集団的自衛権:安倍首相、閣議決定時期こだわらず

毎日新聞 2014年05月04日 20時22分(最終更新 05月04日 22時40分)

安倍晋三首相=小関勉撮影
安倍晋三首相=小関勉撮影

 【リスボン念佛明奈】安倍晋三首相は3日午後(日本時間4日未明)、集団的自衛権の憲法解釈に関する閣議決定の時期について「与党で一致することが極めて重要なので、場合によっては時間を要することもあるだろう」と述べ、行使容認に慎重な公明党の理解を得るため、今国会(会期末6月22日)中の決定にこだわらない考えを示した。訪問先のリスボン市内のホテルで記者団に語った。

 首相は、私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の報告書に関し「12日の週にも提出していただくことになる」と提出時期に初めて言及した。政府は報告書を踏まえ、安全保障の法整備に関する「政府方針」を与党に示す方針だ。

 政府方針については「検討の方向性について政府として考え方を示すが、政策的方向性を示すことはない」と説明。公明党に配慮し、今後の与党協議を縛らない考えを示した。

 4月の日米首脳会談での環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に関する協議については「大きな前進があったが、大筋合意にはまだ至っていない。詰めていかなければならない項目はある」と指摘。そのうえで、共同声明に盛り込まれた「キーマイルストーン(重要な節目)」に関し「日米両国で全体の妥結に向け、他の参加国にリーダーシップを発揮していくことで一致した。そこまで来たということだ」と強調した。

 首相はまた、成長戦略の柱と位置づける法人税減税に関し「成長志向に重点を置いた税制改革を行っていく。実効税率や課税ベースなどを自民党税調で議論してもらう」と重ねて意欲を示した。

 通常国会閉会後にも行う内閣改造・党役員人事については「時期も含めて現段階ではまったく白紙だ。後半国会があり、内閣としてまず国会における責任を果たすことに集中したい」と述べるにとどめた。

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