連続テレビ小説 花子とアン(26)「波乱の大文学会」 2014.04.29

(はな)蓮子さん…。
(畠山)葉山様本当に主役のロミオをやって下さるんですか?
(蓮子)ええ。
やります。
(どよめき)ほかにどなたかいらっしゃいませんか?いらっしゃらないようなのでロミオは葉山様に決定します。
(拍手)ではごきげんよう。
大文学会の主役に手を挙げた蓮子様に生徒たちはびっくり。
中でも一番驚いたのははなでした。
(醍醐)私あの方がロミオなんて嫌。
醍醐さん…。
葉山様って何を考えてるか分からなくて何だか怖いんですもの…。
おやおや。
早くも一悶着ありそうですね。
・「これからはじまる」・「あなたの物語」・「ずっと長く道は続くよ」・「虹色の雨降り注げば」・「空は高鳴る」・「眩しい笑顔の奥に」・「悲しい音がする」・「寄りそって今があって」・「こんなにも愛おしい」・「手を繋げば温かいこと」・「嫌いになれば一人になってくこと」・「ひとつひとつがあなたになる」・「道は続くよ」
(富山)本当に葉山蓮子さんがロミオ役を?
(茂木)はい。
生徒たちの話では自分から手を挙げたそうです。
彼女もやっと前向きになってくれたようですね。
(通訳する富山)私はとても信じられません。
彼女が本当に心を入れ替えたなら話は別ですがそんなふうには見えませんし。
第三幕までの脚本出来ました!待ってたのよ!これでお稽古始められるわね!早速印刷しましょう。
はなさんは後半の脚本急いで下さい。
はい。
お願いします。
第一幕一場キャピュレット家の広間。
「ああどうすればいいの?パリス公爵の愛を受け入れる事など私には到底できないわ」。
ロミオは?ロミオがいなきゃ始まらないじゃないの!葉山様稽古場にも顔出さないなんて本当にやる気あるのかしら?続けてて。
蓮子さん。
前半の脚本が出来たので稽古場に来て下さい。
入りますよ。
優雅に歌なんて詠んでいらっしゃる場合じゃないんですけど。
出来たわ。
何でしたっけ?はあ?蓮子さんロミオの役引き受けましたよね?忘れちゃったんですか?あっ私の事はお構いなく。
どうぞ皆さんで進めて下さい。
そんな!ロミオがいなければお稽古になりません!今すぐ稽古場に来て下さい!一方甲府の若者たちはそれぞれの将来を模索していました。
(吉太郎)朝市は本当に百姓やめて教師になるだけ。
(朝市)うん。
おらもやっとやりてえこんが見つかっただ。
へえ。
兵隊になる。
兵隊?こないだ甲府に連隊がやって来たら。
道端で見てるうちに体中がカ〜ッて熱くなって「これだ!」と思っただ。
朝市には言うけんどおら東京の女学校行ってるはなにずっと引け目感じてただ。
かよもうちに金送るために工場行って妹らに先越されたみてえで…。
おら長男なのにこのまんまでいいずらかってずっと考えてただよ。
軍隊に入ればおかあたちに楽さしてやれるじゃん。
おらのおとうも兵隊だっただ。
てっ…。
おら顔も知らんけど赤ん坊ん時日清戦争で死んだだよ。
ほうか…。
お国のために死んだだけ…。
第三幕四場キャピュレット家のバルコニーと庭園。
「おおいとしいロミオ様。
私たちはどうすればよいのでしょう?」。
次ロミオのセリフです。
どこ?ここです。
何かおかしいですか?「おおいとしいジュリエット。
私はあの月に誓う。
そなたへの永遠の愛を」。
こんな芝居じみたセリフ恥ずかしくて言えませんわ。
これお芝居ですから。
こんな陳腐なセリフに感情を込めろという方が無理です。
陳腐…。
それはいくら何でも翻訳してくれたはなさんに失礼じゃないですか?私よりもシェークスピアに失礼です。
失礼。
ゆうべ寝不足だったもので。
ちょっと…どういうおつもりですか?自分から主役をやりたいとおっしゃってそういう態度はないんじゃないですか?醍醐さん。
少し休憩致しましょう。
(竹沢)醍醐さんが腹を立てるのも無理ないわ。
(梅田)何でしょうあの態度。
私あの方の相手役なんかできません!醍醐さん落ち着いて。
葉山様がロミオをやるなら私降ろさせて頂くわ!どうぞ。
蓮子さん!ひどい…。
醍醐さん…。
今度はどうしたんですか?すみません役の事でもめてしまって…。
配役を変えたいんです。
(通訳するはな)葉山様がロミオのままだと私ジュリエットをやりたくありません!
(通訳するはな)私がロミオ?「嫌なら降りなさい」とおっしゃっています。
降りません。
葉山様のせいでみんなとお芝居できなくなるなんてやっぱり嫌です!
(通訳するはな)蓮子さんはどうしますか?私も降りません。
必ず舞台に立ちます。
(通訳するはな)困りましたね。
どうしましょう?「では蓮子さんがジュリエットをやりなさい」と。
(どよめき)「そして真面目に稽古をしなさい」。
どうしてこんな事になっちゃったのかしら。
あの人がジュリエットで私がロミオなんて…。
本科最後の大文学会だからすてきなドレスを着て舞台に立ちたかったのに…。
葉山様はみんなの神経を逆なでして失敗させたいだけじゃないのかしら…。
私もあの人が何を考えているか分からない。
けどブラックバーン校長のご判断は間違ってないと思うの。
どうして?醍醐さんは背が高いからきっとロミオ役すてきよ。
私醍醐さんのロミオ見てみたい。
はなさん本当?うん!絶対似合うと思う。
「おお愛するジュリエット。
私はそなたが望むならいつでもモンタギューの名を捨てる覚悟はできている!キャピュレットの家に縛られているのはそなたの方ではないのか?」。
いいですね。
醍醐さんのロミオ。
うん。
ジュリエットよりず〜っと適役だわ。
あとは葉山さんね…。
「おいえらい事になった。
キャピュレット家の連中だ」。
あれ?あの…これ蓮子さんの…。
台本を置いてまたお部屋に戻ってしまったの。
これ忘れてました。
わざわざどうも。
稽古場に来て下さい。
皆さん一生懸命すぎて疲れちゃうんですもの。
蓮子さん無責任すぎます!どうしてですか?どうして舞台の主役なんか引き受けたんですか!ちゃんと説明して下さい。
蓮子さん!復讐したい人がいるの。
はなさん。
私の復讐につきあって下さらない?ドキドキしていました。
こういう危険な香りのする人に女の子は心ならずも引かれてしまうものなんです。
ごきげんよう。
さようなら。
2014/04/29(火) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 花子とアン(26)「波乱の大文学会」[解][字][デ][再]

はな(吉高由里子)の脚本の翻訳は進み、いよいよ芝居の稽古が始まった。しかしロミオ役に立候補した蓮子(仲間由紀恵)は一向に稽古へ現れず、級友たちは反発を強める…

詳細情報
番組内容
はな(吉高由里子)は前半部分の翻訳を完成させ、いよいよ芝居の稽古が始まった。しかし、自らロミオ役に立候補した蓮子(仲間由紀恵)は一向に稽古へ現れず、ジュリエット役の醍醐(高梨臨)ら級友たちは反発を強める。無理やり稽古場につれてきても全くやる気を見せない蓮子に、しびれを切らした醍醐は役を降りると宣言。騒ぎを聞きつけたブラックバーン校長(トーディ・クラーク)は、やってくるなり意外な提案をする…
出演者
【出演】吉高由里子,仲間由紀恵,賀来賢人,窪田正孝,ともさかりえ,浅田美代子,高梨臨,トーディ・クラーク,【語り】美輪明宏
原作・脚本
【原案】村岡恵理,【脚本】中園ミホ
音楽
【音楽】梶浦由記

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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