(清掃員)フ〜フッフッ…!お姉さん仕事帰り?
(清掃員)やめとけよ好きなんだから…。
おい…。
おい!
(小菅光晴)管轄は千代田西か…。
(太田文平)なんすか?その嫌な感じ。
面倒なんだよ刑事課長が。
(太田)面倒?よく言えばお山の大将。
悪く言えば独断専行。
どっちも悪いじゃないですか。
(島野誠)わかりました。
(ため息)担当は佐久管理官だ。
因縁の再会だな。
(中藤卓)え?こりゃ一悶着あるぞ。
(田村裕司)いいか?検挙率トップの13係が来る事になったが絶対に怯むな!ここは俺たちのシマなんだ。
堂々と渡り合え!
(一同)はい!捜査一課13係の島野です。
刑事課長の田村だ。
佐久…。
(佐久晋吾)ご無沙汰しております。
田村課長。
(下山)被害者は長部雄一51歳。
東都新聞社会部のデスクです。
死因は失血死。
腹部を鋭利な刃物で7か所刺されており被害者の財布が現場から持ち去られてます。
死亡推定時刻は昨夜10時から12時の間です。
(麻生)犯行現場からは犯人のものと思われる靴痕が残っていました。
サイズ27センチのスニーカーです。
機捜からは以上です。
続いて所轄からの報告。
吉野!
(吉野透)はい。
公園のゴミ箱に被害者と同じ血液型の血痕が付着したナイフとジャケットキャップが捨てられていました。
恐らく犯人が処分したものと思われます。
指紋は取れませんでしたがどれも原宿の個人ショップの商品です。
店の顧客情報を洗えばすぐに犯人絞り込めるだろう。
な?では島野係長と太田巡査部長は勤務先の関係者を当たってください。
小菅警部補と風間巡査長は家宅捜索を。
中藤巡査部長は被害者の昨夜の足取り。
加藤警部補は携帯電話記録を調べてください。
それから所轄は…。
現場周辺の聞き込みを。
(刑事たち)え?おいちょっと待て。
遺留品の捜索は!?必要ありません。
俺たちが見つけた物証を無視するのか?以上。
解散。
おい!おい!
(風間輝樹)なんか露骨な所轄外しでしたね。
(中藤)あんな班割り聞いた事ねえよ。
管理官は刑事の頃田村課長の部下だったんだ。
(風間・中藤)え?当時から管理官はキレ者と評判だったが田村課長の指示に全く従わずいつも捜査から外されてたそうだ。
(太田)って事はさっきのは当時の報復?吉野岡崎!
(吉野・岡崎圭一)はい!お前たちは遺留品を調べろ。
(岡崎)でもいいんですか?犯人の尻尾つかんで佐久のハナ明かしてやれ。
(朝比奈徹平)失礼します。
備品係です。
コーヒーメーカーお持ちしました。
(屋敷大地)ああそっち置いて。
(朝比奈)はい。
佐久さん!?ご無沙汰してます。
以前刑事課にいた朝比奈です。
朝比奈さん…。
朝比奈さんは今回の捜査には参加しないのですか?今は警務課にいるので。
それは意外です。
朝比奈さん田村課長から期待されていましたよね?体を壊したんです。
それで自分から志願して…。
では失礼します。
屋敷巡査長。
はい。
朝食は?朝は食べませんので。
それはよかったです。
少し早いですが食事に行きませんか?はい。
まだ店やってないよ。
佐久ちゃん?うん!美味しいです。
ここの料理には全て隠し味があります。
ちなみにこのうま煮そばはケチャップ。
ケチャップですか?よく気づいたな。
人は隠されているものに興味を持つものです。
それを探し出すのが私の仕事です。
ヘッヘッ…!相変わらず変わった野郎だ。
ところで備品係の朝比奈という男をご存じですか?朝比奈?以前刑事課にいました。
あああいつ…。
なんでも体調を崩して異動になったとか。
まさか…。
捜査でヘマやらかしたんだよ。
ヘマ?1年くらい前かな。
詳しくは知らないけど吉野たちが怒ってた。
あの野郎バカなまねしやがってって。
(河合正宗)長部は根っからのブン屋でした。
現場にこだわり昇進も拒み続けていました。
仕事絡みで何かトラブルはありませんでしたか?トラブルは日常茶飯事です。
新聞報道で名誉毀損された日常生活や仕事に支障が出たそういう方々の抗議の電話が毎日のようにかかってきます。
長部は自ら盾になってその対応を引き受けていました。
河合部長は長部さんとは普段から親しく?ええ。
実は同期でしてね。
あいつとはよく飲みに行きましたけどあいつの口から出るのはいつも仕事の事ばかりで。
プライベートに関してはほとんど聞いた事がありませんな。
長部さんのノートパソコンや私物預からせて頂いて構いませんか?もちろん。
それと抗議電話の記録もお願いします。
わかりました。
捜査はどの程度進んでるんですか?まだ始まったばかりですので。
この事件は物取りの犯行なんでしょうか?それとも怨恨の線が強いのか…。
それも含めて調べている途中です。
(風間)過去の取材ノートに編集会議の記録記事のスクラップ。
家の中にあるのは仕事に関するものばかりでした。
事件当夜の被害者の行動ですが10時34分に新聞社を出ています。
恐らくそのあと直接現場に向かったものと思われます。
長部さんの私物預かってきました。
お疲れさまです。
長部さんの同僚にも話を聞いてきましたが最近特に変わった様子はなかったようです。
ただ新聞記事に対するクレームの処理を一手に引き受けていたようで。
そっちは調べる必要があると思います。
所持品はこれで全部ですか?ええ。
ロッカーの中のものも洗いざらい回収してきました。
肝心なものが見当たりません。
え?
(田村)遺留品の捜査から不審な男を一人見つけた。
秋本弘23歳都内に通う大学生だ。
原宿のショップでジャケットとキャップを購入していたが所持していなかった。
本人はコインランドリーで盗まれたと供述しているが怪しいもんだ。
靴のサイズも一致してるし。
昨夜のアリバイも曖昧だからしょっ引いた。
遺留品の捜査は必要ないって言われたでしょうが!結果を出してるんだ。
文句言われる筋合いはない!取り調べは時間の無駄です。
今すぐ釈放してください。
俺たちが手柄上げるのがそんなに癪か!?捨てられていた遺留品は捜査をかく乱するための偽装工作です。
もちろん現場に残されていた靴痕も。
なんでそんな事言えるんだ?捨てられていた凶器には指紋が付着していませんでした。
犯人は手袋をはめて犯行に及んだんです。
それほど用心深い犯人がすぐに見つかるような場所に遺留品を捨てるでしょうか?それに恐らく今回の事件は計画的犯行です。
何?所持品から記者の命とも言うべき取材ノートが消えています。
取材ノート?被害者は几帳面な性格でこれまでの取材ノートを全て保存していました。
しかし…。
最新の取材ノートだけがどこにも見当たりません。
自宅にもオフィスにも。
恐らく犯人が長部さんの鞄から持ち去ったんでしょう。
そのノートに犯人にとって都合の悪い事が書かれていると?その可能性が高いと思います。
(矢野正雄)課長!ちょっとよろしいですか?なんだ?ここで言え!コインランドリーで盗難に遭ったのは事実のようです。
所轄に問い合わせたところ1週間前に盗難届が出されていました。
田村課長。
申し訳ありませんが1年前のストーカー殺人事件の捜査資料を見せてください。
なんでそんなものを?あの事件の被害者も同じ公園で殺されています。
しかも警察がマークしていた被疑者を逮捕前にスクープ報道したのが東都新聞でした。
今はまだ点と点ですがもしかしたら繋がりがあるかもしれません。
田村課長。
早く捜査資料を。
これ以上時間を無駄にしないで頂きたい。
(岡崎)ご所望の捜査資料です。
屋敷巡査長ホテルまで運びます。
はい。
島野係長明日から抗議電話をかけてきた相手を洗ってください。
はい。
所轄は…引き続き現場周辺の聞き込みを。
ちょっと待ってくれ。
1年前のストーカー殺人事件の詳細教えてくれないか?去年の春千代田西公園内で女子大生の遺体が発見されました。
(岡崎の声)名前は青柳文香。
彼女は以前からストーカー被害に遭っておりうちに相談を持ちかけていました。
つきまとっていたのはかつての交際相手大野和之です。
大野から自宅に盗聴器を仕掛けられた事に不信感を抱き青柳文香は別れようとしましたが大野は暴力を振るってそれを拒みストーキングを続けていたんです。
(岡崎の声)それから1週間後青柳文香は何者かに殺害されました。
(岡崎)お前の部屋から発見されたものだ!
(岡崎の声)我々は大野の自宅から盗聴器や凶器のナイフを発見し奴を逮捕しました。
しかし取り調べを始めたその夜大野は留置所で首をつって自殺してしまったんです。
結局我々は大野の自供を取れず被疑者死亡のまま書類送検する羽目になりました。
以上です。
(ドアの開閉音)何か妙だと思わないか?え?田村課長が1年前の事件と今回の事件の共通点に全く気づかなかったとはどうしても思えないんだが…。
じゃあわざと黙ってたって事ですか?
(ノック)
(神沢周作)はい。
失礼します。
何かご用でしょうか?佐久が1年前のあの事件に目を向けてきた。
え?心配するな。
あの事にはまだ気づいちゃいない。
(田村)絶対に気づかれるわけにはいかねえんだ。
朝比奈…。
わかってるな?お前も死にもの狂いで隠しとおせ。
はい。
管理官が1年前のストーカー殺人事件に興味を示しています。
ただいきなりメンツを潰された所轄との関係は最悪です。
(谷中寿也)フフフ…だろうな。
元々千代田西の刑事課長と佐久は水と油だからな。
なじむわけがない。
しかしこのままでは彼らの協力を引き出す事は難しいかと。
ハハハハ…。
だったらなおさら楽しみじゃねえかよ。
このまま佐久の泣きっ面見るのも一興じゃねえか。
ハハッ。
どうぞ。
ありがとう。
ストーカー殺人のほうもなんか新しい動きがあったら知らせてくれよな。
はい。
部長…。
うん?もしかして管理官が1年前のヤマに興味を持つ事に気づいてたんじゃありませんか?ハハハハ…!屋敷君私は超能力者じゃありませんよ。
スプーンは曲げられません。
なんで今さらそんな事件蒸し返さなきゃいけないんだよ。
(店主)確かに電話で抗議したよ。
偽装表示の記事の写真にうちの店が写り込んでたからさ。
だってうちの会社をブラック企業って書いたんだよ!あいつらの書いた特集記事でリーマン警戒しちゃってさ。
文句言いたくもなるよ。
(女性)行って参ります。
(ノック)
(中村隆明)はーい。
(中村)誰?警視庁捜査一課の者ですがお時間よろしいでしょうか?
(中村)違う違う違う…!違う!違うよ違う違う。
全然そういう違法な事とかやってないから。
誰がガサ入れにきたなんて言った?え?1か月前東都新聞の長部さんという方から電話をもらいましたね?あー…はい。
どんな話をしたのか聞かせてもらえますか?
(ドアの開く音)管理官。
(ドアの閉まる音)長部さんがクレーム対応していた相手の中に中村という盗聴器の製造業者がいました。
1年前ストーカー事件の被疑者だった大野に盗聴器を売ったと新聞に書かれ得意先から取引を切られたと抗議の電話をかけていたようです。
その時はそれっきりで終わったようですが1か月ほど前長部さんから突然電話がかかってきて事務所を訪ねてきたそうです。
長部さんはどんな話を?大野についていろいろ話を聞いてきたそうです。
それと高木の連絡先を知らないかと。
高木…。
1年前のストーカー殺人事件のスクープ記事を書いた記者ですね?そうです。
高木は大野が留置所で自殺して間もなく新聞社を依願退職し消息を絶っているそうです。
島野係長1つ先行して調べてほしい事があります。
なんでしょう?このカフェトリトンというお店に行ってもらえますか?抗議電話の記録にはない店ですね。
ストーカー殺人事件の捜査資料によると自殺した大野の友人がこのお店で働いているようです。
名前は安達圭介。
わかりました。
東都新聞へ行きます。
はい。
高木の退職理由ですか?ええ。
ストーカー殺人事件をスクープした記者がなぜ被疑者の大野が自殺した途端新聞社を辞めたんでしょう?その事と今回の事件がどう関係するんですか?長部さんは最近1年前のあの事件の関係者に会っていたようです。
それから高木さんの行方を捜していました。
え?その事について何か長部さんから聞いていませんか?いえ。
特にそういう話は…。
では高木さんの退職理由は?一身上の都合と聞いております。
誰も引き止めようとはしなかったんですか?正直高木はそれほど有能な記者ではありませんでしたからね。
それが幸運にも大スクープを取った。
そうなれば当然こちらの期待値も上がります。
恐らく高木はそのプレッシャーに押し潰されたんだと思います。
申し訳ありませんが念のため同僚の方からもお話を聞かせてもらえますか?いやあみんな取材で朝から晩まで飛び回ってますからね。
私がみんなの話を吸い上げてあとでお知らせしますよ。
わかりました。
よろしくお願いします。
(河合)捜査一課の佐久という男が高木を捜しています。
(水田清太)何?部下たちには情報を一切漏らさないよう指示を致しました。
こちらも対処しておく。
わかってるな?はい。
隠蔽せよ。
(ノック)はい。
(田村)署長何か?東都新聞の水田社主から電話があった。
佐久が東都新聞に乗り込んできたそうだ。
殺された長部はストーカー殺人事件の関係者に接触していたらしい。
なんですって!?向こうは最後まで隠しとおす腹だ。
田村とりあえず我々も静観だ。
静観?捜査をやめろって事ですか?下手に動いて墓穴を掘ったらどうする?動くのは本庁の捜査状況を見極めてからでもいい。
(ドアベル)
(吉野)課長。
署長から通達だ。
事件の全容が見えるまで余計な手は出すなと。
我々に捜査するなって言うんですか?しばらくの辛抱だ。
我慢しろ。
こんな暗がりに息潜めて。
これじゃまるで犯罪者じゃないですか。
組織を守るためだ。
安達さん長部さんはどのような用件であなたを訪ねてきたんですか?
(安達圭介)1年前のストーカー殺人事件についていろいろ聞かれました。
大野の性格や殺された彼女との関係。
あと記者の高木さんの連絡先。
記者の高木!?君知り合いなの?っていうか大野の事で2〜3度取材を受けた事があるだけです。
亡くなった長部さんストーカー殺人事件の取材と高木の消息を尋ねに行ったようです。
また高木ですか…。
もしかしたら彼が取材した内容を知りたかったのかもしれませんね。
こうなると高木が行方をくらましてる理由も気になりますね。
(ドアの開く音)お疲れさまです。
(田村)収穫はゼロだ。
目撃情報は拾えなかった。
拾えなかったって何もですか?んなバカな話ねえだろ!
(加藤善浩)やめろ太田!あんたら本当にちゃんと調べたのかよ!俺たちが手を抜いてるとでも言いたいのか!
(太田)なんなんだよ!
(風間)太田さん!また明日頑張るさ。
その必要はありません。
以前から使えない人だとは思っていましたがこれほどひどいとは…。
田村課長あなたは私がこれまで見てきた中で最低の指揮官です。
こら!もういっぺん言ってみろ!兵隊がどれだけ優秀でも指揮官が無能なら成果など上がるはずもない。
あなた方だって本当はそう思ってるんじゃありませんか?管理官今の言葉取り消してください。
なぜですか?あなたは田村課長のこれまでの実績をよくご存じのはずです。
目の前の捜査の役に立たなければそんなものなんの意味もありません!しかし…。
こんな人間をかばうあなたの甘さも見苦しい!役に立たない駒はいりません。
田村課長あそこまでコケにされてあなた悔しくないんですか?あなたにも刑事としての誇りがあるはずだ。
佐久さん?殺された長部さんは1年前の事件を調べ直していました。
そしてスクープ記事を書いた高木という記者を捜していた。
彼の経歴を見ていて気づいたんですが朝比奈さんあなたその高木さんと同じ高校に通っていた同級生だったそうですね?被疑者の大野が留置所で自殺した直後高木さんは新聞社を辞めそしてあなたは…異動になった。
これは全くの偶然でしょうか?田村課長に口止めされ話せないというのならそれでもいい。
ただし…真実が明らかになった時は容赦しません。
あなた方全員に責任を取ってもらいます。
(朝比奈)課長。
佐久管理官が自分と高木の関係に気づきました。
あの様子じゃ隠蔽に気づくのも時間の問題だと思います。
佐久管理官は我々全員のクビを切るつもりです!どうしたんですか?これは?大野の遺書だ。
どういう事ですか!?大野が自殺した時それを握り締めてた。
1年前大野を内偵している最中東都新聞にスクープをつかまれた。
記事を書いた高木という記者に情報をリークしたのはこいつだ。
それをきっかけに全ての新聞雑誌テレビが大野のプライバシーを暴き立て容疑者に仕立て上げた。
俺たちも悠長に調べてる余裕がなくなり大野の自宅を強制捜査し凶器に使用されたナイフを発見した。
だが大野は一貫して犯行を否定した。
部屋で発見された凶器も自分は知らないと言い張り最後には…首をつって自分の無実を訴えた。
つまり1年前の事件は冤罪の可能性があったという事ですか!?ああ。
だが無実の人間を死に追いやったなんて事になればただじゃ済まない。
俺たちだけじゃなく警察全体が叩かれる。
それを考えたら怖くなった…。
それでこの遺書を握り潰したんですか?そうだ。
他の連中はどうなんですか?この事知ってるんですか?いや知ってるのは俺だけだ。
他の者は誰も知らない!今さらそんな嘘が通用すると思ってるんですか?嘘じゃない!本当だ!これは俺一人でやった事だ。
部下たちにはなんの関係もない!頼む…。
あいつらだけは守ってやってくれ。
あんたらの捜査に加えてやってくれ…。
(ノック)田村課長は大野の遺書を隠蔽していました。
大野は自殺する直前まで無実を訴えていたんです。
そういう事でしたか…。
私を利用しましたね?私が田村課長の事をかばうのを見越して罵倒し彼の中に私への信頼が芽生えるよう仕向けた。
そうじゃありませんか?その遺書の存在を知っている者は?人の話を聞いてるんですか?質問に答えてください。
田村課長と警務課の朝比奈巡査部長だけです。
わかりました。
刑事課の捜査員にはきっちりと上司の尻拭いをやってもらいましょう。
なぜそんな言い方しか出来ない…。
それから朝比奈巡査部長も呼んでください。
はい?彼は事件のカギを握る高木の情報を持っています。
ほら何してる。
早く行ってこい。
課長…。
刑事は犯人捕まえてなんぼだ。
長部殺した犯人絶対捕まえてこい!
(一同)はい!
(神沢)刑事課長の田村が暴走しました。
大野の遺書は今回の捜査の推移を見て発表されると思います。
約束が違いますな!はい…。
まあいいでしょう。
こちらも先行して手を打ちましょう。
(朝比奈)高木は入社以来なんの実績も残せずとても焦っていました。
それを見かねてつい捜査情報を漏らしてしまったんです。
高木はそれから独自に取材を続け記事にしたんですね?ただ自分の記事に自信を持っていたかどうかはわかりません。
大野の遺書が残されていた事を打ち明けた時高木は強いショックを受けていました。
新聞社を辞めたのも恐らくはそれが原因だと思います。
長部さんは責任感の強いジャーナリストだった。
大野の冤罪を疑い記事を書いた高木を捜し出し真相を確かめようとしたのかもしれない。
まさか追及を受けた高木が衝動的に殺したっていうんですか?それはまだなんとも言えませんが少なくとも高木さんから話を聞く必要はありそうです。
彼が出入りしそうな場所思いつく限り挙げてください。
はい。
…佐久管理官。
自分も捜査に参加させてください。
(太田)最近高木さんとは連絡取れてないんですね?こちらに連絡ください。
ああはい。
どこか他に高木さんが出入りしそうなところは…。
もし見かけたらさ連絡ちょうだい。
ねっ。
行こう。
はい。
ああきた。
もう…!ああ高木さんなら以前よく彼女といらしてましたよ。
彼女?名前わかりますか?
(チャイム)
(安西佐百合)「はーい」警視庁捜査一課の島野といいます。
ちょっとお時間よろしいでしょうか?すいません。
(佐百合)何かご用でしょうか?以前東都新聞に勤務されていた高木さんとお付き合いされていましたよね?それが何か?失礼します。
ちょっと!ちょっと待ってください!勝手に入らないでください!
(高木雄介)「朝比奈から遺書の話を聞いて不安になって改めて大野の周辺を調べ直しました」冷静になって周りの話を聞いてみると大野はストーキングはしていたけど文香さんの事を大事に思っていた事がわかってきました。
もしかしたら冤罪だったかもしれないって思ったら急に怖くなって河合部長に相談しました。
河合さんに?バカ野郎!
(叩く音)今さら何言ってんだ!申し訳ありません。
この事は誰にも言うな。
胸にしまっておけ。
えっでも…。
大野を容疑者と名指しにしたのはうちだ。
万が一奴が無実だとしたら東都新聞の権威は地に落ちる。
ただでさえ発行部数が年々落ちてるんだ。
騒ぎが大きくなればそれこそ…。
(机を叩く音)
(河合)死活問題だぞ。
明日までに辞表を書け。
姿を消してしばらく誰とも連絡を取るな。
部長…。
何も起こらない事を祈ってろ。
長部さんは大野の冤罪を疑い一人ひそかに取材をし直し君にも接触を図ろうとした。
君は長部さんに真相を問われ怖くなって殺害したんじゃないのか?僕は殺してなんかいません!っていうか新聞社を辞めてから会ってすらいません!事件の夜のアリバイだってあります!ずっと彼女と一緒にいました。
調べてもらえばすぐわかります!冤罪の疑いが浮上した時なぜあなたは最初に長部さんに相談しなかったんですか?怖かったんです…。
(長部雄一)高木お前本当にちゃんと調べたのか?きちんと裏取ったのか?…もちろんです。
ダブルチェックは?僕が信用出来ないんですか?1つの記事が人の人生を狂わせる可能性があるから聞いてるんだ。
記事を掲載してください。
やっと取ったスクープなんです!
(高木の声)長部さんに啖呵切って記事を掲載してもらった手前自分が上っ面の取材しかしてこなかったとはどうしても言えなかった。
言えば何もかも終わる気がして…。
ごめんなさい…。
ごめんなさい…!高木のアリバイの裏付けが取れました。
行きつけのバーに彼女と一緒にいたとバーの店員が証言しました。
これでまた振り出しか…。
一体誰がなんのために殺したんだ…。
あっ…。
あの…高木を捜している途中彼見かけました。
彼?
(朝比奈)大野の友人だった安達です。
(朝比奈の声)高木が出入りしているダイビングショップに入っていくところを見かけました。
そういえば大野に容疑がかけられた時一緒にいたとアリバイを証言した友人がいてそれが安達圭介でした。
しかし裏付けを取るとすぐにボロが出てしまった。
安達は大野に一緒にいた事にしてくれと頼まれたと供述しました。
大野を信じてたし守ってやりたかったと…。
そのアリバイ工作本当に大野から安達へ持ちかけたんでしょうか?まさか大野への嫌疑を深めるため安達が仕組んだと?管理官。
安達を洗ってみましょう。
(電話)はいもしもし。
いやぁ東都新聞の社主からわざわざお電話頂けるとはこれは珍しい。
ああ光栄でございます。
谷中刑事部長。
ちょっと困った事になりましてな…。
秋葉原界隈のショップをしらみ潰しに当たったところ盗聴器を物色する安達によく似た男を見たという目撃情報を複数名から得られました。
安達は何度かなじみの居酒屋に大野と青柳文香を伴って来てました。
大野のいないところで青柳文香を冗談交じりに口説いているところを店員が目撃しています。
状況証拠は揃いつつありますがまだ肝心の物証がありません。
このままでは逮捕は難しいでしょう。
今回の事件で警察の動きにはナーバスになっているでしょうからね。
長部さんの取材ノートがあればなぁ…!現場から持ち去ってるって事は重要な証拠が書かれてたんだろうし…。
実はそのノートがもう一冊見つかりました。
ブレンドコーヒーでございます。
はい。
ごゆっくりどうぞ。
おいおいおい死んだ社会部の長部デスク自宅に取材ノートのコピーや編集会議の記録全部残してるらしいぞ。
本当ですか!?中には経済部やスポーツ部のスキャンダルネタもあるらしい。
すごい爆弾ですね!これで次の人事我が政治部が頭一つ抜け出しましたね。
(小菅)おう。
こんな夜中に何を探しに来た?
(吉野)課長!安達が青柳文香と長部雄一の殺害を認める供述を始めました!
(青柳文香)やめてって言ってるじゃん!しつこいんだってば!
(岡崎)やはり安達は青柳文香に横恋慕しており思いが叶わなかった事から衝動的に口を塞いだそうです。
長部雄一に関しては自分の周りを嗅ぎ回り犯行を疑い始めた事が動機だそうです。
(刺す音)
(安達)そうだよ!僕だ!みんなでかした。
よくやった。
なる?ここまで。
(風間)なりませんよ。
なりますって。
(小菅)中藤は頑張った。
ありがとうございます。
(小菅)でも最終的にはやっぱり俺の演技力がものを言ったと思うんだよね。
なっ?シカトかよ…。
よくわかんねえ野郎だなぁ…。
しかし係長今回珍しく管理官の策に乗っかりましたね。
(吉野)テレビつけてください!テレビテレビ!どうしたんですか?
(水田)「先日我が社の社会部記者を殺害した容疑者が判明しました」「その男は1年前のストーカー殺人事件の真犯人でもあります」
(記者たち)「えっ!?」「当時我が社は誤った報道をしてしまいなんの罪もない青年を死に追い込んでしまいました」「殺害された長部記者は1年前の事件を取材し直す最中に犯人に気づき…」警察発表もまだだっていうのにどこから情報が漏れたんだ?
(谷中)いやぁあっぱれ。
さすが大新聞の社主様です。
ハハッ見事な記者会見でした。
まあこれで傷は最小限で済みますね。
谷中さんには感謝してもしきれませんなぁ。
何かお礼を考えないと。
いやお礼なんてとんでもないですよ。
ハハハ…。
ただわたくしこう見えて次の警視総監候補と言われておるんですがまあ私大上がりという事でねマスコミの目も厳しいものがございましてね…。
(水田)これからの時代警察も実力主義でリーダーを選んでほしいものですなぁ。
まあ今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
刑事部長から直々に連絡があった。
今回の殺人事件の早期解決それからストーカー殺人事件の真犯人逮捕の手柄に免じて遺書の件には目をつぶるってな…。
それは残念です。
あれほど優秀な刑事たちがこれから先もあなたの下で働かなくてはならないとは…。
佐久。
朝比奈に圧力かけたのはもしかして俺に隠蔽工作の中身を白状させるためだったんじゃないのか?残念ながらその推理はまるで見当違いです。
やはりあなたは…。
無能だ。
(香田孝也)足に刃物による傷が無数にある事です。
(陣内則文)副署長の陣内です。
迅速な捜査と名前をかけてじんそくと呼ばれていたそうです。
(狩野正男)本部が所轄の言いなりだ。
(太田)ミリタリーコートの男が目撃されています。
捜査に必要なのは迅速さではありません。
正確さです!2014/04/30(水) 21:00〜21:54
ABCテレビ1
TEAM〜警視庁特別犯罪捜査本部 #3[字]
新聞社デスクが刺殺された。佐久(小澤征悦)は、何かを隠蔽している所轄署刑事課長・田村(矢島健一)に、1年前のストーカー殺人事件の捜査資料を見せるよう迫るが…。
詳細情報
◇番組内容
小澤征悦が民放連続ドラマ初主演!バラバラの思いを抱える熱い刑事たちと、冷徹な管理官・佐久晋吾(小澤征悦)が、正義の名のもと、ひとつ≪TEAM≫になる…。
◇出演者
小澤征悦、田辺誠一、塚本高史、神尾佑、田中隆三、猪野学、篠田光亮、渡辺いっけい、西田敏行
【ゲスト】矢島健一、大河内浩
◇脚本
大石哲也
◇監督
新村良二
◇主題歌
加藤ミリヤ×清水翔太『ESCAPE』(Sony Music Records/MASTERSIX FOUNDATION)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】松本基弘(テレビ朝日)
【プロデューサー】藤本一彦(テレビ朝日)、金丸哲也(東映)、和佐野健(東映)
【音楽】吉川清之
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/team/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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