「統一大当たり論」が時流に乗っている。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が「統一は韓国にとって大当たり」と発言して以来、この言葉はまるで流行語のように広まっている。加えて、朴大統領がドイツのドレスデンで南北統一に向けた「ドレスデン宣言」を行ったことが、統一大当たり論にますます拍車を掛けている。
統一は韓国の歴史的使命で、韓民族にとっては祝福だ。しかしそれは「韓国による統一」が前提であり、北朝鮮による統一であった場合、韓国にとっては災いであり死を意味する。統一という命題そのものは民族の「大当たり」だが、統一の形式によっては「外れ」になりかねない。従って、過程を排除した結果だけの統一論は、現実的な意味を持たない。そういうわけで、現在話題になっている統一大当たり論は、場合によっては政治的ポピュリズムにも見えかねない。
統一大当たり論は、前向きな側面を持っている。韓国の国民、とりわけ若い層は、親北左派の影響なのか、統一を幻想的なものと見る傾向が強かった。最近、順天郷大学の学生1160人を対象に実施された世論調査では「統一反対」が58%に上った。今年1月に本紙とメディアリサーチが行った世論調査では「統一のために、韓国政府が北朝鮮の変化を積極的に誘導すべきか」という質問に対し、70.1%が逆効果を心配する慎重論を唱えた。また「対話と妥協は可能だと思うか」という質問に対し、71.5%は否定的な反応を見せた。統一大当たり論には、まさにこうした否定的傾向を払拭(ふっしょく)し、韓国の国民を統一の隊列に加わらせる教育的必要性と時代的当為性を反映しているという点で意味がある。すなわち、韓民族の至上命題として統一をアジェンダ(課題)化する効果があるのだ。