NHK高校講座 化学基礎「純物質と混合物〜分けられない物質と分けられる物質〜」 2014.04.30

(3人)こんにちは。
「化学基礎」始まります。
リホです。
ナオです。
カナです。
私は化学っていうとあまり得意じゃないんですけど化学っていうとナオちゃんはどんなイメージがあるの?酸性とアルカリ性って化学?そうだよ。
よく分かるね。
え?そんな感じです。
ウフフ。
カナちゃんはどうですか?うん。
サイエンスの科学と区別するためにケミストリーの化学を化学っていうんだけど化けるっていうとおりいろんなものを変化させるってイメージがあるよね。
じゃあ今日も何かが化けるんでしょうか。
はい。
楽しみだねナオちゃん。
うん。
はい。
さて今日は…「純物質と混合物」?ちょっと聞いた事あります。
そうだよね。
つまりどういう事かと言うと…。
物質を分けるってどういう事?私たちの周りにはいろんな物質があるよね。
その物質がどんなふうに分ける事ができるのかというのが今日のポイントです。
よし!今日も頑張ります。
お〜いいですね。
それではケミストリーの世界に入りましょう。
はい。
はい。
最初のコーナーでは身の回りにある物質が何から出来ているのか考えてみます。
例えば何?何が思い浮かぶかな。
う〜ん…。
クッションとかソファーとか?そうだね。
じゃあ今回はもうちょっと大きなイメージで考えてみようか。
え…え〜っとスタジオとか。
建物とか?もうちょっと大きく。
えっと〜地球。
ちょっと大きすぎたかな。
じゃあナオちゃんが地球を外から眺めたとしてそこから見えるものは何でしょうか?雲?海?そう!海です。
じゃあここで問題を出しますね。
一緒に考えてみて下さい。
は〜い。
ジャン!何だろうね。
しょっぱいから塩かな?カナちゃん正解お願いします。
正解は…。
水と塩分です。
海水は96.5%が水。
そして塩化ナトリウムや塩化マグネシウムなど塩の仲間が3.5%ぐらい混じっています。
へえ〜。
塩って1種類じゃないんだね。
うん。
自然の海水にはほんの少〜しずついろんな成分が混じっているんです。
つまり…そして水や塩化ナトリウムのように1種類の物質で出来ているものを純物質といいます。
なるほど。
海水は水や塩化ナトリウムなどの混合物なんですね。
じゃあもう一問いってもいいかな?うん。
じゃあ今度は私たちのすぐそばにあるものです。
ここにもあるもの。
何?ジャン。
何だろうね。
聞いた事ないかな?酸素とか。
ある。
二酸化炭素とか。
そうその調子。
カナちゃん私たち正解じゃない?半分当たりかな〜。
半分?うん。
はい正解は…こっちです。
窒素と酸素それにアルゴンと二酸化酸素などです。
へえ〜窒素が多いんだね。
酸素って意外と少ないんだ。
そうなんだ。
空気も混合物です。
実は私たちの身の回りにあるほとんどの物質は何種類かの物質が混ざり合った混合物なんです。
へえ〜そうなんですね。
ではここで空気の成分を取り出してみます。
ホント?うん。
空気の中には窒素がおよそ80%も含まれていましたよね。
覚えてる?覚えてる。
この機械は空気の中の窒素だけを取り出す装置なんです。
この部屋の空気を?どうなってるの?簡単に言うと強力な冷凍庫のようなものですっごく冷やして窒素を液体にしてるんです。
あっ液体窒素って何か聞いた事あります。
バナナでくぎが打てるとか。
あれですか?そう。
リホちゃんよく知ってるね。
液体窒素の温度は−196℃なんです。
−196℃!へえ〜。
このボタンを押すと液体窒素が出てきます。
押しま〜す。
はい出てきました。
どんどんたまっていきます。
(リホナオ)すご〜い。
全部入れていきます。
はい。
この液体窒素の中にバラの花を入れてみます。
(ナオ)すごい。
泡が出てるね。
はい取り出しました。
潰してみま〜す。
(パリパリという音)すご〜い。
すご〜いパリパリ。
すご〜い。
ナオちゃんどうですか?もう忘れないね窒素。
そうだね。
じゃあここまでをまとめましょう。
このコーナーの「ケミカルポイント!」。
今度は「混合物を分離する」です。
分離ってどういう事?分離っていうのはね分けるって事なの。
ここでは混合物を分離して純物質を取り出してみましょう。
どうやるの?じゃあ実験してみましょう。
まずは簡単な方法から。
これがろ過装置です。
ろうとの中にはこのようにろ紙がセットされています。
ここにこれから砂の混じった水を入れます。
ガラス棒に伝わらせて注ぎます。
ああホントだ。
ちゃんと分かれてる。
すごいね。
ちゃんと透明だね。
分かりました。
これは簡単そうだね。
じゃ次はもう少し難しい方法にチャレンジします。
これは昔の蒸留装置です。
「レトルト」といいます。
レトルトって聞いた事あるよね?この装置がレトルト食品の名前の由来なんです。
へえ〜。
こうした器具で加熱殺菌した食品という意味でレトルトと言ったそうです。
そうなんですね。
はい。
今この中には赤ワインが入っています。
それをこのアルコールランプで弱火で熱していきます。
はい火を付けます。
するとどうなるでしょう?蒸発しますね。
そうです。
すると蒸発した気体はこのように容器の上に当たって冷やされます。
するとまた液体に戻ってこちらに落ちてきます。
なるほど。
見えますか?ここにたまった液体は色もなく透明ですよね。
はい。
ワインとは色が違いますね。
これは何だと思いますか?えっ?何だろう。
水?惜しい!これはワインから取り出されたアルコールの一種エタノールなんです。
では確かめてみましょう。
すごい!水だったら火は付かないもんね。
という事はワインからアルコールが取り出せたという事ですか?そうです。
ワインは混合物でこの中には純物質の水やエタノールそしてブドウの成分などが入っています。
その中でもエタノールの方が水より沸点が低いので先に蒸発したんです。
沸点って?はい。
液体が沸騰する温度が沸点で固体が溶ける温度が融点ですね。
そのとおり!純物質は物質ごとに沸点や融点などが決まっているんです。
へえ〜。
蒸留か。
面白いね。
ではもう一つ紹介してみましょう。
これは分液ろうとといいます。
へえ〜かっこいいね。
この中にはヨウ素が水に溶けているヨウ素溶液とヘキサンという薬品が入っています。
今は下の水溶液が茶色になっていますね。
それではこの分液ろうとをよく振ってみましょう。
出来ました。
さっきは下が茶色でしたが今度は上の液体に色が付いています。
手品みたいだね。
なぜですか?それはヨウ素が水よりも上のヘキサンという薬品に溶けやすいのでそちらに移ってしまったんです。
へえ〜。
何か面白いね。
うん。
ヨウ素を分離できたって事ですね。
この溶かす液体を溶媒っていうんですがアルコールなど適当な溶媒に溶かして分離する方法を抽出といいます。
なるほど。
抽出の意味分かった?分かった。
溶かして分けるって事でしょ?そう。
物質を分離する方法っていろいろあるんだね。
でもその仕組みをもう少し知りたいね。
こんにちは。
こんにちは。
先生教えて下さい。
物質を分離するってどういう事ですか?私たちの身の回りにはさまざまな混合物がありますよね。
はい。
空気や海水もそうでした。
そうした混合物から純物質を取り出す事でいろいろな場面で使えるんです。
うん。
例えば空気から酸素だけを取り出せば病院などで使う事もできますね。
なるほど。
純物質を取り出していろいろな事に役立てているんですね。
そうです。
そこでいろいろな工夫をして純物質を取り出すんですよ。
その方法をおさらいしておきましょう。
はい。
純物質にはそれぞれ固有の性質があります。
融点や沸点などが決まってるんですね。
氷の融点は0℃水の沸点は100℃でしたね。
そこでそういった性質を利用して物質を分離します。
例えば蒸留というのは何度で沸騰して液体から気体に変化するのかというのを利用しています。
それからろ過というのはろ紙を透過できるかどうかで分ける事ができます。
また抽出というのは溶媒という液体に溶けやすいかどうかという事を利用している訳です。
混合物を分離する方法にはほかにもいろいろあります。
そして分離しにくい物質を分離する技術などは今も研究や開発が続いてるんですよ。
なるほど。
今日は…今日はコーヒーフィルターを使ったペーパークロマトグラフィーの実験をしたいと思いま〜す。
まずは帯状に切ったコーヒーフィルターにサインペンで点を書きます。
これを…黒一色で書いたのに緑とか青とか紫とかいろいろな色が…。
この水性ペンはいろいろな色が合わさって出来ているのでこのようにきれいにインクが分かれるんですよ。
ペーパークロマトグラフィーを応用すればいろいろな色の成分を分離できます。
はい。
5分ぐらいでこんなにきれいになりました。
最後は「分ける技術」です。
今日は混合物を分離する方法を見てきたよね。
そうだね。
その技術を進めるとこんな事もできちゃうというお話です。
ここは…ここに最新技術でこの海の水を真水に変えてしまうという施設があります。
この施設では特殊なフィルターを使って海水を真水に変えています。
そのフィルターがこれ。
このフィルターの中には細かい繊維が束になっています。
更に拡大すると繊維の一本一本は中が空洞になっているのです。
その大きさは僅か…この繊維は真水は通すけれど塩分は通さない半透膜で出来ています。
この膜に強い圧力をかけた海水を当てると真水が空洞に染み出してきます。
こうして海水から真水が出来るのです。
この施設ではくみ上げた海水にポンプで強い圧力をかける事で真水を作り出しています。
その量は…一般家庭…作り出した水は福岡の都市圏へ送られます。
最新技術が水不足の解消に役立っているのです。
これがあの施設で使われていたフィルターのサンプルです。
へえ〜すごいフィルターがあるんですね。
結構重いよ。
ここに海水が入ってこのフィルターを通って淡水として出てくるんです。
砂漠の国とかに使えるよね。
使ってるらしいよ。
ホント?いい香り。
ろ過の技術はこんなところにも使われていますよ。
紅茶を入れる時にも紅茶の葉をお湯に入れて紅茶を抽出します。
そうなんだ。
うん。
そのあとにこの茶こしでろ過して葉っぱを除いて紅茶だけを取り出しているんだよ。
へえ〜。
では今日のまとめの「ケミカルポイント!」。
今日は結構分かった。
ホントに?ホントに。
じゃあ頂きます。
あったかい。
あったかい?私たちの身の回りの物質は2種類以上の物質が混じった混合物と1種類の物質から出来た純物質に分けられます。
2014/04/30(水) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 化学基礎「純物質と混合物〜分けられない物質と分けられる物質〜」[字]

化学基礎は平成24年度から新たに設けられた科目で、中学校から高校への橋渡しの役目をする内容です。基礎をしっかり学んで、本格的な化学の学習に役立ててください。

詳細情報
番組内容
私たちの身の周りには、多くの物質がある。その物質の性質を理解するためには、物質を分類することが大切だ。物質には、1種類の物質からなる純物質と、2種類以上の物質からなる混合物がある。そして、物質のいろいろな性質を利用し、混合物から純物質を分離する。このような純物質について調べることを通して、物質への理解が深まる。
出演者
【解説】立教新座高等学校教諭…渡部智博,【出演】高田里穂,吉田奈央,横畠加奈子,【語り】伊倉一恵

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他

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サンプリングレート : 48kHz

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