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堅めのメディアの流入はFacebookではなくNewsPicksが主流になる?

おお!ついにNewsPicks経由の流入がFacebookを超えたか!と思いきや、比較的The Startupでは定常的にNewsPicks経由の流入がFacebookを超えるようになってきました。単にFacebookでバズってないだけ。とも言えますが。

メディア運営者としてはどのチャネルがどんなユーザーの流入をメディアにもたらすのかはいつも注視すべきです。感覚値ではここは3年に1度くらいのルールチェンジがあり、こんな感じの肌感覚。

■オンラインメディアの流入チャネル
200×年:Google&Yahoo!(検索エンジン)
2010年:twitter
2011年:Facebook
2013年:Gunosy
2014年:NewsPicks

年を経たからといった各チャネルの威力が新しいチャネルに取って代わられているわけではありません。未だに検索流入は強いです。○年の表記はそのチャネルでの流入が増えてきた年を指します。

4つのチャネルの1%のユーザー行動の変化

twitterやFacebook自体のユーザー数やアクティブユーザー数は伸びているでしょう。ただし、広い市場で見た時に客観的に見るとThe Startupの読者層は明らかなイノベーター層です。僕はThe Startupの運営においては全体の市場の2.5%、極論1%程度の読者を想定すれば良いと思っています。The Startupには意識の低くて流行遅れの読者はいらないのです。

なので、1%の動きに僕は注視しています。1%のユーザー行動でどのチャネルに接触する時間がどう変化するかを、自らのユーザー体験を丁寧に追ったり、身近なインフルエンサーの動きをストーキングして脳内でシナリオを描いています。

各チャネルにおける1%のユーザー行動を追ってみましょう。

■twitter:2012年をピークにアクティブ率は低下

もうだいぶ前の話ですが1%の人たちの間でのtwitterのアクティブ率は下がりました。これはインフルエンサーのツイート数の低下や「もうtwitterは見てない、見る頻度が下がった」と発言する人は周囲には増え、twitterそのものへの接触時間が下がっていることを実感します。多分1%の人たちでのtwitterのピークは2011年。最近は下げ止まったかなという印象。

■Facebook:おっさんの社交場としてのメインストリーム

次にFacebook。ここは難しいのですが、チャットのログイン数を見る限り、1%の人たちの滞在時間は微減している気がする。そしてビジネスメディア運営という観点で見ると、Facebookは本来リア充が戯れるSNSであり、真面目な記事を(`・ω・´)キリッとシェアする場ではない。

今や1%の人々にとってFacebookはおっさんの社交場としての利用がメインとなっており、キラキラ女子たちは自分の投稿に対するおっさんたちの「かわうぃ〜ね〜!」という投稿に嫌気が差し、インスタグラムに逃げているという梅木調査結果もある。インスタグラムなら気兼ねなくリア充写真を投稿しまくり、FBにupするのは渾身の一枚。らしい。

■Gunosy:マス化で1%ユーザーのアクティブ率は低下

Gunosyは賛否両論のTVCMを経てユーザー数自体はグロースしたようですが、1%の人々からはレコメンド精度が下がったということで離脱率が相当上がったと感じている。スマートニュース化したグノシーの時にグノシー批判を展開した人のほとんどが1%に属する人だと思われる。

スタートアップ的世間話のネタとして「最近のグノシー、どう思いますか?」はもはや挨拶といえ、グノシーをどのように使っているか。果ては僕は面接で「グノシーを見せてくれ」と言って、その人のニュースの趣向を確認したりした。グノシー面接はおススメだ。僕は半分以上サッカーしか出てこないけど。サービスとしてはグロースしたが、1%のユーザーのアクティブ率は下がったというのが2014年5月時点での僕の見立てだ。

■NewsPicks:ビジネスニュースならメインストリームになる

NewsPicksだが、経済系に特化しているのが特徴で、堅めの記事と相性が良い。ゆえにThe Startupとは非常に相性が良い。ヘビーユーザーのアクティブ度が異常。twitter、Facebook、Gunosyほど万能に全分野網羅できるわけではなく、堅めの記事に特化しているが、逆にソーシャルメディア経由で読む記事はライトなものが多く、長文コンテンツは相性が悪いのではないか。

NewsPicksでは堅めの長文コンテンツでもソーシャルメディアよりは読まれやすい傾向がありそう。現にThe Startupのスマホ経由の滞在時間はFacebookよりNewsPicksの方が15秒上だ。ユーザーも「経済ニュースを読む」という態度で訪問しているので、そういったモードなのだろう。

よって堅めの記事を出しているメディアで、NewsPicks対策をしていないのはアホだといえる。僕は別にNewsPicks信者ではない。ビジネス的にその戦略を取らないのがあり得ないことで、長期的に大きな機会損失になると考えているからだ。現に僕はほとんど自分の記事しかPickしないw

こうして僕がご親切にも書き手の皆さんに「NewsPicks対策しないとアホだよ!」と教えてもあまり書き手側の参入はない。今のうちに甘い汁を僕は吸えて、先行者優位を気づきやすいんだけど、水面下でルールチェンジが起きていることにメディア関係者は気づいた方がいいですよ。

記事を拡散するディストリビューターとしても、NewsPicks内のインフルエンサーが力を持ち始めると思われます。田端さんも早く参入した方がいいと思うんですが、いかがでしょうか。

世の中の1%の流行りもの好きなThe Startup読者の皆さん、4つのチャネルにおける自らの滞在時間はどう変化していますか?NewsPicksなどでぜひコメント下さい。

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