小保方氏会見:「責任重く受け止めるがSTAP現象真実」
毎日新聞 2014年04月09日 13時25分(最終更新 04月09日 14時08分)
「この度は本当に申し訳ありませんでした」。新たな万能細胞「STAP細胞」の論文に不正があるとされた問題で、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が9日、大阪市内で記者会見した。この日朝、代理人の弁護士に「清水の舞台から飛び降りるような気持ちだけど頑張ります」と決意を語ったという小保方氏。多数の報道陣を前に謝罪すると同時に、「改ざん・捏造(ねつぞう)」と結論づけた理研調査委員会に反論、STAP細胞については「真実」と訴えた。
今年1月末にSTAP細胞の作製成功を発表して以来、初めて公の場となる小保方氏は午後1時、同市北区の大阪新阪急ホテル2階の宴会場「花の間」に現れ、代理人を務める三木秀夫弁護士ら2人とともに着席した。真珠のネックレスと紺色のワンピース姿。大量のフラッシュがたかれる中、緊張した表情で、涙をこらえ、時々、肩で息をするような仕草もみせた。
冒頭、三木弁護士が、「本人の体調が万全でないため、カメラのフラッシュを控えてほしい」と呼びかけた。医者が別室で控えていることを明かし、「(記者会見が)中止になる場合もある」と話した。
続いて、小保方氏が立ち上がってマイクを握り、「私は決して悪意をもってこの論文を仕上げた訳でない」「STAP細胞がいつか誰かの役に立つと信じ、研究を続けてきた」などと、用意したコメントを読み上げた。「反省」「おわび」「申し訳ない」などコメントの中で計7回の謝罪の言葉を重ねた。弁護士が不服申し立ての内容を説明している間は、うつろな表情で聴き入り、涙をぬぐうような様子もうかがえた。
午後1時半過ぎからの質疑では、捏造や改ざんとされた画像について質問が集中。小保方氏は「不勉強のまま自己流でやってしまったことを反省している」などと語った。
会場は予定時間の1時間以上前に開場され、用意された約170席は記者やカメラマンらでいっぱいになった。説明のため大型スクリーンも用意された。
三木弁護士によると、理研に不服申立書を提出後の8日夜には「会見でマスコミに理解してもらえるか心配です」と語っていたが、9日朝は、電話での打ち合わせの際、「今日は大丈夫です。出られます」とはっきりとした口調で答えた。ただ、自らの主張を正確に報道されるか不安がっていたという。【茶谷亮、松井聡、村上尊一】