グッドアフタヌーンお父様!4月から始まった連続テレビ小説「花子とアン」。
ヒロインは「赤毛のアン」の翻訳者として知られる…明治大正昭和と波乱の生涯を送った女性です。
夢を追いかける花子は当時まだ珍しかった英語を学びやがて翻訳家を志すようになります。
咲き誇るなり花子。
江戸から明治へ日本が新しく生まれ変わったこの時代。
花子のようにこれまでの古い慣習を捨て新しい生き方を選ぶ女性が次々現れます。
伝統的な日本髪を解き放ちナチュラル・ヘアで登場した…更には女性マジシャンから女性パイロット第一号まで。
こうして社会に飛び出すと直面するのが仕事か結婚かの選択です。
女性たちの学校を造りたい。
そんな夢を抱く津田梅子と大山捨松。
夢の実現と結婚とのはざまで揺れる2人が悩んだ末に出した…更に歌人与謝野晶子も登場。
妻子ある男性と道ならぬ恋に落ち「女性はおしとやかに」というそれまでの価値観を大胆に打ち破ります。
今夜は時代に先駆けて新しい道を切り開いていった女性たちの輝くような生き方をご覧下さい。
日本が近代化に向かって歩み始めた明治半ば。
東京・浅草に新しい時代の幕開けを象徴するような女性が登場します。
舞台となったのは凌雲閣という日本初の西洋式展望タワー。
この凌雲閣当時大変珍しい最新式の設備を備えていました。
それは…アメリカでも1年前に造られたばかりでした。
この新しい乗り物で楽々タワーのてっぺんに到着。
大パノラマを楽しめるとあって連日押すな押すなの大盛況。
思わぬ不運が起きます。
開業の翌年…このままでは倒産だ。
一体どうすればいいんだ?そうだ!いい事思いついたぞ。
それは…
(シャッター音)ちょっとあなた。
年がいもなく夢中になってみっともない。
ちょっと待って。
あと4人選ぶから。
この作戦は大成功。
さて気になるコンテストの結果は…。
彫りの深い顔がかわいらしいと人気の19歳。
踊りのうまさは東京一。
そして大激戦を制して栄えある1位に輝いたのは…。
浮世絵から抜け出たような和風美人。
とまあこういった感じなのですが…注目したいのは実はコンテストでは惜しくも入賞を逃したある女性。
伝統的な日本髪を振りほどき当時としては異例のナチュラル・ヘアで写真に収まる人呼んで…急いで間に合わないわ!お妻を見た街の人は…。
なんだあの髪型は。
でもそんなに悪くないぜ。
おひとついかが?あの伊藤博文もお妻にぞっこん。
後には髪をほどいてお座敷に出る事もあったとか。
洗い髪お妻の酌で飲む酒はまた格別じゃ。
まあこのおじいちゃんったらお上手なんだから。
娘たちもお妻に憧れ髪を結わないストレートのヘアスタイルが大流行。
更にパッケージにお妻の写真が貼られた「美人印シャンプー」が発売。
シャンプーを使う習慣も広まります。
日本初のグラビア・アイドルともいえる「洗い髪のお妻」。
その大胆な決断は伝統に縛られていた女性たちに新しい価値観を芽生えさせたのです。
ようこそ「歴史秘話ヒストリア」へ。
江戸時代が終わりを告げ新たに明治の世が始まると女性の社会進出が進みます。
中にはこんな分野にも…。
こちらマジックの世界で活躍した美貌の奇術師…日本を飛び出しアメリカやヨーロッパでも大成功。
「魔術の女王」と呼ばれました。
大空を活躍の舞台に選んだ女性もいます。
精はアメリカ人女性飛行士の活躍のうわさを聞いて自分も飛びたいと決意。
家族の反対にあっても志を捨てず飛行機の本を読みふける姿に姉が根負け。
東京の飛行士養成所に送り出してくれました。
油まみれの作業服で飛行機の手入れをする姿は男の練習生と変わりなく取材に来た記者は下駄の赤い鼻緒でようやく女性と分かったそうです。
その後見事…さまざまな舞台に飛び出していった女性たち。
その心は純粋な好奇心と自分の好きな仕事を選びたいという思いであふれていたのかもしれません。
結婚か。
それとも仕事か。
女性にとって大きな悩みですよね。
今から100年以上前の明治時代早くもこの問題に頭を悩ませた女性たちがいます。
女子教育の礎を築いた津田梅子と明治の社交界で輝いた大山捨松です。
海外留学を経験し新しい女性の生き方に目覚めた2人。
しかし帰国後仕事か結婚かの選択を迫られる事になります。
梅子と捨松理想と現実の間で揺れ動く2人のそれぞれの決断と友情の物語です。
日本からアメリカへと向かう大型船に幼い少女たちの姿がありました。
彼女たちはアメリカの学校で学ぶため集められた士族の娘たち。
そこには後に親友となる幼い津田梅子と大山捨松の姿もありました。
翌年2月留学生たちはアメリカの首都ワシントンに到着。
それぞれアメリカ人の家庭に引き取られアメリカ人向けの学校に通う事になりました。
そこで2人は日本では考えられない光景を目にします。
刺激を受けた梅子と捨松にはいつしか一つの夢が生まれていました。
日本に帰ったら女性のための学校を造ってはどうかしら?すばらしい考えね!是非2人で実現しましょう。
「女性が男性と肩を並べて生きる事ができる新しい社会」。
2人は日本の女性の輝かしい未来に夢を膨らませていきました。
明治15年梅子と捨松は11年ぶりに懐かしい日本の地を踏みました。
2人は早速夢の実現に向けて準備を始めます。
しかし間もなく梅子に予期せぬ難題が降りかかります。
それは結婚問題!18歳の梅子に縁談が持ち込まれたのです。
当時の日本では女性は15歳前後で親が決めた相手と結婚するのが一般的。
結婚しない女性は一人前と見なされないという風潮が根強く残っていました。
幼い頃からアメリカの自由な気風で育った梅子には日本の昔ながらの結婚観を受け入れる事ができません。
梅子は結婚に振り回される事なく女性のための学校を造るという自分の夢に全力を注ぐ事を決意します。
一方同じ頃親友の捨松にも縁談が持ち上がっていました。
相手は陸軍トップの大山巌。
捨松もやはり悩みます。
しかし相手は社会的地位もある大物。
むげにするわけにもいきません。
心の声会うだけ会ってみよう。
悩んだ捨松は大山巌とデートする事にします。
結婚前に男女が会う事自体当時の日本では珍しいものでした。
当日。
捨松は大山巌の友人宅に招かれ2人で庭をのんびり散策。
夜は西洋式のディナーを楽しみなかなかロマンティックな雰囲気。
大山は捨松と同じように海外留学の経験があり西洋文化に通じていました。
会話は自然と弾み捨松の心も動きます。
心の声この人になら生涯を託してもいいのかも…。
捨松は結婚を決意します。
その後2人は社交界デビュー。
政府によって造られた社交の場鹿鳴館で2人は注目の的となりました。
捨松はその美貌と相まって「鹿鳴館の華」と称えられました。
しかし捨松結婚の知らせにショックを受けたのがほかでもない津田梅子です。
心の声一緒に学校を造ろうと誓った捨松が結婚…。
自分の選択は正しかったのか…梅子の心は揺らいでいました。
程なく…もう一度自分の生き方を見直したい。
そんな思いからだったのでしょうか。
旅先で梅子を待っていたのはある女性との運命的な出会いでした。
梅子が会った時…日本では女性は結婚しなければ一人前と見なされないと嘆く梅子にナイチンゲールはこう語りました。
未来は変えられる…ナイチンゲールの言葉に勇気を得た梅子は再び自らの夢へ歩んでいく決意を固めます。
帰国後梅子は…女性に高等教育の機会を与える事で自立をはかる当時としては先進的な試みでした。
この学校で梅子が掲げたのは…下は15歳から上は30代まで。
その数は30人を超えました。
ここで梅子は超スパルタ方式ともいえる過激な授業を開始します。
丸い拳を固めて机を激しく続けざまにたたきながら「ノウノウワンスモアワンスモア」と荒々しく叫んで何十遍となく発音を繰り返させられた。
まるで鬼教師のような授業に生徒の多くが恐れおののいたといいます。
なぜ梅子はそこまで厳しくしなければならなかったのでしょうか?梅子はこんな言葉を残しています。
女性が高い能力を身につけ実力を示さなければ道は開かれない。
厳しい授業の背景には梅子のそんな思いがあったのかもしれません。
しかし開校後程なくして梅子は大きな壁にぶちあたります。
教職員の給料や教材などの備品。
更に校舎の修繕費用など経費は増すばかり。
梅子自身給料なしで働きましたがとても補いきれません。
もはや梅子の力ではどうにもならない状況に陥りました。
その時…やがて捨松の呼びかけに応える支援者が現れ学校運営は次第に軌道に乗っていきました。
そして…式に出席した梅子と捨松。
結婚を巡って別々の道を歩んだ2人ですが「女子教育のため力を尽くす」という2人の夢はここに確かな実を結んだのです。
語学や国際関係など多彩な分野で活躍する女性たちを数多く送り出しています。
仕事と結婚どちらの道を選んでも願いは持ち続けていれば実現する。
それが梅子と捨松からのメッセージなのかもしれません。
明治以降女性が男性と対等に働く事に対して社会にはまだまだ根強い偏見がありました。
そんな中あえて男性ばかりの職場に飛び込み「女性第一号」となったパワフルな人たちをご紹介いたしましょう。
元祖リケジョ女性で初めて博士号を取った…論文を発表した時女性という理由だけで批判された事もありましたがめげずに…荻野吟子は日本初の公認女性医師です。
更にパワフルなのが日本初の女性記者となった…もと子は女性の採用を渋る新聞社にじか談判し強引に入社を認めさせたかと思うと…職場結婚が認められないと潔く夫と退社。
夫婦で協力して女性の地位向上を目指す雑誌「婦人之友」を創刊しました。
彼女たちが多くの困難にぶつかりながらも職業婦人を目指した背景にはあとに続く女性たちに道を開きたいという強い願いがあったのです。
裁縫を子供に優しく教える女性。
生け花で部屋を上品に飾る女性。
これは良妻賢母の振る舞いについて説いた明治の錦絵です。
この時代「妻は夫に従いおとなしく家にいればよい」という伝統的な考えが根強く残っていました。
しかしこうした古い価値観を真っ向から否定した女性がいます。
歌人の…妻子がいる男性との道ならぬ恋。
晶子はライバルを押しのけて意中の男性の心をつかみます。
更に夫がフランスに留学すると寂しくてシベリア鉄道に単身飛び乗りパリまで追いかけていきました。
愛のためならまっしぐら。
世間の目などお構いなしで進む行動派与謝野晶子。
新しい「女の生き方」です。
幼い頃は家業を手伝うかたわら読書にふける地味な少女だったといいます。
東京からやって来た有名な歌人との出会いです。
短歌の革新を目指して活動していた…その姿はりりしく精悍。
全国を飛び回る行動派の歌人でした。
古い歌をまねる必要はありません。
我々は自分の思った事感じた事それをそのまま歌にして詠めばいいんです。
新しい文学を熱く語る鉄幹にすっかり夢中になった晶子は猛アタックを開始。
しかし鉄幹には一つ問題がありました。
常に女性の影が絶えない男だったのです。
晶子とデートする時もなぜか他の若い女性が一緒。
その上…晶子は悩みます。
鉄幹との恋はまさに「不倫」。
しかし内からほとばしる情熱は抑えがたいものでした。
晶子はその思いを歌に託します。
明治34年初めての歌集「みだれ髪」を出版し歌人としてデビュー。
そこで鉄幹への赤裸々な思いをさらけ出します。
私の熱い血の流れる柔らかな肌に触れもしないで寂しくはないのですか。
ありふれた道徳ばかりを説くあなた。
恋に突き動かされて熱い思いを大胆に歌った「みだれ髪」は世間に衝撃を与えました。
やがて晶子は鉄幹と一線を越えます。
鉄幹と2人きりの旅に出かけ2晩を共にしたと言われています。
すると…晶子を後押しするかのように運命が味方しました。
更に恋のライバルも身を引きました。
結婚は親同士が決めるもの。
そんな当時のしきたりを一切無視。
ただ情熱だけに突き動かされ成し遂げた大胆な結婚でした。
結婚の翌年には長男が誕生。
その後も晶子は毎年のように出産を重ね…更に歌人としても成功を収め執筆依頼が次々舞い込むようになりました。
全てがうまくいっているように思えた晶子でしたがやがて大きな問題に頭を悩ませるようになります。
俺の時代はもう終わったのか。
夫鉄幹がスランプに陥り精神的に不安定になってしまったのです。
ある日晶子は驚くべき光景に遭遇します。
何してらっしゃるんですか。
庭にうずくまりなんと包丁でアリをつつき回す鉄幹。
憎いんだよこいつらが…。
このままでは夫は駄目になってしまう。
一体どうしたら立ち直らせる事ができるのか…。
悩んだ末晶子はある計画を思いつきます。
あなたフランスに行ってみては?それはなんと鉄幹が憧れていたヨーロッパに遊学させるという思い切ったもの。
渡航にはばく大なお金がかかります。
金色の紙いっぱいに晶子が詠んだ歌がしたためられています。
晶子は長男に手伝わせてこうした屏風をいくつも作り更に借金をして必要な資金をかき集めました。
これで夫が元気になって帰ってきてくれれば一安心…と思ったのもつかの間。
今度は晶子自身に思わぬ事が…。
食べ物が喉を通らなくなり精神状態も不安定に。
夫と離れ離れになり寂しくてたまらなくなったのです。
原稿用紙に向かっていても夫の事ばかりが頭に浮かび仕事が全く手につきません。
「鉄幹に会いたい」その思いは募る一方。
そして晶子はまたも大胆な決断をします。
子供たちを残したまま…この時晶子が使ったのは当時一般的だった船ではなく列車でした。
当時…夫に一刻も早く会いたいという思いからだったのでしょう。
久々に会った鉄幹は日本にいた時とは見違えるように生き生きとしていました。
セーヌ河畔や凱旋門など風光明美な花の都をめぐる夫鉄幹との幸せなひととき。
この旅で晶子にとってとりわけ印象的な出来事がありました。
それは町の郊外で辺り一面真っ赤に咲く花を見た事。
花の名はフランス語で…5月のフランスの野原はまるで燃えているようです。
そうあなたも私もコクリコの花のように恋心を燃えたたせています。
どこまでいっても情熱的な晶子。
大胆な行動力と自らの心に正直な生き方で困難を乗り越え幸せをつかみ取ったのです。
今宵の「歴史秘話ヒストリア」。
最後は今からちょうど100年前遠く離れたヨーロッパの戦場にあって命懸けで奮闘した日本の女性たちがいた。
そんなお話でお別れです。
後に彼女たちの活躍の舞台は世界に広がります。
今から100年前に勃発した…大勢の死傷者が出る中…来週の「歴史秘話ヒストリア」はこの日本赤十字社の看護婦たちの知られざる苦難と活躍の物語をお伝えします。
今回の取材で発見されたフランスの記録。
そこには国籍を超えて看護にいそしむ彼女たちの姿がありました。
そして看護婦の一人がつけていた生々しい手記も明らかに。
そこから浮かび上がるのは彼女たちが戦場で直面した過酷な現実でした。
看護婦たちが見た人類史上初の世界大戦の真実とは?そして戦地で花開いた傷病兵たちとの心の交流とは?明治という新時代の息吹に花開いた女性たちは世界という大舞台でも輝くようになるのです。
2014/04/30(水) 22:00〜22:45
NHK総合1・神戸
歴史秘話ヒストリア「新しい世界へ羽ばたこう!〜明治 女性の新しい生き方」[解][字]
明治・日本。斬新なヘアスタイルで現れた日本初のグラビアアイドルから女性飛行士第一号まで、社会で活躍する女性が次々登場する。新しい生き方を選んだ女性たちの物語。
詳細情報
番組内容
明治の日本。斬新なヘアスタイルで現れた日本初のグラビアアイドルから女性飛行士第一号まで、社会で活躍する女性が次々登場。さらに、結婚か仕事か、女性たちは早くも悩みに直面。女性のための学校を作ろうと誓った津田梅子と大山捨松も夢の実現と結婚のはざまで揺れ動く。情熱の歌人・与謝野晶子は、「女性はおしとやかに」というそれまでの価値観を大胆に打ち破る。時代に先駆け、新しい生き方を選んだ女性たちの物語。
出演者
【キャスター】渡邊あゆみ
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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