NHKニュース7 2014.04.29

死者が200人を超えた事故。
きょう初めて、謝罪しました。
こんばんは。
ニュース7です。
韓国で起きた旅客船の沈没事故から、あすで2週間。
事故への対応を巡って、政府への批判が強まる中、パク・クネ大統領は、対応に不手際があったことを認めて、事故発生以来、初めて国民に謝罪しました。
韓国政府はきょう、事故に遭った修学旅行生の高校のある街に、合同焼香所を設けました。
硬い表情で献花や焼香をしたパク・クネ大統領。
家族たちは悲しみや政府への不満を直接、訴えました。
沈没事故を巡る韓国政府に対する批判は、日に日に強まっています。
大統領府のホームページに書き込まれた大統領への批判。
あなたが大統領ではいけない理由と、書かれています。
これを読もうというアクセスが殺到し、一時、つながりにくい状態になりました。
最近の世論調査では、大統領の国政運営について、よくやっていると答えた人が、事故前の今月初めに比べ、10ポイント低下。
一方、やっていないと答えた人は、15ポイント増えました。
おとといには、首相が責任を取って辞任する意向を表明。
しかし、批判は収まらず、韓国の有力紙は、社説で、大統領が国民に謝罪すべきだと主張していました。
こうした中、開かれたきょうの閣僚会議で、パク大統領は、事故後の政府の対応に不手際があったことを認め、事故の発生以来初めて、国民に謝罪しました。
その上で、国を改造するという姿勢で、抜本的かつ徹底的な安全対策を立てなければならないと述べ、今回のような事故に対処する新しい省庁を設ける考えを示しました。
事故の発生からあすで2週間。
これまでに確認された死者は205人となりました。
捜索活動は難航し、今も97人の安否が分からないままです。
都心の真ん中に貴重な自然が残る皇居の吹上御苑で、新種の植物が見つかりました。
それがこちら。
フキアゲニリンソウと名付けられました。
専門家は、皇居には里山の環境が残され、植物にとってとてもよい環境になっていると話しています。
毎年、春と秋に皇居で開かれている自然観察会。
天皇皇后両陛下のお住まいがある吹上御苑です。
江戸時代に庭園として整備され、広さはおよそ25ヘクタール。
中にある森は、自然のままの状態に保たれ、およそ5000種の動植物が生息しています。
その吹上御苑で国立科学博物館が行った生物調査で、新種の植物が見つかりました。
これがその写真です。
ニリンソウというキンポウゲ科の植物の仲間で、フキアゲニリンソウと名付けられました。
高さが40センチから50センチと、通常のニリンソウの倍近くあり、雨が降ると、花が下を向くといった特徴があるということです。
フキアゲニリンソウは、両陛下の散策コースの脇に群生していて、両陛下は新種だったことを知ると、驚くとともに、大変喜ばれていたということです。
調査を行った専門家は、次のように話しています。
生物調査は、皇居の生き物の正確な記録を残し、その後の変化も把握するのが望ましいという、天皇陛下の気持ちがきっかけとなって始まりました。
平成8年から12年の調査でも、ミミズやワラジムシなどの新種が見つかっています。
博物館では近く、フキアゲニリンソウを新種として発表することにしています。
事故につながりかねない重大なトラブルが起きていたことが分かりました。
格安航空会社、ピーチ・アビエーションの旅客機が、着陸しようとした際、海面から一時、75メートルの高さまで下がり、警報装置の警告で、難を逃れていました。
機長は、管制官に降下を指示されたと勘違いしたと話しているということで、国の運輸安全委員会は調査を始めました。
きょう午後、ピーチ・アビエーションの本社に入る国の運輸安全委員会の調査官たち。
きのう、那覇空港に向かう旅客機で起きたトラブルについて、重大インシデントだったとして、調査を始めました。
おもしろくて安い航空会社を掲げ、関西空港を拠点に運航している格安航空会社のピーチ・アビエーション。
この映像は、きのう正午過ぎ、那覇空港に着陸したピーチ・アビエーションの旅客機です。
この直前、事故につながりかねないトラブルが発生していました。
そのトラブル、ピーチ・アビエーションのエアバスA320型機は、新石垣空港から那覇空港に向かっていました。
空港の手前およそ7キロの海上で、高度が異常に下がって、地上に近づいたことを知らせる警報装置が作動しました。
作動したのは、操縦室に備えられている、地上接近警報装置です。
機体のスピードや地面との距離などから自動的に危険を察知して、警報音でパイロットに知らせます。
警報装置が作動したとき、高度はおよそ100メートルでした。
機首を上げる操作の間に、一時、およそ75メートルまで下がったということです。
旅客機はその後、着陸をやり直し、乗客・乗員にけがはありませんでした。
この滑走路では、通常、およそ5キロ手前で管制官の指示を受けながら、最終の着陸態勢に入りますが、この旅客機は、およそ10キロ手前から高度を下げ始めたということです。
着陸に向けて、通常の手順よりも早く高度を下げ始めた旅客機。
今回、パイロットは管制官と無線でやり取りしながら着陸しようとしていました。
国土交通省によりますと、旅客機のアルゼンチン人の機長は、管制官から降下するよう指示されたと勘違いしたと話しているということです。
専門家は、警報装置が作動するようなトラブルは、非常にまれだと指摘します。
ピーチ・アビエーションは、当面、機長を乗務から外すことにしたということで、お客様や関係者に多大なご迷惑をかけて、申し訳ないと話しています。
キリスト教徒が急増している中国。
こちらは、信徒の寄付で建てられた浙江省にある教会です。
ところが、違法建築という理由で、完成間近に行政当局によって、きょうまでに取り壊されました。
中国ではこうした取り壊しが相次いでいて、キリスト教への圧力が強まるのではないかという懸念が出ています。
中国では、貧富の格差などさまざまな社会問題を背景に、都市部と農村部の双方で、キリスト教徒が急増し、その数は1億人に上るとも見られています。
このうち特に信徒が多い沿海部の浙江省温州では、地元当局が信徒の寄付で建設され、完成間近だった協会を、違法建築だとして、きょうまでに取り壊しました。
大勢の警察官を動員したうえ、周辺の道路を封鎖し、重機などを使ったということです。
教会には取り壊しに反対する信徒が3000人近く集まり、礼拝を行ったり、賛美歌を歌ったりして訴えましたが、信徒らによりますと、教会の代表者が連行されたということです。
さらに、浙江省の台州や舟山でも、教会の一部や十字架を取り外すなどの動きが出ています。
これに対して浙江省側は、違法建築の撤去は去年から進めているもので、国有企業なども含まれ、特定の宗教を対象にしていないとしています。
中国政府は、当局の管理を超えてキリスト教が広がることは、共産党の政権基盤を揺るがしかねないと警戒しており、教会の取り壊しという極めて異例な措置をきっかけに、今後、キリスト教への圧力が強まるのではないかという懸念が出ています。
次は中国で深刻化している大気汚染物質、PM2.5。
日本でも2月に各地で濃度の上昇が確認され、大陸からの越境汚染が続いていると見られています。
こうした中、日中韓3か国の環境大臣会合が韓国で開かれ、日本と韓国のこれまでの政策や、汚染物質を削減する技術について、中国と共有することなどを盛り込んだ共同声明を採択しました。
韓国のテグで開かれた、日中韓3か国の環境大臣会合には、石原環境大臣と、韓国のユン・ソンギュ環境相、それに中国からは、環境保護相に代わって、李幹傑次官が出席し、共同声明が採択されました。
共同声明では、PM2.5などの大気汚染を防ぐため、日本と韓国が行ったこれまでの政策や、汚染物質を削減する技術について、中国と共有するとともに、特に中国側から要望のあった、PM2.5の原因物質で、塗料などの溶剤に含まれる、VOC・揮発性有機化合物の削減や、重機などから出る排ガス対策について、協力していくとしています。
中国の大気汚染改善に向けた技術協力は、民間レベルでは、すでに始まっています。
大阪にある環境装置メーカーの土井潤一社長です。
土井社長は、埼玉県内の企業と協力して、PM2.5の原因物質、VOCの濃度を測定する、中国向けの監視装置を開発。
おととしには、広東省で現地の企業と合弁会社を設立し、24時間、濃度を測定する装置の製造を始めました。
ほとんどの部品を中国製にすることでコストを抑え、一部の工場では、2月から稼働しています。
こうした技術協力の強化を打ち出した今回の会合。
3か国共同の記者会見で、石原環境大臣は。
今回の会合では、深刻な大気汚染を抱える、中国側の積極的な姿勢が目立ちました。
中国の李次官は、大気汚染防止での日本の経験や方法を学びたいとして、日本との協力関係に前向きな考えを示しました。
その一方で、日本と中国の2国間会談は、中国側の事情で今回初めて開かれず、日中関係の冷え込みが改めて浮き彫りになりました。
今後は3か国で同意した取り組みが、実効性のあるものにできるかどうかが、課題となりそうです。
事件を解決した件数、検挙件数の帳尻を合わせるため、警察署どうしで不正なやり取りが行われた疑いが明らかになりました。
警察が容疑者の余罪として窃盗事件を立件しようとしたところ、別の容疑者の事件として誤って処理されていたことが分かりました。
つじつまを合わせるため、さらに全く関係のない事件を検挙した形にしていたのです。
ここですね。
ここのガラスが破られて、ここからたぶん、手を入れたんだと思いますけど。
こちらの男性。
4年前、自宅の駐車場で車が荒らされ、車内に置いていた現金が盗まれる被害に遭いました。
すぐに地元の警察署に被害届を出しましたが、男性に全く知らされないまま、いつの間にか解決済みとされていました。
去年11月、別の警察署でこの事件とは全く関係のない容疑者の事件として、処理されていたのです。
なぜこのような問題が起きたのでしょうか。
発端は去年5月、滋賀県の大津北警察署が逮捕した、覚醒剤事件の容疑者の男の余罪が浮上したことでした。
三重県内で起きた2件の窃盗事件で残されたDNAが、男と一致するなどして、余罪として立件しようとしました。
しかしこの事件、松阪警察署ですでに別の容疑者の余罪として、これ、検挙済みとされていたんです。
これでは、大津北警察署は2件の余罪について、検挙数がゼロということになってしまいます。
このため、大津北署の担当者は、代わりのものでもいいので、対処してほしいと、松阪署の担当者に伝えます。
松阪署は、いったん処理した事件を元に戻すことは検挙の実績を減らすうえ、ミスを認めることにもなります。
このため、先ほどVTRで見た車上荒らしを含む松阪市などで起きた別の2件の事件を選び出し、この事件を大津北署に差し出したと見られています。
これら2件の事件は、この容疑者には全く関係のない事件でしたが、滋賀県警は、これを受け入れました。
容疑者の余罪として、検挙した形にしたのです。
こうしたやり取りが行われたのは、窃盗事件を取り締まる強化月間でした。
不正の背景には、警察内部だけで検挙した扱いにできる仕組みがあるためです。
余罪が多い事件では、捜査を効率的に進めるため、検察庁に送らなくても、統計上、検挙件数に加えることができるのです。
滋賀県警と三重県警は現在、虚偽の内容で不正に捜査資料が作成された疑いがあると見て、捜査しています。
警察の捜査に詳しい専門家は、検挙の数を重視する体質が、不正を招いているのではないかと指摘しています。
ウクライナ情勢を巡って、EU・ヨーロッパ連合は、制裁の対象に新たに加えたロシア軍のトップなど、15人の名前のリストを公表しました。
リストには、ロシア軍のトップのゲラシモフ参謀総長、コザク副首相など、プーチン政権の幹部、またウクライナ東部のドネツクで、州政府庁舎の占拠を続ける親ロシア派の幹部、デニス・プシリン氏も含まれています。
ウクライナ情勢を受けてEUは29日、ロシアが緊張緩和に向けた具体的な行動を取っていないとして、リストに加えたということです。
自民党の石破幹事長。
集団的自衛権の行使は、厳しい制限をかけて、限定的に容認するものだと述べました。
その上で、慎重な姿勢を崩していない公明党も含め、国民から幅広い理解を得られるよう、最大限努力する考えを示しました。
広島と長崎の市長が、国連のパン・ギムン事務総長と会談し、核兵器禁止条約の交渉開始に向けて、指導力を発揮するよう要請しました。
関係者によりますと、パン事務総長は、核兵器のない世界の実現は、みずからも大きく力を入れている問題の一つだとしたうえで、核問題は好転する兆しがあるという期待を示したということです。
陸上男子100メートルで、注目の18歳、桐生祥秀選手。
去年、好タイムを出した広島での大会で、初の9秒台に期待が高まりました。
桐生は、去年のこの大会で、日本歴代2位の10秒01をマーク。
ことしは9秒台か、注目のレースです。
予選。
まずまずのスタートから、中盤、感覚をつかめたと加速しました。
10秒10。
自己ベストに次ぐ好タイムで、決勝での快挙に期待が高まりました。
ところが、3時間半後の決勝を桐生は棄権。
予選で感じた右足太ももの張りが、レース直前まで消えず、大事を取ったということです。
桐生、来月11日の東京での大会には、出場したいとしています。
柔道男子無差別の日本一を決める全日本選手権。
21歳の王子谷剛志選手が、初めての優勝を果たしました。
王子谷は大学4年生。
重量級のホープです。
決勝の相手は上川。
ロンドンオリンピックの代表で、優勝候補に挙げられていました。
序盤は技をかけ合い、互角の展開。
王子谷は、相手の体力が落ちる終盤が勝負どころと見ていました。
残り1分42秒。
21歳、王子谷剛志、柔道日本一まで上り詰めました。
大外刈りで一本勝ち。
期待の若手が初めての日本一です。
プロ野球は6試合がデーゲームで行われました。
オリックスが首位攻防戦を制しました。
先発の西は、負けなしの5連勝です。
巨人は9回に、逆転サヨナラ勝ち。
阪神は福留のホームランで、首位の広島に勝ちました。
サッカーJ1は第10節の9試合です。
グランパスは連敗を5で止めました。
ヴォルティスは今シーズン初勝利です。
サンフレッチェは3試合ぶりの勝利で、2位に浮上。
アントラーズは首位を守りました。
F・マリノスは7試合勝ちがありません。
気象情報は寺川さんです。
こんばんは。
きょうは局地的に激しい雨が降った所がありますね。
そうですね。
特に近畿南部を中心に雨足が強まりました。
雨雲の動きはゆっくりです。
この時間も雨は降り続いています。
今、大気の状態が不安定になっているんですが、その理由が2つあります。
1つは前線に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込んでいること。
そして北からは、寒気も流れ込んでいます。
この暖気と寒気が重なり合った所で特に大気の状態が不安定で、雨足が強まっています。
この強い雨の範囲、このあとゆっくりと東へと移動する見込みです。
では、このあとの雨の予想です。
近畿地方では特にあすの明け方にかけて雨足が強まる見通しです。
局地的には非常に激しく降る所があるでしょう。
あすの朝には強い雨の範囲、東海地方へと移りそうです。
名古屋市付近でも激しく降るおそれがあります。
そして関東地方、朝から雨という所が多いですが、特に午後から強まってきそうです。
関東地方ではあすの午後から、あさっての朝にかけて、雨足が強まる見通しです。
気象情報でした。
きょう最後は、三重県津市内の様子です。
降っている雨で、道路がぬれています。
気象庁によりますと、前線が西日本の南岸をゆっくりと東へ進んでいます。
2014/04/29(火) 19:00〜19:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

▽PM2.5にどう対応 日中韓で協力強化へ 【キャスター】守本奈実,【サブキャスター】瀧川剛史,【気象キャスター】寺川奈津美

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【キャスター】守本奈実,【サブキャスター】瀧川剛史,【気象キャスター】寺川奈津美

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