艦これ特需:模型業界に波及 艦艇プラモ売り上げ5倍

2014年05月04日

「艦隊これくしょん−艦これ−」の艦娘のモデルとなった艦艇のプラモデルを販売するボークスホビー天国(東京都千代田区)の「艦これ」コーナー
「艦隊これくしょん−艦これ−」の艦娘のモデルとなった艦艇のプラモデルを販売するボークスホビー天国(東京都千代田区)の「艦これ」コーナー

 ブラウザーゲーム「艦隊これくしょん−艦これ−」のヒットの影響で、模型業界が特需に沸いている。ゲームに登場する“艦娘(かんむす)”のモデルとなった第二次世界大戦期の旧日本海軍の艦艇のプラモデルが好調で、東京・秋葉原の模型専門店では売り上げが前年の約10倍に跳ね上がったといい、売り上げが前年の5倍に急伸したモデルも登場している。品薄状態が続いており、メーカー関係者は「生産が追いつかない」とうれしい悲鳴を上げている。過熱する艦艇模型ブームを追った。

 ◇品切れ状態のモデルも

 「艦これ」は、第二次世界大戦期の旧日本海軍などの艦艇を題材にしたブラウザーゲームで、プレーヤーは“提督”となり、艦艇を美少女に擬人化した“艦娘(かんむす)”を強化しながら謎の敵と戦う。角川ゲームスが開発・運営し、DMM.comがサービスを提供しており、ユーザー数は190万人を突破するなど人気を集め、テレビアニメ化も決定している。

 艦艇のプラモデルは主に、タミヤや青島文化教材社、ハセガワから発売されている。売り上げが伸び始めたのは昨年夏ごろといい、ゲームが話題になり始めた時期と重なる。艦艇プラモは40年以上の歴史を誇るが、「艦これ」ブーム以前、購買層は50代以上の男性が中心で、戦車や飛行機などほかのミリタリー関係のプラモの半分程度の市場だったという。

 ブーム以降は、20、30代男性のファンが急増するなど客層が変わり、例えば、ハセガワの軽巡洋艦「天龍」や「龍田」のプラモデルの売り上げは年間400〜500個程度だったが、昨夏ごろから約5倍に増え、担当者によると「生産が追いつかず、品切れ状態が続いているモデルもある」という。

 ◇プラモデルに興味を持つきっかけに

 プラモデルなどを扱う東京・秋葉原のボークスホビー天国では昨年8月に「艦これ」コーナーを設け、艦娘のイラストのPOPを作って艦艇プラモを販売したところ、売り上げが昨年の約10倍に急増した。同店では、プラモデルとともに細かいパーツを制作できるエッチングパーツなど関連商品を購入する客も多いという。青島文化教材社の担当者は「若い方に、プラモデルに興味を持っていただくきっかけになったことがうれしい」と話す。模型業界は「艦これ」をきっかけに、高齢化が進むミリタリー関連のプラモファンの若返りに期待しているようだ。

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