それがし黒田官兵衛と申す!命を粗末になさるな!
(速水)生涯五十幾度の戦で負け知らずの…策がございます。
兵は詭道なり。
(信長)官兵衛か。
(秀吉)官兵衛!
(職隆)官兵衛。
(半兵衛)軍師官兵衛殿。
そんな疑問をお持ちのあなたに今日はこの番組をお届けします。
黒田家家臣母里太兵衛を演じる速水もこみちです。
私がお仕えしているのは岡田准一さん演じる黒田官兵衛。
織田信長に認められ豊臣秀吉に天下を取らせ徳川家康に恐れられた男です。
播磨の国姫路の小さな城主にすぎなかった彼がどのようにして天下人と関わっていく事になったのでしょうか。
一体彼はどんな人物だったのでしょうか。
職隆が一子官兵衛孝高にございます。
黒田官兵衛は播磨の国の小さな豪族黒田家の嫡男として姫路に生まれた。
我ら外様が生き残るには人一倍働く事だ。
はい。
もうよいよいよいよい…。
あ〜。
ここは…。
思案のしどころじゃのう。
官兵衛は16歳にして小寺家に仕え始めた。
わしの負けじゃ。
強いのう官兵衛。
恐れ入りまする。
だが職隆だったらわしには勝ちはせん。
飼い主の手をかんではならん。
ハハッハハハハハ。
戯れ言じゃ。
殿上に上げます。
(政職)うむ。
お〜っ!
(左京亮)お見事!でかした官兵衛!おことのおかげじゃ!まだまだでござる。
(政職)いや〜。
官兵衛はいつ家督を継いでも恥ずかしくない立派な跡取りじゃ。
羨ましいのう。
それに比べ我が子斎はまだ小さい。
跡取りが幼いのをいい事に小寺家を狙う者がおるやもしれん。
それが心配で心配でならんのじゃ。
お前に家督を譲る。
官兵衛。
これが黒田家の生き残る道なのだ。
家督を継ぎ姫路城主となった官兵衛。
そんな官兵衛に運命の出会いが訪れる。
(光)大事ない。
(お福)あっ。
危のうございます!いかがされた?はっ。
(子どもの泣き声)童が…登ったのはよいのですが下りられなくなってしまいまして。
今から教えるとおりに手足を動かして下りてくるんだ。
無理です!あんなに怖がっているのですよ。
下から指図するよりも登って助けた方が早いでしょ。
あの子が自分で下りれば早い。
もう結構。
私が助けます。
危のうございます。
大事ないと言うに!とんだ跳ねっ返りだ。
あなたこそ男のくせに!あひょっとして怖いのですか?さようではない!危ないと言っているだけだ!あっ!あっ!これで仲直りです。
あ…。
こんな慌ただしい日にぐっすり眠れるとは…。
官兵衛と光は結ばれ2人は男の子を授かる。
この子が生まれてまだ半年にございます。
松寿丸のためにも無事のお戻りを。
必ず戻る。
必ずこの姫路を守り抜く。
ここから先赤松の兵は一人たりとも通してはならぬ!よいな!
(一同)オ〜!かかれ〜!
(お国)お方様…。
案ずるでない。
何としても姫路を守るのじゃ!
(一同)はい!赤松は目の前だ!逃すな!
(小兵衛)殿をお守りしろ!
(武兵衛)あ〜っ!おのれ石川!あ〜っ!ご無事で…。
皆の者勝ちどきをあげる!勝ちどきじゃ!
(休夢)勝ちどきじゃ!大きな犠牲と引き換えに官兵衛はついに宿敵に打ち勝ち姫路を守り抜いた。
(善助)連れてまいりました。
太兵衛にございます。
多くの家臣を失った官兵衛のもとに新たな家臣が集まってくる。
土足じゃ。
下がれ。
それは後に黒田二十四騎と呼ばれる精鋭たちであった。
うわ〜っ!我が殿官兵衛は黒田家と姫路を守るために必死で戦っていました。
しかしそのころ播磨に時代の波が押し寄せます。
官兵衛は黒田家という町工場の若社長。
その元請けが中堅メーカーの小寺家。
そこに東からカリスマ社長信長の下急成長する織田家。
そして西からは安定成長の老舗大企業毛利家。
この両者がシェア拡大をねらって播磨に進出していきます。
どちらと手を結べば会社が生き残れるのか中堅メーカー小寺家は決断を迫られます。
下請けの黒田家もいやおうなくその渦に巻き込まれていくのです。
天下布武!天下に武を布く。
腐れきったもの全てをたたき壊し新たな世をつくる。
(隆景)十五代続いた室町将軍家がかくもぶざまな末路をたどるとは。
(輝元)叔父上。
信長は西に攻めてくると思われますか?
(隆景)いずれそうなりましょう。
(元春)その時は我ら毛利の力思い知らせてくれる!織田か毛利か。
生き残る道を見つけるために官兵衛は悩み抜く。
織田信長こそが天下人となるに相違ありませぬ!
(左京進)何をたわけた事を!殿!小寺家100年の大計にございます。
天下の潮流に乗り遅れてはなりませぬ。
ここを見誤っては当家は間違いなく滅びます!全ては生き残るため。
我らが生き残るにはこの道しかございませぬ!相分かった。
(3人)殿!小寺家の命運官兵衛そちに預けたぞ。
はっ!官兵衛は信長に会うため岐阜に乗り込んだ。
(信長)面を上げい。
毛利を攻めるには山陰山陽の2つの道筋があります。
大軍を動かすには平たんな山陽道が向いておりこの山陽道に御着姫路はございます。
ここは播磨のほぼ中心。
海も近く中国を抑える格好の要地。
次に播磨の形勢について申し述べます。
播磨の大方の大小名は今は毛利についております。
されどそれは毛利の威勢にはばかっているだけにすぎず結束は強くありませぬ。
よき大将を…しかるべき大将を姫路にお遣わし下されば皆織田家の味方となりましょう。
それがしが播磨一国を必ずや説き伏せてご覧に入れます。
播磨を手に入れさえすれば毛利を倒す事など容易にございます!そちに取らせる。
はっ!うまくいった!
(善助)殿!官兵衛か…。
よい道具を見つけた。
(お濃)随分と楽しそうなこと。
信長は秀吉を官兵衛に引き合わせる。
これがやがて天下を取る2人の出会いだった。
殿盗人を捕らえました。
新しい町をつくろうと皆が懸命に働いておるのにこういうやからがどうしても出てくる。
見せしめに首をはねてやりまする。
うむ。
それはもったいのうございます。
もったいないと?見れば年も若く体も頑健。
罰として昼間は働かせるのです。
夜には牢に入れればよろしい。
人間生きておれば使い道もあると存じます。
命の使い道でございます。
命の使い道と申したか?ハハハハハハ。
人こそ宝。
戦わずして勝つ。
それが一番じゃ。
はい。
お主とはうまくやっていけそうじゃ。
それがしも同じにございます。
播磨は何としてもそれがしが守ってみせまする。
官兵衛。
頼んだぞ。
はい。
秀吉官兵衛。
2人は手を取り合って大敵毛利と戦う事に…。
しかし先手を打ってきたのは…。
(善助)殿!どうした?
(九郎右衛門)英賀の港におびただしい数の船が押し寄せてまいりました。
どこの船じゃ?
(善助)一文字に三つ星…毛利でございます!ついに来たか…。
その数およそ5,000!5,000!
(休夢)5,000に間違いないのか!?はっ!敵は5,000という大軍。
受け手に回ればすぐにのみ込まれてしまいます。
ならばどうする?どう攻めるというのだ?敵は大軍であるがゆえに我らを侮っておりまする。
それに…ご覧下さい。
明日も強い霧は続きます。
それを利用し夜明けとともに攻め込みます。
それだけの事で勝てるのか?策がございます。
策?どうするつもりじゃ?
(職隆)皆聞いてくれ。
急ぎの話じゃ。
今宵のうちに村に残っている男衆を全て集めてくれぬか?年寄りしか残っておりませぬ。
わしらに戦は無理じゃ。
年寄りでも構わぬ。
戦う訳ではない。
(お福)もっと手早く縫いなさい!少々雑でも構わぬ。
蔵にある小袖を全て持ってきなさい。
全てほどいて構わぬ。
とにかく一つでも多く作るのです。
(一同)はい!
(松寿丸)母上お手伝い致します!
(又兵衛)私も。
ありがとう。
敵襲!かかれ!旗を揚げよ!
(一同)オ〜!
(善助)援軍じゃ!援軍が来たぞ!援軍じゃ!
(宗勝)援軍か…。
頼む…うまくいってくれ。
退け〜!退け〜!退け!退け〜!
(荒木)官兵衛が勝ちました!小寺が毛利に勝ったか。
僅かな手勢で5,000の毛利軍を打ち負かすとは大したものでございます!官兵衛の策が見事当たりました。
書状を出すがよい。
褒めてやれ。
はっ!あのような大軍見た事もない…。
怖かったのだ。
なれど…勝ちました。
殿は姫路を守ったのです。
(2人の笑い声)勝った…。
官兵衛が守りたいものというのははっきりしているので。
好きな土地も好きな場所も好きな人もはっきりしているのでそれを何としても守りたいんだよくしたいんだというのはすごく熱いものを持っている人だと思いますけどね。
軍師っていうのはそれこそお祈りであったり戦の日取りであったり決める人も軍師と呼ばれる人もいるし策を練って敵をこう…自分の損害を味方の損害をなるべく減らして大きな価値を得るであったり10年後100年後の未来を描ける人ですかね。
一番当主…一番上の人はそんな先を描かなくてもいいんですけど参謀だったり軍師だったりっていうのは100年後までを考えた策を練れる人っていうのが軍師だと思います。
…と言います。
いち早く敵味方の情報を集め分析し最良の選択を考える。
それが軍師です。
官兵衛は秀吉からその才能を認められ軍師としての第一歩を踏み出す事になるのです。
ついに秀吉の軍勢が播磨にやって来た。
羽柴様ご到着!官兵衛!今よりこの城は羽柴様のものでございます。
どうぞお好きなようにお使い下さい。
官兵衛よそのような話は聞いた事がない。
戦に負けた訳でもないのに城を丸ごと明け渡すとは前代未聞!さすが官兵衛あっぱれな覚悟じゃ!ハハハハハハハ。
恐れ入りまする。
これを見よ。
秀吉様から頂いた。
義兄弟!?そうじゃ。
秀吉様はこれほどまでにこの官兵衛を思うて下さる。
ありがたい事だ。
その誓紙を見せては頂けまいか?何を!あっ。
そのようなくだらぬものがあるから周りが見えてこぬのでござる。
くだらぬものと申されるか!官兵衛殿は何か大きな考え違いをしておられるようでござるな。
何を言っておられる!誓紙などただの紙切れ。
そのようなものにこだわって何になる?秀吉様のために手柄を立てて喜んで頂こうとしているだけではござらぬか。
それでよいのか?もともと目指していたものは何でござる?お主は何のために播磨中を駆けずり回っているのか!紙切れよりも大事な事があるはず。
天下統一…。
天下統一がなれば戦はなくなります。
さよう。
この乱世を終わらせるのです。
乱世を終わらせる?この乱世を天下太平の世へと作り替えるのです。
これほど面白い仕事はござらぬ。
そのために我々軍師は働くのです。
それがしもですか?そうあなたも。
軍師官兵衛殿。
(隆景)ついに時が来た!これより織田との大戦となる。
天下分け目の決戦じゃ!
(一同)オ〜!こたびの戦は総勢5万!一気に織田をたたき潰す。
まずはここ上月城を取り戻す!皆の者頼んだぞ!
(一同)オ〜!上月城には僅かな軍勢が立て籠もっていた。
兵はいかほど集まりましたか?
(勝久)700でござる。
700…。
(鹿介)ハハハハハハ。
官兵衛殿心配はいらぬ。
実のところ尼子の名で集まる兵がこれほど少ないとは思わなかった。
援軍は必ず参ります。
羽柴様が上月を見捨てたりはしませぬ。
お主を信じて待つ。
お待ち下さい!尼子党は僅か700の軍勢でふたつきも籠城を続けております。
援軍が必ず来ると信じているからでございます。
目の前の兵を見殺しにしては織田家は失うものしかございませぬ!何とぞ!何とぞご再考を!上月城は毛利の大軍に囲まれ食糧が底をつき始めていた。
(鹿介)殿このようなご不自由申し訳ございませぬ。
もうすぐでございます。
もうすぐ官兵衛殿が助けてくれましょう。
それまでのご辛抱でございます。
必ず援軍は来る。
それまで…なんとか持ちこたえてくれ。
秀吉は戦場を抜け出し直接信長に援軍を願い出た。
上月は見捨てよ。
今何と…。
上月を見捨てよと言うた。
申し訳ございませぬ!そうか…来ぬか。
逃げましょう!もうよい!官兵衛殿。
もはやこれまでじゃ。
諦めるのはまだ早うございます!
(鹿介)動けぬ兵たちを置いてわしらだけ逃げる訳にはまいらん。
ここまでよくやって下さった。
官兵衛わしからも礼を言う。
このとおりじゃ。
(半兵衛)上月における上様のご決断は正しかった。
ほかに策などない事が分かっておったから従ったのでござる。
さような事は分かっておりまする。
ただ最良の策を考え実行する。
そのため嫌われ憎まれ命を落とす事があってもそれこそが軍師というもの。
織田への裏切りをこれ以上広がらぬようにするためにも今やれる事をする。
それが軍師としてのお主の使命でござる。
されど私は…。
私なりのやり方でやるべき事はやります。
さて戦国時代戦っていたのは男たちばかりではありません。
女たちもまた自分なりのやり方で戦っていたのです。
何だ?お濃。
今日こそ耳の痛い事を言わせて頂きます。
(おね)私に子ができぬゆえ…。
そんなふうに考えるものではない!夫を支える事も立派な妻の役目。
お前のような女房は二度と手に入るものではない。
今のお言葉文にして頂けませぬか?お前様!落ちた城は縁起が悪うございます。
新しい城と城下を民が集まる豊かな国を造るのです!さすがおねじゃ。
わしの女房じゃ!おね!お前様…。
姫路の黒田官兵衛様はいかがでしょう?官兵衛様なら戦を避けるよい知恵をお持ちのはずです。
だしいらぬ心配はするな。
お前の役目はこの子を立派に育てる事じゃ。
(歌声)男ならはっきりなさい!すぐ隣におるではないか。
こら又兵衛!お願いでございます。
一日も早くこの乱世を終わらせて下さいませ。
この先もますます目が離せない大河ドラマ「軍師官兵衛」。
このあと官兵衛に人生最大の危機が訪れます。
これより我らは織田信長を討つ!
(右近)殿!
(九郎右衛門)謀反です。
村重様謀反にございます。
(秀吉)お主の向かう道は滅びの道じゃ!わしの行く手を遮る者は誰であろうと許さん。
わしはお前をデウスに渡しはせぬ!この官兵衛をお信じ頂きたい。
半兵衛殿!
(せきこみ)
(半兵衛)後を継ぐのはお主しかおらぬと思っておる。
(荒木)官兵衛!わしと共に信長を討つのだ!目を覚まして下され!このまま滅びるおつもりか!黙れ!官兵衛が裏切った。
人質に取った息子松寿丸の首をはねよ。
それがしが松寿丸の首をはねまする。
誠に殺すおつもりか!?何故…。
殿が裏切るはずがございませぬ!
(だし)私に免じて官兵衛様をお許し下さい。
(荒木)もう官兵衛は死んだのだ。
あっあ…あ〜。
あ〜!あ〜あ…。
あっ。
どんどん官兵衛が変化をしていきますし官兵衛にとってはつらい回が続きますが官兵衛を思う家臣や家族周りの動きっていうのがすごく温かい回がずっと続くと思います。
是非今後とも官兵衛をよろしくお願いします。
2014/04/30(水) 00:10〜00:38
NHK総合1・神戸
まだ間に合う!軍師官兵衛[字]
ますます盛り上がる戦国大河「軍師官兵衛」。物語は遂にクライマックス、官兵衛に生涯最大のピンチが襲いかかる!「軍師官兵衛」の全てがわかり、魅力を凝縮した30分!
詳細情報
番組内容
戦国時代を終わらせた天才軍師、黒田官兵衛を岡田准一がさっそうと演じる大河ドラマ「軍師官兵衛」。物語はいよいよ、前半最大のクライマックス!官兵衛に生涯最大のピンチが襲いかかる。速水もこみちの道案内で、これから大河を見たい人に物語を徹底解説。今後の見どころや岡田准一が語る軍師官兵衛像なども盛り込み、「軍師官兵衛」の魅力が詰まった30分。これさえ見れば、今からでも大河ドラマ・軍師官兵衛が楽しめます!
出演者
【案内】速水もこみち
ジャンル :
情報/ワイドショー – 番組紹介・お知らせ
ドラマ – 時代劇
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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