2014年4月23日13時48分
兵庫県明石市の歩道橋で2001年、花火大会の見物客11人が死亡、247人が重軽傷を負った雑踏事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された元明石署副署長の榊和晄(さかきかずあき)被告(67)の控訴審判決が23日、大阪高裁で始まった。米山正明裁判長は、公訴時効により有罪か無罪かを判断せずに裁判を打ち切る「免訴」(求刑禁錮3年6カ月)とした昨年2月の一審・神戸地裁判決を支持し、指定弁護士側の控訴を棄却した。
事故は01年7月、花火大会会場の海岸とJR朝霧駅を結ぶ歩道橋で発生。大会の警備本部副本部長だった元副署長は歩道橋の混雑状況を十分監視せず、歩道橋に入る見物客の規制を指示せずに事故を発生させたなどとして、10年4月に全国で初めて強制起訴された。
検察官役の指定弁護士側は控訴審で、元副署長は現場指揮官として同罪で有罪が確定した元同署地域官とは連携して事故を防止する立場にあり、共犯関係にあたると主張。共犯の公判中は時効が停止するとした刑事訴訟法の規定により時効は成立しないとした。被告側は「2人は地位や配置場所が異なり、共犯ではない」などと反論していた。
一審判決は、元副署長が詰めていた署内のモニターでは歩道橋の混雑状況がよく見えず、規制が必要だという現場からの報告もなかったなどとして元副署長の過失責任を否定。強制起訴時点で同罪の公訴時効(5年)が成立するとして免訴とした。
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朝日新聞社会部
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