【モスクワ=田中孝幸】ロシア通信によるとウクライナ東部スラビャンスク市内を掌握する親ロシア派武装勢力は3日、拘束していた欧州安保協力機構(OSCE)監視団員とウクライナ軍人の計12人全員を解放した。ロシアのプーチン大統領の特使として現地に派遣されたルキン元駐米大使の説得に応じた。
新政権への徹底抗戦を掲げる親ロ派は4月25日、ドイツ人やウクライナ人の監視団員らを「戦争捕虜」として拘束した。同市の奪回を目指す新政権との解放交渉は難航し、緊張が高まっていた。プーチン政権はこれ以上の親ロ派の国際的なイメージ悪化を避けるため、拘束を解くよう働き掛けたとみられる。
ケリー米国務長官は3日、ロシアのラブロフ外相とウクライナ情勢に関して電話協議した。ケリー氏は親ロ派の分離主義者への支援を止めるよう要請。緊張緩和を担うOSCEの役割拡大に向け、OSCE議長国スイスのブルカルテル大統領と緊密に連携することで一致した。
プーチン、OSCE