【コラム】統一大当たり論VS安全保障大当たり論

統一大当たり論は「政治的ポピュリズム」、金正恩政権を刺激して挑発を呼ぶ恐れ
北朝鮮が核を放棄する可能性はゼロ…今必要なのは、国防・安全保障の「大当たり」

 統一に関して今の韓国に必要なのは、首脳会談や政府レベルの対北支援よりも、むしろ統一に備えた実のある準備だ。法令および政府の組織体系、経済運営、住民移動の管理など統一後の諸問題を研究し、整備し、指揮所演習(CPX=図上演習)を行うなどといった業務が重要であって、北朝鮮に関する情報、とりわけ軍事動向を把握するため韓国の能力を完全に発揮すること、北朝鮮住民が最小限の生計を維持できるように行う人道的支援の方式、米国・中国など関係各国との緊密な協力体制構築といったことを、政治的スローガンより優先すべきだ。

 金正恩集団が核兵器を放棄する可能性に触れた情報は、世界にただの一つもない。北朝鮮が核兵器を放棄する可能性は1%もないというのに、韓国が核の放棄を前提とした提案を繰り返すのは、実に消耗的かつ喜劇的だ。韓国は、金正恩集団の経済破綻や内部矛盾を見守るしかない立場にある。そういう立場で、国全体が「統一大当たり論」に向かうかのような状況が発生すると、北朝鮮の「火遊び」を誘発しかねない。今の韓国に「大当たり」が必要だとするなら、それは「国防大当たり」であり「安全保障大当たり」だ。

金大中(キム・デジュン)顧問
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