東京都心に建設中のJRの新路線「上野東京ライン(東北縦貫線)」が完成間近だ。上野駅と東京駅の間の約3.8キロを結び、東北(宇都宮)・高崎・常磐線と東海道線の直通運転を実現する。一部区間は東北新幹線の真上を走り、高さはビル7階に相当する。大詰めを迎えた新路線の工事現場を歩いた。
■レール敷設は完了
「ガガガガガァー」。4月中旬、上野東京ラインの建設現場にはレールの上も走行できる作業車「軌陸ダンプ」が行き来し、列車の走行音を抑えるためのバラスト(砕石)をまく音が響いていた。新路線は、すでに全区間でレールの敷設が完了。残すはバラストや架線の敷設などで、工事は最終段階となっている。
新路線が建設されたのは上野―東京間という都心部。とりわけ神田駅周辺は狭いエリアにビルが立ち並び、新たに鉄道を敷く用地がない。このため東日本旅客鉄道(JR東日本)は、神田駅付近の東北新幹線の高架橋上にもう一段新しい高架橋を建て、そこに上野東京ラインを走らせるルートを選んだ。
新路線約3.8キロのうち、高架橋を新たに建設したのは神田駅付近の約1.3キロ区間。うち約0.6キロが東北新幹線の真上を走る「重層部」となる。空中を利用した重層部の最高地点は地上22メートル。ビル7階相当の現場に立って防音壁の下をのぞき込むと、神田駅の京浜東北線や山手線のホームがはるか下にあった。
建設中の新路線を上野駅から東京駅方面に向かうと、秋葉原駅を過ぎた辺りで線路は右にカーブを描きながら上り坂となる。新設した高架橋のアプローチ部分だ。すぐ右隣を走る京浜東北線が高架の陰で見えなくなり、左側の東北新幹線が右に曲がりながら新路線の下に潜り込んでくる。
秋葉原から神田までの上り坂を歩く。両サイドに立つ防音壁が外の視界を遮り、高さや勾配の大きさはあまり感じない。ところが神田駅付近の最高地点を過ぎると、前方の視界が開け、東京駅方面へ続く長い下り坂の鉄路を実感できる。
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