NHK高校講座 地学基礎「恒星の誕生と一生」 2014.04.30

相対速度は……という事なのだ。
(関口)・「そらはひろいなおおきいな」…ってか。
(垣内)隊長!何あれ…。
お茶が入りましたよ。
今日はジャン!クッキーも用意しました。
そろそろティータイムにしませんか?えらい気が利くねぇ。
でもねちょっとまだ調べたいんだな。
さっきからず〜っと一体何見てるんですか?星。
星!?昼間から?昼間でも見える星ないかな〜と思ってさ。
だって今日のテーマは「恒星の誕生と一生」ですよ。
「恒星の誕生と一生」?そう。
ところで垣内隊員恒星ってどんな星か知ってる?もちろんですよ。
そのとおりでございます。
今日はですね恒星が生まれてから死ぬまでその誕生と一生を調べてほしいんだよね。
分かりました!じゃあまず今日のキーワードね。
この中に入ってるんだわ。
え〜1つ目はこちら。
続きましてこちら。
そして…。
…ですか。
はいそのとおりでございます。
この3つのキーワードは恒星の誕生とか一生に関するものすごい大事なキーワードでございます。
う〜んでもちょっと難しそうですねぇ。
1つずつ調べていきましょう。
かっきーなら大丈夫だから。
そうですか?大丈夫大丈夫。
じゃあまずは恒星が一体どうやって誕生しているのかそれを調べてみましょうか。
はい!恒星の誕生の秘密を探るって垣内隊員どこに向かったのかな?やって来たのが…こちら星の観察のプロ…ぐんま天文台が造られたのは1993年。
それ以来訪れた人たちに宇宙の不思議や天文の最新情報を提供し続けています。
隊長この施設には星を観察するための望遠鏡がたくさんあるんですよ。
まあ天文台だからね。
まあそうなんですけど。
これなんかすごいんですよ。
何が?これ鏡の直径が150cmもあるんです。
150cmって事は1m50cm。
そうです。
直接目で見る事のできる反射望遠鏡としては世界最大級の大きさなんですって。
世界最大級ってのはちょっとすごいね。
ねっそうでしょ。
ええ。
そして今回の調べ隊では超高倍率のレンズと超高感度のカメラの力もお借りしちゃいます。
垣内隊員夜になるまで橋本先生に館内を案内してもらいました。
暗くなり…。
やがて空に星が輝き始めました。
今回の調べ隊の目的は恒星の誕生の秘密を探る事。
その秘密が冬の星座を代表するオリオン座にあるというのです。
一体オリオン座のどこに恒星の誕生の秘密があるのでしょうか。
恒星の誕生の秘密が…。
ジャン!このオリオン座に隠されている事が分かりました。
ほう〜。
実は橋本先生に教えてもらったんですけどね。
教えてもらって全然構わないですよ。
自分で調べる事が重要ですからね。
そしてですよこのオリオン座の3つ並んだ星の下の所。
ここですよ隊長。
ああオリオン大星雲ね。
そうオリオン大星雲!…って隊長私に言わせて下さいよ〜。
それは失礼致しました。
このオリオン大星雲どうやらここで新しい恒星が誕生しているらしいんですよ。
うんうん。
オリオン座の3つ星の下にあるオリオン大星雲。
このオリオン大星雲カメラの感度を上げてよ〜く見てみましょう。
緑色のもやのようなものが観察できます。
このもやの正体はガスの集まり。
実はこのガスの中で新しい恒星が誕生しているんです。
宇宙空間を漂うガスには濃い所と薄い所があります。
ガスが周りよりも濃い部分は自らの重力によってガスが集まります。
ガスが集まって中心部の温度が1,000万℃ぐらいに達すると…。
光り始めます。
それが恒星の誕生です。
恒星誕生致しましたね。
誕生しました。
そしてジャン!これがオリオン大星雲です。
このガスの中で新しい星が誕生しているという事が分かりました。
まさにこのガスが恒星の誕生のキーワードなんですね。
はい。
じゃあ質問です。
はい。
このキーワードが「ガスと星雲」とありますけれども一体どう違うんでしょうか?それは…どうなんでしょうね。
どうなんでしょうね。
私が聞いてんですよ。
まあいいです。
隊長が教えてあげましょう。
はい。
お願いします。
ガスが集まって恒星が出来るといってもですねなにもガスが全部丸ごと星になる訳ではないんです。
そのまま星にならないで残るガスももちろんある訳。
ん?そのまま残る?うんそう。
その残ったガスがある程度集まった所をこの場合「星雲」という訳ですな。
このオリオン大星雲でいうともやもやしてるでしょこれ。
これ全部星雲という事になる訳ですな。
うんなるほど!分かりました。
ちょっと私の事見直しましたか?はい。
あの…知らないで調べてくれって言ってるんじゃないですよ。
はい。
別に楽をしようと思ってあなたに行ってもらってる訳でもないんですよ。
大丈夫です。
大丈夫って何よ?次は恒星の一生です。
キーワードはこちら…垣内隊員赤色巨星っていうとどんなイメージですか?えっと赤い色をしたすごく大きな星って感じですかね。
まあ読んで字のごとくなんだけどもね。
そうですよね。
はいはい。
この赤色巨星っていうのはこちら。
私たちの太陽ね。
この太陽の50億年後の姿だと考えられてるんですね。
ん?どういう事ですか?これから50億年ぐらいたっちゃうとね太陽の構造ががらっと変わってしまうんですよ。
そして…ジャン。
こんなに大きくなって真っ赤になっちゃった巨大な恒星になると考えられてるんですね。
へぇ〜!じゃあこちらをご覧下さいませ。
これは50億年後の太陽を予想したものなんですけれども見てどう思いますか?太陽ってこんなに姿変えちゃうんですか?そうなのねこれが。
え〜なんかショックですね。
でも50億年後の話ですからね。
我々この世界にいませんから。
関係ないっちゃ関係ないんだけども。
そうですね。
一応太陽のこのあとの展開というものをですね順を追って見てみましょう。
これからしばらくの間は今我々が見てるようなあの太陽のまま。
ところがこれから50億年たってしまいますとこの太陽の中心に水素がある。
膨張を始める?ねえ隊長膨張してどれくらいの大きさになっちゃうんですか?どれぐらいだと思いますか?う〜ん?なんと今の太陽の直径の100倍に膨れ上がってくるんですねぇ。
100倍!そして赤色巨星と呼ばれるようになります。
それが赤色巨星。
そうそう。
太陽っていうのは水素の核融合反応で我々にさんさんと照りつけてるあのエネルギーを作ってくれてるんだけれども中心の水素がなくなってくると中心のちょっと外側で核融合反応を始めちゃうんですね。
それと同時に星全体が膨張するんです。
そしてそのあとも光り輝いてはいるんだけれども輝き続けられる期間というのが今の私たちのこの太陽のように中心で水素が核融合してる時の太陽と比べてずっと短くなっちゃうんです。
あ〜なるほど。
で私たちのこの太陽のような大きさの星がですね輝き続けられる期間というのは約100億年と計算されています。
太陽が生まれてから今現在までおよそ50億年。
残りの寿命もおよそ50億年という事になりますね。
じゃあ太陽は生まれてからちょうど今寿命の半分のところにいるという訳ですね?そのとおりでございます。
そして赤色巨星になると今度はその表面からどんどんガスがこういうふうに流れ出すようになるんですね。
そして小さくて密度の高い高温の星が残ります。
これを…白色矮星。
そうそう。
この「矮」っていう字は「小さい」っていう意味なんですね。
あっそういう意味なんですね。
白色矮星になるとその周りには流れ出した物質が残ってましてそれが光り輝くようになると…うん…惑星状星雲。
そうそう。
例えば写真がございます。
こちらね。
これが惑星状星雲の一例なんだけども。
どこが白色矮星か?こんな広い中の。
このちっちゃい1点これが白色矮星でございます。
じゃあ隊長太陽もあと50億年するとこういう姿になっちゃうって事ですか?そういう事なんですねぇ。
え〜やっぱりショックです。
赤ショックというかですね白ショックというかですね。
ショックですね。
はい。
ぐんま天文台で星を観察する垣内隊員。
実はこの時赤色巨星よりももっと大きな赤色超巨星を見ていたんです。
それがオリオン座の左上に光る星…これがオリオン座の1等星ベテルギウスです。
これがベテルギウスですか。
うん明るく光ってますね。
まぶしいぐらいだと思いますが何か気が付かれた事ありますか?うん?何だろう。
きらきら光ってますよね。
はい。
色分かりますかね?あっ言われてみると少しオレンジっぽく見えてる気がします。
非常に赤みを帯びた星ですね。
はい。
この色はこの星が非常に温度が低い星だという事を示しています。
赤色超巨星といって非常に重い星が年を終えていった生涯最後の姿なんですね。
そのため太陽とは違う最後を迎える運命にあります。
それが…超新星爆発。
爆発しちゃうんですか?
(橋本)はい大爆発を起こして死んでいきます。
それはここからでも観察できますか?はい。
もちろん観測できます。
それどころか肉眼で昼間でも見えると考えられています。
へぇ〜…。
もしベテルギウスの超新星爆発が起こったら…。
ベテルギウスは満月の100倍の明るさで輝きます。
そしてたとえ昼間であっても青空に明るく輝くだろうといわれているのです。
ベテルギウスは最後に爆発しちゃう運命にあるんですねぇ。
ベテルギウスは太陽よりもずっと大きい星だから爆発しちゃうんですね。
そういう事です。
しかし恒星の終わり方としてはどっちの方がいいのかな?どっちがってどういう事ですか?だから我々の太陽みたいに白色矮星になって小さくなって終わっていくのかそれともベテルギウスみたいにバ〜っと最後に花火のように有終の美を飾るというかね。
いやいやそれは私だったらベテルギウスみたいにバ〜ンと感動のフィナーレを迎えたいですよね。
あっそう。
はいもちろんです。
私は人知れず静かに終わっていきたいかな。
えっ?性格の差が出ますねこれ。
そうですね。
人それぞれいろいろありますね。
どうでもいいですけどね。
フフフフ…。
いやいやいや…。
どうもよろしくお願い致します。
ようこそ関口さん。
今日は恒星の誕生と一生をやったんですけどふと思ったのは恒星…例えば赤色巨星になっちゃった周りの惑星ってどうなってるんですか?そうですねぇ。
赤色巨星は最後には太陽系でいうと地球の軌道ぐらいの方まで膨らんできちゃいます。
ですからそれにのみ込まれてしまう惑星が当然あると思いますね。
えっ地球ものみ込まれるかも?そうですね。
地球の軌道が今のままだと危ないんですが地球はこれから軌道が広がっていくという話もあるのでそうすると逃れるかもしれないですね。
追っかけっこみたいな事ですか?あるかもしれないですね。
ひえ〜想像もつかない世界ですね。
一方で今赤色巨星の周りに惑星があるっていう星も見つかってるんですね。
無事に。
ですから生き残る惑星もあるって事は今分かってますね。
いろんなパターンがある訳ですね。
そういう事になりますね。
超新星爆発しちゃったら駄目でしょうけどね。
そうしたら本体がなくなっちゃいますからね星の中心が。
そうですねぇ。
いやでも赤色巨星になっちゃったとこの惑星の上に立ってみたいもんですね。
そうですね。
多分ぎらぎらと明るい星が大きな星が輝いてるっていう姿なんでしょうね。
熱すぎていられませんかね?いられないですね。
今日は恒星の誕生と一生をお勉強したんですけど隊長どうでしたか?何かいろんな終わり方があったけど…。
爆発して終わるのもあれば小さくなってしゅんと。
だけど次に生まれてくる何かにはどういう形でかつながってる訳だからね。
何か営みのような感じが。
そうですね。
どうですか?あっそうですベテルギウス。
今爆発してもおかしくないみたいですよ。
ねえ。
今日かもしれないし何万年後かもしれないですし。
でもいつなのかね?生きてるうちに見れるのか。
そんな事になっちゃったら多分大騒ぎだろうね。
大騒ぎだと思います。
でも太陽は爆発しなくてよかったです。
うんそうだね。
俺も心配になっちゃったから「ちょっと早まって実は明日でした」とかないですか?って聞いたけどないらしいよ。
よかったです。
あぁよかった。
太陽ないと困りますもんね。
そうでしょ。
偉大ですから。
ひとつ50億年間太陽さんよろしくお願いします。
太陽〜。
2014/04/30(水) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地学基礎「恒星の誕生と一生」[字]

「地球」は私たちにとってかけがえのない存在です。その地球を、「宇宙の中の1つの星」「地球という物体」「地球の歴史」そして「環境」という視点から学んでいきます。

詳細情報
番組内容
太陽のように核融合でエネルギーを作り出して輝く天体を恒星とよぶ。恒星は、宇宙空間に広がっていたガスが重力によって集まり、誕生する。星は質量に応じた寿命をもち、太陽は誕生から約100億年が経過すると大きく膨らみ、赤色巨星とよばれる段階を経て白色矮星(はくしょくわいせい)という小さな天体になる。質量の大きな星は、大きく膨らんだ後、超新星とよばれる大爆発を起こして一生を終える。【出演】関口知宏、垣内彩未
出演者
【出演】国立天文台准教授…青木和光,【司会】関口知宏,垣内彩未,【語り】市川展丈

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0×0808)
EventID:26580(0x67D4)