大化の改新で政治が変わる。
それではまた。
トビラを開けると社会が見える。
どっこいしょ。
こんにちは。
「社会のトビラ」こと温水洋一です。
今日のテーマは……とはいってもねだんではなくて標高のことです。
高い土地の代表は標高およそ1,000mの群馬県嬬恋村。
高原地帯です。
低い土地は岐阜県の海津市をしょうかいします。
海津市は海面とほぼ同じ高さのゼロメートル地帯。
東京スカイツリーとくらべると高さのちがいがよくわかりますよね。
え?「よけいわからなくなる」って?ホントですか?せっかくならべてみたのに…。
う〜ん…では高い土地の嬬恋村から見てください。
群馬県の西にある嬬恋村。
山のすそ野に広がるおよそ2,800haのキャベツ畑。
しゅうかくの最せい期は夏から秋。
およそ18万トンが出かされ全国の3分の1をしめるという。
嬬恋はキャベツ作りに必要なじょうけんがそろっている場所だ。
栄養分があり水はけもいい土。
標高が高いため夏でも気温は20度ほど。
すずしさを好むキャベツにはぴったり!しかし村のキャベツ作りの歴史は意外と浅い。
大都市から遠くはなれた山村嬬恋村。
80年ほど前まで畑も少なく仕事は林業や運送業てい度。
多くの人が生活にこまって出かせぎに出るまずしい村だった。
そこにあらわれたのがこの男。
戸部は村長になると村をゆたかにするため農業に力を入れることに決めた。
嬬恋村にてきした作物は何か?日夜研究を重ねたという。
村の歴史にくわしい下谷通さんは当時の戸部についてこう分せきする。
まず戸部が考えたのは標高の高い嬬恋ならではの気候。
そこですずしい場所でもよく育つジャガイモと白菜。
そして当時それほど知られていなかったかんらんつまりキャベツに注目した。
ここで問題!戸部彪平は嬬恋村をキャベツなどの野菜の産地にするためにあるものを作った。
それって何?正かいは…山に囲まれた嬬恋村。
大都市に出るには長野県上田市までのこの20kmほどの山道をこえるのが早道だった。
しかしそこは人や馬牛がやっと通れるてい度の道があるだけ。
そこで戸部は山を切り開き車が通れる道路をつくる大工事を決意したのだ。
工事には戸部自身も参加し自分のざい産も進んで提きょうしたという。
道路は5年のさい月をへて完成した。
これで名古屋や大阪などの都市にトラックで大量のキャベツを運べるようになった。
また作り方を工夫し順調にさいばい面積をふやしていった。
そして日本の食文化の洋風化も追い風になりキャベツのじゅ要は急ぞう。
40年以上もの間夏と秋の生産量日本一をほこっている。
キャベツに目をつけたところが戸部さんすごいですね。
産地として成長するには単にキャベツを作るだけでなくどうやって消費者まで運ぶのかも重要なんですよ。
そこで道までつくっちゃうこの行動力!見習いたいものですよね。
まあぼくはトビラなので動けないんですけどね。
続いては低い土地のくらしを見てみましょう。
この木曽三川とよばれる大きな川の流いきにある岐阜県海津市。
川にはさまれた所は海面よりも低く海抜ゼロメートル地帯とよばれている。
川は海津市の人々にたくさんのめぐみをもたらしている。
冬にとれる寒ぶなはこの地いきの名物の一つ。
そしてゆたかな水を利用していな作もさかん。
水は人々の生活をうるおしてきた。
しかし江戸時代の記録によると海津市は毎年のように水害になやまされてきた。
大雨が川の上流の山はだをくずし土しゃもろとも家や畑をおし流してしまった。
記録には多くの農民が困窮し餓死するほどのき機にひんしていたことが記されている。
水害たいへんですよね。
こわいこわい…。
でも海津市では1900年ごろをさかいにその数がげきげんしているんですよ。
そのかげにはある一人の男の力があったんです。
海津市のくらしを大きく変えた男…1873年オランダからはるばるまねかれたぎじゅつ者だ。
ヨーロッパにあるオランダは国土の多くが海抜ゼロメートル地帯。
そこで水害をふせぐさまざまな工事が行われ当時世界一の土木ぎじゅつを持つ国といわれていた。
木曽三川の対策をまかされたデ・レイケは川の流いきをくまなく歩き調さを続けた。
これがその時の調さメモ。
川の各地点の標高や流速水量などを細かく計そくした。
そしてその結果前代みもんの大工事を提案したのだ。
ここで問題!正かいは…この絵がデ・レイケがかいた明治改修の計画図です。
当時木曽三川にはし流がいくつもあった。
ひとたび大雨がふると川の合流点などでていぼうが決かい。
こう水が起きたという。
そこでデ・レイケはし流をうめ立て3つの川を完全に分りする大工事を計画したのだ。
さらにデ・レイケの提案によるもう一つの工事も始まった。
それは木曽川上流の山に木を植えることだった。
当時山は木が切り出されはげ山同然。
そこで山はだをわらでおおい木々の生育をうながしたのだ。
そして着工から25年。
デ・レイケは吉野川利根川など30をこえる計画にたずさわり水害から人々のくらしを守ったのだ。
嬬恋村の戸部彪平と海津市のヨハニス・デ・レイケ。
高い土地と低い土地が持つ困なんをこく服できたからこそ今のくらしがあるんですね。
いや〜たいしたものです。
みんなの地元にはどんないじん伝がかくされているんでしょうか。
調べてみると新しい社会のトビラが開くかもよ。
地きゅう上のさまざまな場しょを2014/04/30(水) 09:30〜09:40
NHKEテレ1大阪
社会のトビラ「日本の国土・高い土地と低い土地」[解][字]
国土の70%以上を山地が占める日本の国土。人々は平野部から山間部まで土地を利用して暮らしている。低地と高地での暮らしや産業の違いを歴史を交えて紹介する。
詳細情報
番組内容
小学校5年生向け社会科番組。今回のテーマは「日本の国土・高い土地と低い土地」。山地が国土の大部分を占める日本。高地と低地で人々の生活はどう違うのだろう。標高1000m前後の群馬県嬬恋村はキャベツの一大産地、海面とほぼ同じ高さの岐阜県海津市は水害を乗り越えた町として知られている。現在の暮らしは、それぞれの土地で地理的・気候的な困難を克服した結果だ。人々の暮らしを変えた偉人たちの知恵と情熱を見る。
出演者
【司会】温水洋一,【語り】服部伴蔵門
ジャンル :
趣味/教育 – 幼児・小学生
情報/ワイドショー – その他
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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