう」と。
さてどうするかってなった時に「ええ…!?」と迷子になりかけてそしたら闇が来てピーッと光があったのが「あっ映画監督だ」。
そうすれば…パガニーニももしかしたら演奏の世界で頂点を極めて…その先にディダですか貴婦人が見えたっていうのもそれはそれでなんか美しい世界だと思いますけどね。
普通でいくとそこからデカダンスになっていくわけですよね。
酒だなんだかんだ女性だあってそれを全部自分の栄養にしていったのがパガニーニの真骨頂なのかもしれないなという僕の妄想が今始まりましたね。
クラシックにまつわる素朴な疑問にお答えしま〜す!答えて下さるのは東京フィルハーモニー交響楽団オーボエ奏者の…私はつけないですし私の周りにいるプレーヤーも口紅はつけないですね。
その油分ですとかそういうのがリードにつく事によってやはりつけない状態よりもその状態が変化してしまうのでその事によって例えば…それをやっぱり奏者は嫌なので極力しないようにという考えでやっていますね。
なるほど〜!見た目よりも本質ですね。
番組ではクラシックにまつわるあなたの疑問・質問をお待ちしていま〜す!今日の名曲は…「悪魔の化身」と呼ばれたバイオリニストパガニーニが超絶技巧の限りを尽くして作曲しました。
そんなパガニーニはいっときバイオリンそっちのけでギターに没頭。
そこからバイオリンの新たな奏法を編み出していました。
「24の奇想曲」最後の第24番にも悪魔の化身のテクニックが満載。
見せてくれるのはこの人。
18歳のバイオリニスト…第79回日本音楽コンクールバイオリン部門第1位。
国内外のオーケストラとの共演を重ねる期待の星です。
山根さんお願いいたします。
(山根)よろしくお願いします。
まずは山根さんこの曲はバイオリニストにとってはどういう曲なんでしょうか?そうですね。
ほんとに全員…バイオリン弾く人だったら誰でも取り組まないといけないような曲で僕が今通ってる音楽学校でも試験曲になったり例えば僕が受けたコンクールでは課題曲になってたりと…ではまずこの第24番の中からご紹介していきます。
この曲はね変奏曲になっているんですけれどもまずは第5変奏の部分です。
音がとにかく激しく上下します。
その部分をまずは山根さんに演奏して頂きましょう。
いかがですか?
(奥田)いわゆる…「何か言いたいんだな。
何を言いたいんだろう?」みたいなふうに…。
まあ僕の想像ですけど。
非常に感情的な。
文学的というかね。
実際の技術的には山根さんどういう事をしているんですか?全部ファとミなんですけどそれをオクターブで取るんで…このギクシャクと非常に聴こえてくるようなグキグキってこう突き刺さるように演奏するために音域を華やかに広げているんですがこれをもしねギクシャクせずに音域を狭めて弾くとどうなるのかというのをちょっとやって頂きましょう。
いかがですか?あ〜なるほど。
どうなんですかこれ。
さっきのやつがあまりにもこう叫びっていうテンスが出てくるんですが…。
最初のが叫びだとすると今のは普通に…だから「別にいいや」みたいな。
むしろ美しいんですけど「それで?」という感じですよね。
更にVTRで紹介していたあの彼女に出会って学んだ左手のピチカートというのを是非近くでご覧頂きたいと思います。
第9変奏の部分ですね。
お願いします。

(奥田)う〜ん。
これは気持ちいいね!速すぎてさっぱり分からないので一度ゆっくり見せて頂きたいと思います。

(山根)僕が一番気を付けている事は1の指の音を3の指ではじいたりするのでなるべく3の指を例えば深く弦に引っ掛けて。
やっぱりそうしないとクリアな音が出ないですから。
今のはいくつもの技が組み合わさっていて要するに右の弓で弾く音もあれば左手のピチカートも音程を作ったうえにまたはじきますので大変な運動量というか技術量なんですよね。
左手のこのピチカートつつましやかな音の中に鋭さとか繊細さ可憐さみたいないろんな表情が出せる技なんですよね。
山根さんはこの曲の魅力というか音楽的にすばらしいなと思うところはどういう部分でしょうか?すごい繊細に歌わないといけないところもあるしもちろん技巧しながらでも力強く進まないといけないところもありますからやっぱりそういった面ではとてもすごい曲大きな曲だと思いますね。
それではお聴き頂きましょう。

(拍手)いやぁ…ため息ですね。
いいもの見せてもらいましたね。
ほんとですね。
すごい人っていうのは引き込むんですね。
その世界観っていうのはなにものかを吸収するという。
目に見えないものを。
それがもう今日は間近で聴かせて頂いたし本人も見させて頂いたんで「なるほどな!」というすごい観察をさせて頂きました。
何かこれはお芝居や映画監督のお仕事にはね返ってきますか?はい。
この旋律はねちょっと当分離れない。
奥田さんの心をがっちりつかんだこの曲。
皆さんにはどう響きましたか?
(綾野)今夜この世のクズが一人減ったんだ。
むしろその方がずっと!2014/05/03(土) 21:30〜22:00
NHKEテレ1大阪
ららら♪クラシック“悪魔の化身”と呼ばれた男〜パガニーニの“24の奇想曲”〜[字]

後世の音楽家たちに計り知れない影響を与えた「24の奇想曲」。作曲者は、史上最高のバイオリンの名手と言われたパガニーニ。彼の人物像に迫り、この曲の魅力をひも解く。

詳細情報
番組内容
バイオリンのテクニックに大変革をもたらし、多くの音楽家たちに計り知れない影響を与えた「24の奇想曲」。作曲者は、史上最高の名手と言われたパガニーニ。目にも止まらぬほどの速弾き、時には弦1本のみで演奏してみせるなど、見る者、聴く者を圧倒した。そんな彼は、我を忘れる恋に落ちたことをきっかけに、バイオリンの新たな奏法を編み出していた。パガニーニの人物像を見つめながら、この曲の魅力をひも解いていく。
出演者
【ゲスト】奥田瑛二,【出演】バイオリニスト…山根一仁,【司会】石田衣良,加羽沢美濃,【語り】服部伴蔵門

ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
劇場/公演 – ダンス・バレエ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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