太古の月、自転軸ずれていた=「かぐや」データで解明—九大など

 約40億年前の月には、地球と同じような大規模な磁場が存在し、自転軸も現在と数十度異なっていたことを、九州大と東京工業大の研究チームが、日本の月探査機「かぐや」のなどの観測データ解析から明らかにした。論文は4日付の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに掲載された。

 地球の内部には高温で溶けた鉄の核があり、これが北極をN極、南極をS極とする二つの磁極を持つ大規模磁場を生んでいる。一方、現在の月は内部まで冷えているが、過去には地球同様に溶けた鉄の核があり、大規模磁場もあったと推定されている。

 九州大の高橋太准教授らの研究チームは、月面に局地的に残る磁場が、過去の月の大規模磁場の強さや方向などを記録していると考え、かぐやなどの観測データを詳しく解析。その結果、約40億年前には大規模磁場が存在し、現在の極地から約30〜45度緯度がずれた地域に、磁極があることが分かった。

 地球や水星など大規模磁場を持つ惑星は、磁極と自転軸の中心がほぼ一致することが分かっている。このため、約40億年前の月は現在とは違う面を地球に向けて自転していたと考えられるという。 

[時事通信社]

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