慶良間諸島:ダイバー規制へ サンゴ礁を保護 沖縄

毎日新聞 2014年05月04日 09時00分(最終更新 05月04日 09時07分)

美しい色の海に囲まれた慶良間諸島の島々。座間味島(右)と安室島(左下)の間には干潮時に白い砂浜が出現する=沖縄県・慶良間諸島で2014年5月2日、本社機「希望」から武市公孝撮影
美しい色の海に囲まれた慶良間諸島の島々。座間味島(右)と安室島(左下)の間には干潮時に白い砂浜が出現する=沖縄県・慶良間諸島で2014年5月2日、本社機「希望」から武市公孝撮影

 世界有数のサンゴ礁が広がる慶良間(けらま)諸島(沖縄県渡嘉敷(とかしき)村、座間味(ざまみ)村)の周辺海域で、両村は今年度中に立ち入り人数を制限する方針を固めた。ダイバーがサンゴ礁を傷つける被害を抑えるのが目的で、「エコツーリズム推進法」(2007年成立)に基づく全国初の規制となる。 

 慶良間諸島は「ケラマブルー」と呼ばれる透明度を誇る海が広がり、サンゴ礁の周辺を魚が群れをなす。しかしオニヒトデの食害や温暖化による海水温上昇で被害が出てきた。両村には人口の100倍に及ぶ年間十数万人の観光客が訪れるが、今年3月の国立公園指定で増える可能性がある。

 同法では、自然保護と観光による地域振興の両立を目指す地域が協議会を設け、具体策を作ることができる。慶良間諸島では、両村や環境省、ダイビング協会などでつくる協議会が、サンゴ礁の分布域である水深30メートルより浅い海域を、立ち入りを規制できる「特定自然観光資源」に指定することで合意した。一方で、環境保全に取り組んでいると認定した事業者の立ち入りは制限されない。

 両村は悪質な違反者に科す罰金額や場所ごとの立ち入り者数、監視体制などを詰め、6月にも関連条例案を各議会に提出する。「豊かな自然を維持するため、できる限り早く施行したい」(座間味昌茂・渡嘉敷村長)としている。【田中泰義】

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