韓国の刑法に今なお残る植民地時代の遺産

日本が光復軍を弾圧するために作った「募兵利敵罪」
ソウル大学のシン・ドンウン教授が発表

韓国の刑法に今なお残る植民地時代の遺産

 戦前の日本によって光復軍(日本の植民地支配に抵抗した朝鮮人部隊)を処罰するため作られた刑法の条項が、韓国の刑法に受け継がれて堂々と生き残っている-という主張が、ソウル大学の教授によって提起された。

 ソウル大学法学部のシン・ドンウン教授は、最近ソウル大学で開かれたフォーラム「法と文化」で「韓国現行刑法の『外患の罪』に関する部分は、1940年の日本の軍国主義刑法を引き写したもので、光復軍を処罰するため日本の軍部の要求によって新設された『募兵利敵罪』の条項も含んでいる」と語った。

 「外患の罪」とは、外国と内通し、国を転覆させようとする罪のことで、「募兵利敵罪」のほかにも「外患誘致罪」「間諜(かんちょう)罪」などがある。このうち募兵利敵罪とは、敵国のために軍隊を集めたり募兵に応じたりする罪のこと。

 シン教授は昨年、日本の法務省図書館で、1930年代に日本の刑法を改正するため構想されていた「刑法改正起草委員会」の会議録全文を入手した。シン教授によると、1934年10月16日の会議で、当時の陸軍省法務局長が募兵利敵罪の新設を要請した。シン教授は「日本と中国・ロシアの間に戦争が起こった場合、朝鮮人が中国・ロシアのため軍隊を募集するケースに備えるためのもの」と説明した。日本軍部の要請はそのまま受け入れられ、1940年の改正刑法に募兵利敵罪の条項が新設された。

 シン教授によると、日本刑法の募兵利敵罪は、1953年に制定された韓国刑法にそのまま導入された。シン教授は「刑法制定に参加した当時の立法者が、日本の刑法典をそのまま引き写し、光復軍を処罰するため作られたこの条項も韓国刑法に『外患の罪』94条として組み込まれた」と語った。この条項の起源を知らなかったため、引き写す際に問題にされなかったというわけだ。シン教授は「光復(日本の植民地支配からの解放)から間もなく70年になる現在まで募兵利敵罪の条項が残っているという事実は、国の誇りを傷つける。この条項は『一般利敵罪』の条項で代替できることから、早く改正して植民地時代の残留物を清算すべき」と語った。

キム・ギョンピル記者
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