最終更新:2014年04月30日(水) 23:54
人気漫画「美味しんぼ」、“原発取材後に鼻血”で物議
「ビッグコミック・スピリッツ」に連載中の人気グルメ漫画「美味しんぼ」が物議を醸しています。主人公の新聞記者が原因不明の鼻血を出しているのですが、実はこれ、福島第一原発に取材に行った直後という設定。前双葉町長も登場して、「福島では同じ症状の人が大勢いる」と話しています。風評被害を助長するとの指摘も出ていますが、果たして作者の意図は。
人気漫画「美味しんぼ」の主人公・新聞記者の山岡士郎が福島第一原発を取材した直後・・・
「それにしても最近ひどく疲れて」
そして・・・
「まあ、あなた、鼻血よ!」
「山岡くん、どうした!」
突然鼻血を出し、医師の診察を受ける山岡記者。福島を訪れたほかの登場人物も次々と鼻血が出たと訴えます。作品の中で、医師が「福島の放射線と鼻血を関連づける医学的知見はない」と話す場面もありますが、こうした放射線の影響をめぐる表現が「風評被害を助長する」などとして、物議を醸しいます。
「うちの父も(福島)第一原発まで仕事に行ったことがあるが、そんな話は一切ないし、間違った知識を植え付ける原因になる」(福島県民)
「こういうのを書かれると困っちゃう。風評(被害)を生みだすようなもの」(福島県民)
福島県内でスピリッツを扱う書店でも・・・
「いろいろ出版物はたくさん出ているけれど、鼻血が出たというのはちょっとこれはどうなのでしょう」(角忠 佐々木規雄さん)
福島県双葉町の前の町長、井戸川克隆氏。作品のなかでは、疲労感や鼻血を訴え、「福島では同じ症状の人が大勢いる」と発言しています。実際にはどう考えているのでしょう。
「私の話したことは全部入っています。果たして風評被害でしょうか。私はそんなつもりは全くありません」(福島・双葉町 井戸川克隆前町長)
「美味しんぼ」の作者・雁屋哲氏は、これまでにも1年にわたり福島県で取材をし、「福島の真実」編として単行本にまとめています。
また、雁屋氏は「原発問題を考える」というテーマで昨年末にオーストラリアの生活情報サイト「日豪プレス」の取材を受け、鼻血の件を自分自身の体験として語っています。取材を担当した馬場氏は・・・
「(雁屋氏が)取材に行かれて 体験したことをそのまま載せているという印象。食に関連して取材する中でいろいろ畏敬の念を持っていると感じる。それが(原発)事故で失われかねないというのを残念な思いで『何とか守っていけないか』というのが彼のスタンス」(雁屋氏を取材した日豪プレス馬場一哉編集長)
しかし、これまでに何度も福島県を訪れている放射線防護学を専門家は、「鼻血と被爆との関連性はない」と断言。作品を厳しく批判します。
「鼻血があったことを言うのは 間違いでないにしても、学問的にはまるで否定できることまでも真実であるかのように書くとすれば、福島の人の不安をあおることになるので適当ではないと思う。(鼻血と)被ばくとの関係はない。その点は確信をもっていただいていい」(日本大学准教授 野口邦和博士)
出版元の小学館は、「鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図はない」「綿密な取材に基づき作者の表現を尊重して掲載させていただいた」としています。(30日15:44)
「それにしても最近ひどく疲れて」
そして・・・
「まあ、あなた、鼻血よ!」
「山岡くん、どうした!」
突然鼻血を出し、医師の診察を受ける山岡記者。福島を訪れたほかの登場人物も次々と鼻血が出たと訴えます。作品の中で、医師が「福島の放射線と鼻血を関連づける医学的知見はない」と話す場面もありますが、こうした放射線の影響をめぐる表現が「風評被害を助長する」などとして、物議を醸しいます。
「うちの父も(福島)第一原発まで仕事に行ったことがあるが、そんな話は一切ないし、間違った知識を植え付ける原因になる」(福島県民)
「こういうのを書かれると困っちゃう。風評(被害)を生みだすようなもの」(福島県民)
福島県内でスピリッツを扱う書店でも・・・
「いろいろ出版物はたくさん出ているけれど、鼻血が出たというのはちょっとこれはどうなのでしょう」(角忠 佐々木規雄さん)
福島県双葉町の前の町長、井戸川克隆氏。作品のなかでは、疲労感や鼻血を訴え、「福島では同じ症状の人が大勢いる」と発言しています。実際にはどう考えているのでしょう。
「私の話したことは全部入っています。果たして風評被害でしょうか。私はそんなつもりは全くありません」(福島・双葉町 井戸川克隆前町長)
「美味しんぼ」の作者・雁屋哲氏は、これまでにも1年にわたり福島県で取材をし、「福島の真実」編として単行本にまとめています。
また、雁屋氏は「原発問題を考える」というテーマで昨年末にオーストラリアの生活情報サイト「日豪プレス」の取材を受け、鼻血の件を自分自身の体験として語っています。取材を担当した馬場氏は・・・
「(雁屋氏が)取材に行かれて 体験したことをそのまま載せているという印象。食に関連して取材する中でいろいろ畏敬の念を持っていると感じる。それが(原発)事故で失われかねないというのを残念な思いで『何とか守っていけないか』というのが彼のスタンス」(雁屋氏を取材した日豪プレス馬場一哉編集長)
しかし、これまでに何度も福島県を訪れている放射線防護学を専門家は、「鼻血と被爆との関連性はない」と断言。作品を厳しく批判します。
「鼻血があったことを言うのは 間違いでないにしても、学問的にはまるで否定できることまでも真実であるかのように書くとすれば、福島の人の不安をあおることになるので適当ではないと思う。(鼻血と)被ばくとの関係はない。その点は確信をもっていただいていい」(日本大学准教授 野口邦和博士)
出版元の小学館は、「鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図はない」「綿密な取材に基づき作者の表現を尊重して掲載させていただいた」としています。(30日15:44)
2014年04月30日(水) 20:14
最終更新:2014年04月30日(水) 21:14
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