護憲訴え、京都・滋賀で集会 憲法記念日
日本国憲法の施行から67年を迎えた3日、憲法記念日にちなむさまざまな集会が京滋などで開かれた。京都市東山区の円山公園野外音楽堂では、憲法9条京都の会が「生かそう憲法 守ろう9条 5・3憲法集会in京都」を催した。安倍首相の改憲方針への懸念を反映してか、昨年を700人上回る約2400人が来場した。
満席の会場では、平和や自由の大切さを歌うミュージシャンのライブに続き、京都96条の会代表の岡野八代同志社大教授が「自民党は『秩序』という言葉で憲法13条が保障する一人一人の幸福追求権を制限しようとしている」と指摘した。また、集団的自衛権の行使を容認する動きを強く批判する集会宣言を採択した。
その後、「憲法ウォーク」を実施し、参加者たちが思い思いのユニークな衣装を身につけて八坂神社前から京都市役所までを歩き、護憲をPRした。
大津市の滋賀県教育会館では「いのち・くらし・憲法集会」が開かれた。渡辺武達同志社大教授が講演し、憲法から見た集団的自衛権の問題点や、マスメディアが果たす役割の重要性などを指摘した。
県内の労働組合などでつくる実行委員会が昨年に続いて開催、市民ら約40人が集まった。渡辺教授は改憲や集団的自衛権について「米国と共に戦争をする必要はない。憲法の再解釈を行うならもっと議論すべき」との米国の研究者の意見を紹介し、安倍首相の姿勢を批判。「紛争は武力では解決できない。どうすれば平和思想を持って生きられるかを考えなければいけない」と述べた。
また、最近のマスメディアをめぐる状況に関し「憲法は表現の自由を守るために検閲を禁じているが、テレビ局には政府を批判する番組を作らせない動きもある」と警鐘を鳴らした。
【 2014年05月03日 23時23分 】