結論は正しい。
見事にでたらめな三段論法だ。
まあね。
ヘヘヘ…。
楽しくて役に立つ生物の世界へようこそ。
どんな生物にも細胞がある。
ではその細胞は生物によって違うんだろうか。
細胞の中はどのようになっているんだろうか。
細胞は不思議に満ちている。
今日は細胞の中身に迫りますぞ。
こんにちは八田亜矢子です。
今日も楽しく勉強していきましょう。
よろしくお願いします。
アシスタントの東京アヴァンギャルド丸沢丸と…。
綾瀬マルタと…。
森の精のミドリ君です。
こう見えて森一番のイケメンです。
俺は?はいよろしくお願いします。
(丸マルタ)お願いします。
さて…前の回でもやったように細胞というのは生物が生物である事の特徴の一つでした。
うんそうです。
全ての生物は細胞から出来ている。
そして今回のテーマ細胞に共通する部分と多様な部分がある。
うん…。
一緒のところもあるけど違うところもあるって事かな?うん。
ではまず聞こう。
細胞というとどんなイメージかな?細胞?まああれですよね。
こうアメーバみたいな…。
グニャグニャっとした感じですかね。
細胞っていうとさ何て言うの…閉ざされた部屋みたいな小部屋みたいになってて。
扉がない密室みたいになって。
何かがグチャっといる。
何か起こってますよ。
何かがいるよね。
細胞の中で何か起こってます。
そうですね。
半分合ってて半分違うっていうところでしょうか。
(丸)そうか〜。
はい。
そういう事じゃ。
では丸君今日のキーワードを出してくれたまえ。
はい。
ジャン!
(マルタ)細胞の中身って何が入っているんだろうね。
(丸)ねっ?今日はそれを考えていきましょう。
最初のポイントはこちら。
さて丸君マルタさん。
はい。
はい。
どのような種類?えっと哺乳類とか甲殻類とか。
あぁいいねぇ。
さすが農学部の卒業生。
いい発想してますよそれは。
甲殻類っていうのはエビとかカニだよね。
そうだね。
ウニもいいよね。
うん…。
大将軍艦巻きで。
何を言っとるか!まあいい。
思いつくままにいろんな生物を挙げてみなさい。
じゃあもっといろいろな生物を出してみましょう。
まず思いついた生物をどんどんカードに書いていこう。
了解です。
は〜い。
じゃあ身近な生き物から書いていきましょうか。
そうですね。
はい身近な生き物…。
イヌっと。
やっぱネコとかさ。
あとはもっと大きな動物とかどうですか?ああネッシーとか。
いやだからさ…ファンタジーすぎるんだよね。
もっとちっちゃな生き物もいるでしょ。
ちっちゃな生き物?うん。
ほう〜いろんな生物が出てきたなぁ。
ではこれを分類してみたまえ。
分かりました。
どういうふうに分類したらいいのかなこれ。
中学校では動物と植物に分けたりしたよね。
動物と植物に分けようか。
えっ?うんそうしよう。
そうしようそうしよう。
じゃあまずネコ。
(丸)動物…。
(マルタ)乳酸菌はどっちなんだろう。
(丸)パス!
(マルタ)よし。
こんな感じになりました。
はい。
でも少し残りましたね。
そうですね。
実は動物でも植物でもない生物というのがいるんです。
この残った…
(マルタ)じゃあ生物は動物か植物か2つにスパッと分けられる訳じゃないんですか?はいそうなんです。
でも実は…その分け方じゃない分け方があるんですか?はい。
これは中学では学ばなかった生物の分け方です。
ジャン!ほう〜原核生物と真核生物。
はい。
ミドリ君に残った乳酸菌や大腸菌はこちら。
原核生物です。
(丸)原核生物。
(マルタ)強そう。
そして原核生物に対して動物や植物などはこちら。
真核生物と呼ぶんです。
(マルタ)へぇ〜。
(丸)真核生物。
動物や植物はどっちも真核生物っていう事なんですか?そうなんです…へぇ〜。
えっ原核…?確かに分かりにくいですよね。
(丸)全然分からないですねぇ。
この原核と真核一体何が違うのか早速見ていきましょう。
次のポイントはこちら。
実は真核生物と原核生物この2つの違いは細胞を観察するとよく分かるんです。
という事で…よ〜し!見ましょう。
細胞見たい!という事で亜矢子さんの細胞から見てみようじゃないの。
私のですか?
(丸)亜矢子さん細胞を提供して頂きます。
いいですよ。
いいですけど痛くはしないで下さいね。
この綿棒で…それだけでいいんです。
そうなんですね簡単。
分かりましたいきま〜す。
(丸)そうですそうです。
これでいいんですか?
(丸)はい。
これでもうここに細胞が付着しています。
見過ぎ見過ぎ。
はいはいこっちに。
(丸)細胞をちょっと…。
そんな軽くでいいんですね。
ここに水を1滴たらします。
(マルタ)おっ。
(丸)カバーガラスを付けます。
(マルタ)お〜。
(丸)パーフェクト。
どんな感じなんだろう。
とれてますかね?おっおっ?
(マルタ)あっ何か…。
あやつかそやつか。
(丸)こやつですねぇ。
いた。
(マルタ)「私は亜矢子さんの細胞だよ」。
(丸)あっこんにちは。
(マルタ)「こんにちは」。
(丸)何か壁ですか?これは。
膜に包まれてますよね。
「うん膜に包まれてるよ」。
(丸)真ん中の何だろう?この丸いやつは?これが核なのかな?ああこれ核っぽいですね。
(マルタ)「そのとおりだよ」。
なるほど…そうなんです。
私八田亜矢子はヒト。
つまり動物ですよね。
ちょっとこれを見て下さい。
これは動物の細胞を表した図なんですけれども真ん中に核が見えますよね。
そのほかにもミトコンドリアという小さいものもあるんです。
(マルタ)でもほかにも小さいものがいっぱいありますけどね。
そうですね。
この動物というのは真核生物でしたよね。
では同じ真核生物の植物の細胞はどうなっているんでしょうか。
これは…その細胞を見てみよう。
植物であるオオカナダモの細胞にも核があるのが分かる。
植物の細胞には丸い緑色の葉緑体があるのが特徴だ。
では核の中には何があるんだろう。
実はこの中にはDNAが入っているのだ。
真核細胞は動物も植物も細胞の中に核がある。
これが共通している特徴という訳だ。
真核生物の細胞の特徴分かりましたか?では次に…原核生物といえば例えば細菌でしたよね。
身近な細菌というとヨーグルトなどに含まれている乳酸菌がよく知られていますよね。
じゃあその乳酸菌ちょっと見てみましょうか。
どれどれ。
(マルタ)「ヤッホ〜!僕は乳酸菌だよ」。
(丸)さっきと声一緒じゃねえか。
(マルタ)「気のせいだよ。
すごく小さいんだよ」。
この乳酸菌は菌の一つ一つが細胞なんです。
(丸)へぇ〜。
乳酸菌は一つの細胞で出来てるって事ですか?そうなんです。
この原核生物とっても小さいだけではなくて真核生物とは決定的に違う点があるんです。
決定的に?えっ何だろう?ちょっとこちらを見て下さい。
ジャン!これは真核生物の細胞と原核生物の細胞を比べた図なんですけれど原核生物の細胞には真核生物の細胞の中にあった核がないんです。
(丸マルタ)へぇ〜。
ただ原核生物にもDNAはあるんです。
この細胞の中を満たしている液体細胞質基質というんですけれどこの中にDNAが入ってるんです。
乳酸菌のほかにはどんな原核生物がいるんですかね?そうですね。
ではほかの原核生物君たちを見てみましょう。
まだまだたくさんいるんですよ。
代表的な原核生物は…ヨーグルトの乳酸菌のほかにも納豆菌や私たちの腸の中にいる大腸菌など原核生物は身近なところにたくさんいる。
町の中で見かける原核生物もいる。
庭先やコンクリートの上などで見られる黒味がかった緑色の塊…イシクラゲはシアノバクテリアの仲間ネンジュモの一種。
顕微鏡で見ると直径10μmほどの丸い細胞が連なっている。
ネンジュモの細胞はヒトのほおの細胞と比べるとずっと小さい。
細胞は大きさも形もさまざまだ。
よし行くぞ。
行きましょう。
2人が訪ねたのは…失礼します。
こんにちは先生。
先生こんにちは。
(中野)こんにちは。
お願いします。
(マルタ)よろしくお願いします。
中野明彦先生は最新の顕微鏡を開発して細胞の中を生きたまま観察しているという。
是非見たいです…。
おっやった。
すごい!細胞の中を。
見れるんでしょ?お〜すごい。
早速見せてもらおう。
(マルタ)えっこれが顕微鏡?
(丸)おっこれ!これですか。
遺伝子操作によって細胞の特定の部分だけを光らせレーザー光線を当てて高性能カメラで撮影する。
すると生きている細胞の動きを捉える事ができるのだ。
従来の光学式顕微鏡では細胞の中の細かいところまで観察する事はできなかった。
電子顕微鏡ならずっと細かいところまで観察できるが材料を固めてしまわなければならないので細胞の動きは分からない。
真核生物である植物の細胞の中には核以外にもミトコンドリアや葉緑体ゴルジ体などさまざまな細胞小器官が存在する。
しかしこれらがどのように働いているのかは電子顕微鏡でも詳しく知る事ができなかったのだ。
あっこんなに動くんだ。
へぇ〜。
この顕微鏡によって細胞の中の細胞小器官の動きを生きたまま観察できるようになった。
細胞小器官がどのように働いているのかその仕組みの解明が進められるようになったのだ。
2つのものが並んでいたとしてそれはものを受け渡してもこっちからこっちへ行ったのかこっちからこっちへ移ったかというのは静止画だと分からないんですよね。
でも動いた状態で動画を撮る事によってこれは確かにこっちからこちらに動いているとかここでものが渡されてるとかそういうのが初めて分かるようになって。
それは…超高性能レーザー顕微鏡が見せてくれる新しい細胞の姿。
これからの研究に世界中から大きな期待が寄せられている。
先生こんにちは。
あぁこんにちは。
先生今日は生物は原核生物と真核生物の2つに分けられるという事。
そしてそのどちらも細胞から出来ているけれども中身は少し違うという事を学びましたね。
そうでしたね。
ところが生命っていうのは不思議っていうか実は生物とも無生物ともいえる第三の存在がいるんですよ。
第三の存在。
それは一体何ですか?ウイルスって聞いた事ありますよね。
はいもちろん。
インフルエンザのウイルスなんかよく聞きますけれどそれ以外にもいろいろな病気の原因となるものですよね。
そうですね。
それが一体何で第三の存在なんですか?図でまず説明しましょう。
ウイルスはいろんなタイプがいるんですけど代表的な形を描いてみました。
真ん中にはやはりほかの生物と同じようにDNAなどが入ってるんですね。
ところが周りは細胞膜ではなくてたんぱく質の殻で出来ているんですよ。
という点で一般の生物の細胞とは違う存在なんです。
細胞ではないという事は生物ではないという事になるんじゃないですか?でもウイルスはDNAなどの…そして自分と同じ構造を持つ個体を作るといった生物ライクな生き方をしている存在なんですよ。
生物ライクな生き方。
それは具体的にはどんな事ですか?ウイルスがどうやって増えていくかという図なんですが。
黄色の部分がほかの生物の細胞だと考えて下さい。
ウイルスが細胞の中に入りました。
入ってDNAなどを出します。
そしてそのDNAをほかの生物の核の中に送り込んでほかの生物のDNAを使ってどんどんどんどん自分のDNAを作ってしまうんです。
そしてその結果たくさん増えたウイルスがまた外へ出ていくというような増え方をしていくんですね。
なるほど。
ウイルスは自分自身では増える事はできないけれどもほかの生物を使って増える仕組みを持っているって事なんですね。
そのとおりですね。
だから生物でも無生物でもない不思議な存在なんですね。
という事は私たちの身の回りにはまだまだ分からない事や不思議な事がたくさんあるんですね。
はい。
また謎が深まりましたね。
おしまい。
意外と今日気付いたのは原核生物っていうのがいっぱい身の回りにいたんだなっていう事が分かりましたね。
でねミドリ君は乳酸菌をチョイスしましたよ。
チョイスしましたか。
(丸)お好みのようで。
それでは八田さん今日の「実になる一言」お願いします。
はい分かりました。
今日の「実になる一言」はこちら。
パカッ!生物はみんな細胞で出来ています。
そしてその中身はいろいろだけれどみんなDNAなどの遺伝物質を持っているという共通点がありました。
そっかそっか。
そうですね。
原核生物真核生物っていうのはあるけどやっぱり共通点はDNAなんですね。
そうなんだね。
生き物の共通点って事だね。
へぇ〜そっかそっか。
2014/04/29(火) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 生物基礎「細胞にみられる共通性と多様性」[字]
生物を学ぶ事は自分自身を知る事です。ヒトとはどんな生物なのか?体のしくみや健康に暮らすための知識とは?本格的に「生物」を学ぶ前に「生物基礎」でその準備をします。
詳細情報
番組内容
生物の特徴のひとつに、「細胞でできている」ことがあげられます。しかし、その細胞の中身は共通ではありません。細胞の中身によって、生物は原核生物と真核生物という2種類に大きく分けることができます。さらに、生物とも無生物とも言えないウイルスという不思議な存在があります。【出演】八田亜矢子・東京アヴァンギャルド、【講師】市石 博
出演者
【解説】都立国分寺高等学校教諭…市石博,【キャスター】八田亜矢子,【リポーター】東京アヴァンギャルド,【語り】増谷康紀
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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