政府と東京電力の共同記者会見でフリーランスが差別的な扱いを受けている問題で、共同記者会見に出席するフリーランスが10月11日までに、「政府・東京電力統合対策室共同記者会見フリーランス連絡会」(以下、連絡会)を設立した。
現在、共同記者会見から2ケタのフリーランスが「実績がない」などの理由で排除されている。一方、記者クラブメディアの関係者は1人も排除されていない。このような差別の撤廃を連絡会は目指す。
10月11日の共同記者会見が始まる前、筆者は連絡会の設立を報告する文書(全文後掲)を配布しようとした。しかし、園田康博・内閣府大臣政務官の指示を受けた東京電力社員らに制止された。
やむなく会見場が入る東京電力本店のゲート付近(東京電力社員が「ここで配布するならいい」と指定した場所)で文書を配布していたところ、今度は警視庁警察官らが現れ、「道路使用許可は取ったのか」などと言いがかりをつけてきた。
共同記者会見が始まり、一連の妨害について筆者が質問すると、園田政務官は「東京電力の建物内で文書の配布は認めない」と、まるで東京電力の社員のような発言。警察官の妨害については、「知らない」とした。
園田政務官は、10月7日のフリーランスとの協議で、「今後も協議を続けたい。次回、もう少し前向きな話ができるように努力したい」と述べていたが、それはあくまでもポーズ。政府や東京電力としがらみがなく、両者の責任をとことん追及するフリーランスは共同記者会見から排除したいのが本音だ。
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「政府・東京電力統合対策室共同記者会見フリーランス連絡会」設立のご報告と参加のよびかけ
2011年10月11日
政府・東京電力統合対策室共同記者会見の参加資格カテゴリー8及び9に属するフリーランスのみなさまへ
ご存知の方も多いと思いますが、政府・東京電力統合対策室共同記者会見(以下、会見)へのフリーランスの参加資格を巡って、10月7日、参加資格カテゴリー8及び9に属する12人と園田康博・内閣府大臣政務官との間で協議が行われました。
その席で、園田政務官は、会見に参加しているフリーランスの間で自律的なグループができれば、今後も協議に応じると明言しました。
そこで、参加資格を、情報を伝えることに携わる者すべてに広げるよう交渉するため、上記12人のうちの有志が「政府・東京電力統合対策室共同記者会見フリーランス連絡会」(以下、連絡会)を設立し、ほかのフリーランスのみなさまへ参加をよびかけることにしました。
連絡会としては、できるだけ早い機会に園田政務官と再協議したいと考えています。連絡会がカテゴリー8及び9に属するフリーランスの多数の意思に基づくことを示すことができれば、交渉は有利になると思われます。
ぜひ、1人でも多くのカテゴリー8及び9に属するフリーランスに連絡会に参加していただき、現在は参加が認められていない方々のために、園田政務官との協議に臨みたいと考えています。
すでに会見への出席が認められている以上、連絡会に参加する必要はないとお考えの方もいらっしゃるでしょう。しかし、フリーランスの記者会見への参加を巡っては、今後も、さまざまな場面で同様の問題が生じると思われます。
その際には、それぞれの記者会見への参加希望者が自律的に問題を解決することができるという前例を示すことが重要になります。今回の連絡会の試みは、今後のフリーランスの活躍の場を広げる前例になりうるはずです。
なお、連絡会は、政府・東京電力統合対策室共同記者会見についてのみかかわる一時的な会であり、他の記者会見や取材のあり方についてまで意見するものではありませんので、その点、念のため、付記しておきます。
別紙に連絡会の最低限の確認事項だけ決めさせていただきました。これにご異議がないフリーランスのみなさまのご参加をお待ちしています。ご検討よろしくお願いします。
お読みいただき、ありがとうございました。
よびかけ人(よびかけ作成) 日隅一雄
よびかけ人 上出義樹
同 佐藤裕一
同 島田健弘
同 寺澤有
同 畠山理仁
同 渡部真
確認事項
1.「政府・東京電力統合対策室共同記者会見フリーランス連絡会」(以下、連絡会)は、政府・東京電力統合対策室(以下、対策室)の共同記者会見に出席しているフリーランス(政府・東京電力統合対策室共同記者会見の参加資格カテゴリー8及び9に属する者)のうち、希望する者が参加する。
2.連絡会は、共同記者会見の運営につき、対策室と協議する。
3.会員は、連絡会と対策室の合意事項を遵守する。
4.事務は佐藤裕一、寺澤有、畠山理仁が取り扱う。
記事
- 2011年10月12日 06:30
「政府・東京電力統合対策室共同記者会見フリーランス連絡会」が設立
- THE INCIDENTS(寺澤有)
- ジャーナリスト。聖域となりがちな組織の腐敗を追及
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