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携帯可能な水力発電装置

持ち運び可能な水力発電装置が、オフグリッド(独立型)電力供給装置として注目を集めている。ソーラーパネルよりも最大出力が高い。

 
 
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Alexis Madrigal


写真は民生用の『BPP-1』。Photo courtesy Bourne Energy

重さ約13キログラムで500ワットの電力を発電できる、人間が持ち運び可能な水力発電機が、まもなくオフグリッド(独立型)電力供給の新しい選択肢になるかもしれない。

米カリフォルニア州マリブのBourne Energy社が開発した『BackPack Power Plant』(BPP)は、深さ120センチ以上の流れがあれば、騒音のないクリーンな発電が可能だ。

Bourne Energy社は、2月24〜26日(米国時間)にサンフランシスコで開催された『Cleantech Forum』で、民生版の『BPP-1』をより頑丈にした軍用版の『BPP-2』を披露した。量産後の価格は約3000ドルになると、最高経営責任者(CEO)のChris Catlin氏は予測している。

3000ドルする小型水力発電装置は、先進国では大きな市場にはならないだろうが、開発途上国と軍隊において需要があると同社は期待している。

軍用版のBPP-2では、音や熱、排気ガスを出さないので、敵に見つからずに発電できることが売りだという。さらに、装置をカムフラージュして、島などに見せることも可能だとう。

オフグリッドの太陽電池も騒音はないが、BPPと比較すると、発電される電力が小さい。たとえば、ある市販の折りたたみ可能なソーラーパネルの場合、約1.1平方メートルの面積で最大出力が62ワットだ。BPP-2と同等の最大出力を得るには面積5.5平方メートルのパネルが必要となる。さらに、太陽電池は日が照っている間しか発電できない。

『BPP-1』を設置するには、川の両岸に溝を2本掘り、アンカーをそこに挿入する。次に、各アンカーとBPPの間に合成ロープを渡す。Catlin氏によるとBPPは、水に浮かぶ石油リグをつなぎ止める高張力の係留システムのような設計になっているという[サイトによると、ロープには単体でも複数でも係留可能]。

民生版のBPP-1は、秒速2.3メートルの流れで最も性能が出るように設計されている。軍用版のBPP-2は、さまざまな流速で機能するように設計されている。[BPP-2はBPP-1より大型で、4ノットの場合、1台あたり最大50キロワットの発電が可能という]

[日本語版:ガリレオ-緒方 亮/合原弘子]

WIRED NEWS 原文(English)

 
 
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