NHK高校講座 物理基礎「“速い”“遅い”を比べる〜速さと速度〜」 2014.04.30

海の上を滑るように走る…船体を水の上に持ち上げて走るので水の抵抗が少なく速く走る事ができます。
蒸気の力を使って大きな車輪を回して走ります。
水中翼船と蒸気機関車…こんにちは。
こう見えてもバリバリの理系女子…こう見えても現役高校生…大丈夫見えるよ。
今日も「物理基礎」元気に始めましょう。
ちょっと待って。
僕も忘れないで。
ブツリンです。
そういえばブツリンもいたね。
そうだね。
さあ熊谷君始めに見た…どっちが速いと思う?う〜んどっちかな?僕は蒸気機関車…でも…。
う〜ん…。
確かに微妙だよね。
どっちが速いと思う?それは新幹線だよ。
だって…う〜んそのさあ250キロとか20キロとかどういう事なの?ん?ん?はいそうなんです。
速さって分かっているようで実はちょっと難しいんです。
そこで今回のテーマはこちら…そしてポイントはこの3つ。
それでは速さの表し方から見ていきましょう。
今回速さについてお話頂くのは小沢啓先生です。
先生よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
私たちは新幹線は速いなぁとか飛行機はもっと速いぞなんていうふうに経験や感覚に基づいて話をします。
今日は速さという量を学んでもう少し具体的に表す事を考えていきましょう。
そこでまずはこんなものを用意しました。
坂を下る赤い人形とアヒルです。
ちょっとやってみましょう。
こんなふうにね。
すごい癒やされるよね。
こんなふうにかわいく動きます。
それでは熊谷君この赤い人形とアヒルがどっちが速いかを比べるにはどうしたらいいと思う?それって一緒に走らせてみるといいんじゃないかな?うんそうだよね。
同じ場所から同じタイミングで手を離してみるといいよね。
それではやってみましょう。
よいしょ。
さあどっちが速いかな?赤い人形の方が速そうだな。
アヒルちゃん頑張って。
アヒルちゃん。
頑張れ。
頑張れ。
頑張れ。
あ〜速い速い速い。
あ〜。
赤圧勝。
赤い人形の方が先に着きました。
という事は赤い人形の方が速いという事ですね。
ではこちらでまとめていきましょう。
速いという事は同じ距離を移動する時間が短いという事です。
遅いという事はその逆で同じ距離を移動する時間が長いという事ですね。
では次に同じ時間に移動する距離がどちらが長いかという事を考えていきましょう。
では画面に時間を出すから2つのおもちゃが移動する距離に注目してね。
(ホイッスル)
(ホイッスル)8秒で進む距離にこんなに差が出たよ。
今同じ時間で赤い人形の方が遠くまで移動しました。
速いという事は同じ時間に移動する距離が長いというふうにいえます。
そうですよね。
同じ時間だったら新幹線の方が自転車よりも遠くまで行けるもんね。
そうですね。
速さを表すには2つの方法があります。
1つは…もう一つは…私たちが普通速さという時には…それが秒速とか時速ですよね。
そうですね。
ではこの2つのおもちゃの速さをはかってみましょう。
この坂の…アヒルと人形を同時にスタートさせます。
(ホイッスル)それぞれ…赤い人形がゴール。
アヒルは…これが実験の結果です。
この結果から秒速つまり1秒間に移動する距離を求めるにはどうすればよいでしょうか?え〜っと赤い人形は1mを37秒かけて移動したから1mを37で割れば1秒間に移動した距離が分かると思います。
そうですね。
1を37で割ると分数だと37分の1。
小数に直すと0.027mになります。
アヒルの方は49秒かかってますから1÷49で49分の1。
小数だと0.020mになります。
という事でこの赤い人形の秒速はおよそ…アヒルの秒速はおよそ……という事になるんだ。
この2つのおもちゃの速さが分かったところで速さの表し方についてまとめておきましょう。
速さは移動距離をかかった時間で割った量です。
速さをv。
移動距離をx。
時間をtとすると…単位は物理では距離はメートル。
時間は秒を使い速さの単位はメートル毎秒と表します。
また日常生活で乗り物の速さなどを表す時はキロメートル毎時がよく使われます。
こんなふうにいきなり式の中に文字が出てきてしまいました。
私もこれに初め全然慣れなくて分かんなくなっちゃったんですが大丈夫です。
このそれぞれの文字に意味があるんですね。
それでは速さ「v」のvは何のvかなというと…英語で速さをいったvelocityの「v」なんですね。
そして時間「t」はみんな分かるんじゃないですかね。
そうですtimeの「t」です。
そして距離「x」は座標のx軸の事かな。
じゃあ単位を見ていきましょう。
メートル毎秒の「s」は1秒間を表すsecondの「s」。
そしてキロメートル毎時の「h」は1時間を表すhourの「h」なんですね。
こんなふうに記号の意味さえ分かっちゃえば何だそんな事だったのかって思いますよね。
熊谷君この違い分かる?えっ同じじゃないの?ふだんの生活ではこれを同じように使ってるんだけど物理や数学の世界では速さと速度は使い分ける事になってるの。
えっどういうふうに?例えばこれ。
このおもちゃは…。
よいしょ。
同じ速さで進んでるんだけど常に…速度は変化している?うん。
速度って何?そう例えばこの自動車の速度は東向きに40km/hであるとかとか。
台風は北東に時速20kmで進んでいるとか。
このように向きと速さを組み合わせて表すのが速度なんだ。
(ブツリン)ここで注意して欲しいのは向き。
この時と…この時と…この時と…この時。
電車の…
(ブツリン)だからこの電車は…では先生あとはよろしく。
この水泳の例のように進む向きが2つしかない時には+や−の符号を使って向きを表す事ができます。
例えば右向きを+で表すと決めればこの選手は+3m/s。
こちらの選手は左向きですから−2m/sというふうに表す事ができます。
このように+や−の符号を使って向きを表す事ができるんです。
それでは熊谷君問題です。
はい。
時速60kmで走るトラックの上に乗って同じ向きに時速40kmのボールを投げたとしたら…そんな事したらねアブナイよ。
ちょっとちょっと。
ホントにやるんじゃなくて例えばだからね。
問題だから。
じゃあ60km/hと40km/h足して…それでいいの?えっ違うの?えっ?いきます。
こちら。
熊谷君正解!そうなんだよね…それぞれの速度を足した速度になるんだよね。
これを合成速度といいます。
合成速度って2つ足せばいいんだね。
そうなんだよ。
それでは次は…相対速度?次にこのまねき猫が出てくるからこのまねき猫がどんなふうに動いているか注目して見て下さいね。
(まねき猫の鳴き声)まねき猫不気味だったね。
なかなか怖いね。
さてあのまねき猫どんなふうに動いたでしょうか?フフフフフ。
いや〜それでは正解見てみましょう。
まねき猫が近づき遠ざかったように見えます。
でも実は…。
別のカメラで見てみると近づいて遠ざかっているのはカメラの載っている台車の方でした。
熊谷君見事に引っ掛かったね。
いや〜どっちが動いてるかなんて分からないもんだね。
でも電車に乗ってる時もこういう事よくあるんだよ。
ホームの隣の電車が動き始めたと思ったら実は動いてるのは自分の電車だったとか。
あ〜!あるでしょう?ある。
あるある。
ここまでは自分は止まっているとして動いている相手の速度を考えてきました。
次に自分が動いている時に更に動いているものを見たらどんなふうに見えるか。
動いてるものから見た動いてるものの速度を考えてみましょう。
相対速度の事ですよね。
はいそうですね。
今自分は+40km/hで東に動いています。
そこからですねB。
Bは50km/hで動いています。
これをAからBを見るとどう見えますかね。
それはBの方が10km/h速いからBの方がAを追い抜くのかな?そうですね。
BはAの事を追い抜いていってそれで50km/hと40km/hですからその差50−40で10km/hで進んでるように見えますね。
これを相対速度というふうにいいます。
相対速度は…ですから文字式で表すならばvで動いているところから見るvはv−vでAから見たBの相対速度を求める事ができます。
ちなみにこのvに付いてるAとかBは区別をするために付けてるので特に難しい意味はないですよ。
ではこの式が成り立つ事を実験で調べてみましょう。
2台の台車を使って…緑色の台車Aは…この台車の速さはこちらの速度計ではかります。
台車についている棒が通過すると速度がはかれます。
黄色の台車Bは…台車Bの速度はこちらの速度計ではかります。
また速度計は台車Aにも付いています。
台車Bの棒がこの速度計を通過すると…では2台同時に走らせてみましょう。
(速度計の音)この結果Aから見たBの相対速度はBの速度からAの速度を引いたものにほぼ等しい事が分かりました。
という事で今日は速さと速度について学習しました。
熊谷君どうだった?自分が動いてる時に見た相手の速度なんて考えた事なかったけど見方を変えるといろいろな事が分かるんだね。
そうだよね。
これって物理の面白さだよね。
ところでさ始めに出てきた…結局どちらが速いの?あの水中翼船は福岡と韓国と釜山の間の…一方蒸気機関車は北海道の小樽とニセコの間の…へぇ〜水中翼船の方が結構速いんだね。
ねぇ意外だよね。
今日は速さとは何か。
それから速さと速度の違い。
それから合成速度相対速度などを勉強しました。
これらの事はこれから物理を学ぶ時によく使いますからしっかりと身につけておいて下さい。
それでは皆さん…。
さようなら。
さようなら。
速さvは移動距離xをかかった時間tで割った量です。
この自動車の速度は東向きに時速40kmなどと表します。
動いているものの上で更に動くものの速度は…これを合成速度といいます。
相対速度は……という事なのだ。
2014/04/30(水) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 物理基礎「“速い”“遅い”を比べる〜速さと速度〜」[字]

速さの違いを比べるには、何に注目すればよいか。速さの求め方や単位、速さと速度の違いについて学ぶ。ポイントは1速さの表し方2速さと速度のちがい3合成速度と相対速度

詳細情報
番組内容
「単位時間あたりの移動距離」を速さという。これらを秒速、分速、時速などとよぶこともある。物体の速さvは、時間tと移動距離xで求められる。v=x÷tである。運動している物体の「速度」は、「向き」と「大きさ(速さ)」の両方の要素を含む。速さと速度の違いを理解する。合成速度や相対速度についても学ぶ。【講師】小沢啓(筑波大学附属高校教諭)【司会】黒田有彩、熊谷知博
出演者
【出演】筑波大学附属高等学校教諭…小沢啓,【司会】黒田有彩,熊谷知博

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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