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【政治】

解釈改憲 反対のうねり 集団的自衛権に危機感 憲法記念日

改憲反対を訴えデモ行進する護憲派集会の参加者たち=3日、東京・銀座で(平野皓士朗撮影)

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 施行から六十七年を迎えた憲法記念日の三日、憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認を目指す動きに反対する声が全国各地で上がった。権力者の意のままに憲法を変え、平和主義を壊そうとする政府に対し、分野を超えた幅広い層の団体・個人が危機感を募らせている。 

 「さまざまな学者が、今の政治のやり方はおかしいという、この一点で集まっている」。学習院大の青井未帆教授(憲法)は東京都内で開かれた護憲派の集会で訴えた。

 青井氏が呼び掛け人として加わる「立憲デモクラシーの会」。憲法や政治にとどまらず、経済や文学、哲学、科学などの学者が集まり四月に結成し、集団的自衛権行使容認にブレーキをかけようと分野を超えて団結した。積極的に講演などを行っており、三日も北海道や兵庫県、岡山県などでメンバーが講演した。

 安倍政権が描く改憲の道筋には、これまでも反対運動が起きてきた。首相が昨春、改憲の発議要件を定めた九六条の緩和を目指すと、憲法や政治学者らが反対を訴える会をつくった。昨年秋以降、国会で特定秘密保護法の審議が本格化すると、国内外の多くの人権団体や文化・芸能関係者らが反対の声を上げた。

 安倍政権は日本版「国家安全保障会議(NSC)」を発足させ、武器輸出を原則禁じてきた三原則も見直し、輸出容認に転じる新原則を決めた。憲法が定める平和主義の下、日本が長年維持してきた安全保障政策は変質している。これに危機感を抱く世論のうねりは広がり続けている。

 三日には、作家や俳優らが呼び掛けて二月に結成した「戦争をさせない1000人委員会」が都内のシンポジウムで「戦争をしないとか表現の自由があるという権利を、憲法が保障してくれている」と訴えた。

 全国三十五の女性団体が加盟する「国際婦人年連絡会」は「憲法に明記されている平和・人権条項こそ、ジェンダー平等社会実現の根幹だ」とする声明を発表し、解釈改憲に反対。宗派を超えた宗教者たちは集団的自衛権の行使に反対するアピール文への賛同者を募り、五カ月間で三千五百人以上が署名した。

 全国各地の約六十の地方議会も、解釈改憲に反対や慎重な対応を求める意見書を国会に提出している。

 

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