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【社会】

憲法12条は警告する 「権利守るため努力必要」学生ら400人デモ

特定秘密保護法に反対しデモ行進する学生ら=3日、東京都新宿区で

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 特定秘密保護法に反対する学生たち約四百人が三日、東京・新宿の繁華街でデモ行進した。憲法記念日を選んだのは、一二条が国民に自由や権利を守るための「不断の努力」を求めているからだ。表現の自由を守るため、声を上げた学生たちの思いは−。 (大平樹)

 主催したのは、首都圏の大学生ら約三十人の「特定秘密保護法に反対する学生有志の会」で、二月にも学生デモを行った。強行採決によって短期間で成立したことや、秘密にする情報の明確化などを求めた情報公開の国際原則「ツワネ原則」に反することから、秘密保護法に反対している。

 「憲法一二条は努力を怠ったら、権利を保持できないという警告と受け止めている」。デモ出発前に呼び掛け人の一人、大学二年の本間信和さん(19)は西新宿の柏木公園でそう話した。

 午後二時半すぎ、学生たちは歩き始めた。「盛り上がる準備はできてるか」。大学三年の牛田悦正さん(21)が先導車の上から呼び掛けると、参加者からは「イエーッ!」と大きな歓声。強い日差しの下、スピーカーからアップテンポの音楽が響く。リズムに乗せて「秘密保護法、反対」「言うこと聞かせる番だ、俺たちが」と沿道に訴えた。興味深そうにカメラ付き携帯電話で撮影する買い物客もいた。

 午後三時すぎ、JR新宿駅南口付近では、大学四年の佐竹美紀さん(22)がスピーチ。「人前で主張する勇気がなかった」と率直に打ち明けた。二月のデモが「気持ち良かった」といい、「今、私たちは政治家の視界に入っていない。無視できないようにしてやろう」と声を張り上げた。

 東京都品川区の牧ゆみ子さん(70)は、新宿三丁目交差点付近で偶然出くわしたデモ行進に「頑張れー」と声援を送り、拳を突き上げた。「最近の学生はふぬけばかりと思っていたが、見直した。戦争の方に少しでも進むようなことは、絶対に反対しなければ」と目を細めた。

 大学三年の菅原ひかりさん(20)は、仙台市から夜行バスで駆け付けた。原発事故で避難した学生もいるのに、再稼働に突き進む政府に不満がある。「国を動かしているのは、政治家じゃなくて私たち国民だ。勇気がいるけど、一緒に声を上げよう」

 一時間半近くのデモを終え、柏木公園に戻ると、この場で知り合った学生同士が連絡先を交換する姿も。秘密保護法のことを知ろうと参加した大学一年の礒貝悠紀さん(18)は「普段は憲法を身近に感じないが、憲法記念日に自分の意見を声に出したことで、興味を持つきっかけになった」と顔をほころばせた。

 

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