併殺地獄に原監督「5つ?くあぁ~」19年ぶり屈辱で3連勝逃す
◆中日3―1巨人(4日・ナゴヤドーム)
巨人が“ダブルプレー地獄”にはまり、3連勝を逃した。好調の橋本を今季初めて2番に置く新打線を組んだものの、19年ぶりに1試合5併殺を献上。先発の内海は、援護をもらった直後に失点するなど6回3失点で、今季勝ち星なしの3敗目を喫した。首位・広島とのゲーム差は2に広がった。
目を覆いたくなるような光景だった。2点を追う7回無死一塁。井端は祖父江の直球をたたいて強い打球を放ったものの、二塁手・荒木の前へ飛んでいった。「二―遊―一」とボールが転送され、この試合5つ目のダブルプレーを決められる。左翼席を埋めた巨人ファンから深いため息が漏れた。
同じような攻撃が続いた。203センチの長身右腕・カブレラの低めへの“動くボール”を捉えながら、ことごとく竜内野陣の正面へ飛んでいった。9イニングで先頭打者が5度出塁。チャンスをつかみかけたところで併殺打の山だ。リーグワーストへあと1に迫る1試合5併殺打。チームとしては95年7月4日の中日戦(ナゴヤ球場)以来、19年ぶりの“併殺地獄”だった。
原監督も「(併殺打は)いくつ? 5つ? くあぁ~。なかなか、これで点を取るのは難しい作業になるね」と嘆くしかない。3回1死一塁で遊ゴロ併殺打に倒れた村田は、「カブレラは(手元で動く)ツーシーム系のボールが多いから内野ゴロが増える。振らないことには始まらないけど…仕方ない」と首をかしげた。
新打線でエースに白星をプレゼントしたいところだった。打率3割3分3厘の成長株・橋本を今季初めて2番に置き、巧打の井端を8番に。3日のゲームで初回2死から6安打2四球で6点を奪った強力打線に手を入れた。村田も「テツ(内海)に白星を付けたいと思う気持ちはみんな同じ。しっかり援護したい」と、気合十分だった。試合の主導権を握ろうと、ベンチは初回無死一、二塁で3番・長野に送りバントを命じて得点機を広げようとした。だが、捕飛となって作戦失敗。どこかかみ合わなかった。
こんな日もある、とは簡単に言えない。今季チーム39併殺打は両リーグ最悪の数字だ。積極的に打ちに出た結果とはいえ…。原監督は「どうだろうね。今日は相手にしっかりと守備をされたというのもあるね」と堅守の竜をたたえ、川相ヘッドコーチは「併殺打を打ちたくて打っているわけでない。永遠の課題」と言った。大型連休9連戦のまだ2戦目。悪い流れを止めて、まずは5日、カード勝ち越しを決めたいところだ。