2014年5月2日17時17分
■空襲傷害者・杉山千佐子さん(98)
69年前。米軍による名古屋空襲で、左目と鼻の一部を奪われました。偏見のまなざしに耐えながら、結婚もせずにひとりで過ごしてきました。
国は軍人・軍属だった人に年金や恩給を支給しています。一方で民間戦災者については「戦争の犠牲は等しく我慢しなければならない」という考えにもとづき、放置しています。なぜ同じ戦争で傷ついた人が区別されるのでしょうか。
50代の半ば、全国戦災傷害者連絡会を立ち上げました。「戦争に行ってない女は黙っとれ」と言われながら、年に数回上京して国会議員らに援護法の制定を求めてきました。100歳近くになりますが、めどはたっていません。
国は私たちの死を待っているのかもしれません。でも、「法の下の平等」を掲げる14条の光は、みんなに届くはず。そう信じ、訴え続けていくつもりです。
◇
《14条》 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地(家柄の意)により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴わない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
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朝日新聞社会部
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