永井靖二
2014年5月5日03時00分
東京電力福島第一原発の事故で未曽有の放射能汚染にさらされた酪農家たちを描いた記録映画「遺言 原発さえなければ」が大阪市内で上映されている。関西を訪れた共同監督の豊田直巳さん(57)に映画制作に至った経緯などを尋ねた。
カメラは、携帯電話を手に絶句する福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一さんの表情をとらえていた。原発事故の3カ月後、隣の相馬市の酪農家、菅野重清さん(当時54)が自殺した。その死を仲間から知らされた瞬間だった。
首をつった堆肥(たいひ)小屋の壁には、「原発さえなければ」とチョークで書かれていた。棺に手を合わせ、声を詰まらせる長谷川さんの姿を、豊田さんは寄り添うように記録した。
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