皆さんこの花何だか分かりますか?ランの仲間…近年交配技術が進み多彩な花がより安く入手できるようになりました。
実は今ちまたでちょっとした盛り上がりを見せているんですよ。
そこで今日は…
(テーマ音楽)おはようございます!皆さんはエビネについてどんなイメージをお持ちですか?以前はちょっと高価で一部の愛好家の方が楽しむものという印象がありましたが今では花色や形もバラエティーに富んで手軽に楽しめるようになりました。
しかもランなのに温室じゃなくてもよく育つというんです。
今日はそんなエビネの魅力についてたっぷりとご紹介します。
教えて下さるのはこちらの方です。
愛媛県で山野草花木などを扱う園芸店を営む傍ら日本の植物の情報を海外に積極的に発信しています。
また和泉さんといえば世界最大の花の祭典オランダの「フェンロー国際園芸博覧会」でエビネが最高勲章を受章した事でも知られています。
フェンローでの受賞を機に世界から注目を浴び始めたエビネ。
和泉さんおすすめの品種をご紹介。
次にエビネが好む環境とは一体どんな所?そして来年の春もエビネを満喫するためのテクニックをお伝えします。
新コーナー「しゅみえんダイアリーは」…今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
和泉さんは2012年の「フェンロー国際園芸博覧会」ジエビネで最高勲章を獲得されたんですよね。
おめでとうございます。
ありがとうございます。
すごい事なんですよね?どういった博覧会なんですか?10年に1回行われてます「花のオリンピック」ともいわれる大会です。
10年に1回なんですか!そうですね。
中庭庭園の鉢物部門というところでジエビネが一席に輝きました。
えっちょっと待って下さい。
ジエビネランですよね?ランが中庭鉢物部門…屋外で?屋外で育つランとして1位になりました。
どういう事ですか?もともとエビネは日本に自生しているランでして寒さに強いのでアメリカやヨーロッパなどでも屋外で育てる事ができます。
ランというと屋内の暖かい場所で育つというイメージがありましたが。
そういったところも今回フロリアードで評価された点だと思います。
最初は和泉さんおすすめの品種をご紹介します。
こちらが原種という事ですね?はい。
そして僕の目の前にあるのが交配種。
まず原種から教えて頂けますか?こちらがフェンローで一席を獲得しましたジエビネになります。
こちらが世界1位のジエビネ。
落ち着いた褐色がかったいい色ですね。
初めて栽培される方には是非このジエビネから挑戦して頂きたい。
エビネ初心者にとってジエビネがおすすめ。
それはなぜですか?ジエビネは日本の北海道南部から沖縄まで幅広い地域に自生してますので初めての方がどの地域にお住まいであっても失敗が少なくて育てやすい。
北海道にも自生してるんですか?じゃあ寒さにも強いという事。
強いですね。
鮮やかな黄色い花が特徴の…関東から西の温暖地での栽培に向いています。
そして清楚で愛らしいキリシマエビネも暖かな地域で育ちます。
赤いリップが猿の顔に見えるところからその名が付いたという…関東から北の地域高冷地での栽培に向いています。
でもエビネやっぱり高いんじゃないですか?こちらの原種系になりますと大体500〜1,000円くらいでお買い求め頂けます。
え…500〜1000円ですか?ちょっと前だとほんとに高いイメージがあったんですけど。
それは原種ではなくて交配種になりますね。
そうなんですか!これ形も色もほんとにさまざまですね。
交配しますと千株のエビネがあれば同じ株は一株もないと思って頂いてもかまわないぐらい多種多様な交配種というのが生まれてきます。
例えば同じものを作ろうといってもその一株全く同じものはないという事ですか?逆にできません。
へえ〜!面白いですね。
どれもきれいですよ。
ちなみに三上さんこの中でお好みの花はどちらですか?一目見た時から決めてました。
こちらを!きれいです。
こうやって気に入ったらその場で買わないと…。
同じ花はないですね。
…って事なんですよね。
でも待って下さい。
交配種お高いんじゃないですか?大体安いもので1,500円くらいから買い求める事ができますね。
1,500円なら手に入れられますね。
はい。
じゃあほんとに僕らも手軽に楽しめるようになってきたと。
かつての高根の花だったんですが今は手が届くランになってます。
ありがたいですね。
続いては…一体どんな場所がよく育つのでしょう?さあ続いてはいよいよ鉢植え庭植えで育てるポイントですがどんな事に気を付けたらいいんでしょうか?普通草花といいますと日当たりを見ながらお日様の当たる場所に植えると思うんですが…。
こちらがおうちですね?はい。
エビネの場合は日陰になる北向きもしくは生け垣のそば。
ここなんてまさに日陰ですよ。
あるいは朝日が短時間当たるような建物の東側こういったところに植えてやるとよく育ちますね。
庭の中で園芸的にはデッドスペースになっていたような場所をもう一度楽しむ事ができる。
僕ちなみにベランダで育ててるんですけどベランダの時の注意点ってありますか?ベランダであっても日陰である事が大事ですのでよしずのようなもので陰を作ってやる。
すだれやよしずで日陰を作る。
更に熱が伝わるのを防ぐため人工芝を敷いたり打ち水などで適度な環境を整えるとよいでしょう。
続いては庭への植えつけ方を教えて頂きます。
改めて日当たりがポイントでしたよね。
どういった場所がよろしいですか?エビネの自生地というのは常緑樹の下の水はけの良い傾斜地などになります。
ですので一年中直接日光が当たらない場所を選んで植えて頂きたいと思います。
庭植えは半日陰となる常緑樹の下中でも傾斜地がおすすめです。
エビネというのは水もち水はけ両方を欲しがる欲張りなランなんですがその水もち水はけを両方とも担保してやるには傾斜地に水はけの良い用土で植えてやる。
水の流れを作ってやる。
そうですね。
もし庭に傾斜地がない場合は…水はけの良い土と庭の土を合わせてよく混ぜ込みます。
そして植え穴を掘ります。
エビネは根鉢をもみほぐしながら土を落とし深植えしないように植えます。
さあ植えつけました。
こちらで完了ですか?いやまだこれで終わりではないんです。
このあともう一手間かけてやる事でエビネがより元気に育ちます。
一手間何ですか?それはこのように腐葉土でマルチングを施してやる事です。
なぜマルチングが必要なんでしょうか?このままですと雨が降った時に葉っぱの裏に用土が跳ね返ってしまってそのためエビネの葉っぱが呼吸をしにくくなるという事もありますし…。
土が水やった時に跳ね返って付いちゃうんですね。
跳ね返った泥が原因で病気が発生してしまうという事もあります。
またマルチングで夏株元に直射日光が当たらないようにするだけでなく冬の寒さから根を守る事もできます。
エビネの根は縦より横に伸びやすいので2〜2.5倍の範囲をマルチングしましょう。
続いては来年も満喫したいその管理テクニック。
花が終わったら適切に管理し来年の開花に向けて株を充実させましょう。
さあこれからの時期花を楽しんだあと来年もきれいに咲かせるためにやっておくべき事があります。
ずばり何でしょうか?それは…花を摘むんではなく抜く?はい。
こちらご用意して頂きましたがこれまだ咲いてますよ。
ただエビネというのはこういう房状に花が咲いているんですが一番下の花が少し下向きにうつむくようになっています。
これ下向いてますね。
これが花が終わり始めたサインです。
あるいは一番上の花が完全に開ききったりした頃には花を抜いてあげてほしいと思います。
一つ一つ摘むわけじゃなくてこれごと?そうですね。
この花茎を根元から抜いてしまいます。
それで「抜く」という事なんですね。
花の抜き方にはポイントがあります。
株元を左手で挟んで押さえましてで花茎を指で持って…。
お〜!スッと抜けるんですね。
そう。
ポンッと抜けます。
ちょっと横に揺すりながら。
ちょっといいですか?株元を押さえて…。
花茎を手で持って少し揺らしながら…。
お〜!簡単に抜けます。
簡単ですね。
更に開花株は根が詰まっている事が多いので花後に植え替えましょう。
用意するのはこちら。
水はけ水もちの良い用土を用意します。
和泉さんのおすすめは…一般の市販の草花用培養土って駄目なんですか?市販の草花用培養土といいますとひとくくりにしてしまっているんですが全体的にエビネを育てるには少し細かくて水を持ちすぎるものが多いので水はけの事を考えるとちゃんとこういうふうに配合してあげた方がいいかと思います。
特に粒の大きなもので土の中に酸素を蓄える事ができるというのがエビネにとって大事な用土の特徴になります。
では実際に植え替えをお願いしたいんですが。
鉢から抜いてあげます。
はいお願いします。
ポットから株を丁寧に抜き取ります。
根鉢をもみほぐし土を全て取り除きます。
はい土が落ちました。
植えつける際の注意点ってあるんですか?エビネは毎年新しい芽を作ります。
これが今年花が咲いた芽なんですけれどもその後ろにあるのが去年花を咲かせた芽になります。
来年の花は今年の芽の先に来年の芽をつけてそこに花が咲くんです。
徐々にこっち側に前の方に来るんですね。
こう来るわけですか?そうです。
鉢の真ん中から咲いてくれるように少し後ろにずらして植えつけをします。
そうですね。
この今の位置を考えて真ん中に置いちゃったら端から出てきちゃうわけですね?端から花が咲いてしまいます。
これはほんと注意しないといけないですね。
そして土の量の目安は?この新しい芽の緑色になってる部分と白くなってる部分と…。
あ〜ここ白いんですがここから緑になってます。
ここが土の上になるように用土を入れて…。
ちょうどこのラインまで入れればいいですか?分かりやすいですね。
はい植え替えできました。
水は土の表面が乾いたら鉢底から流れるくらいたっぷりやります。
エビネは肥料を好みます。
油かす主体の固形肥料を花ごと秋にやります。
新芽が出てくるところを避けて鉢の縁に置きましょう。
さあ和泉さん今日はエビネについて教えて頂きましたがランなんですが屋外庭で育てる事もできてしかも暗くなりがちだった場所がパッとこれだけ明るく華やかにしてくれる花という事ですね。
そうですね。
エビネは日本が世界に誇る日陰で育つランなんですが近年の交配技術によってこのようにさまざまな花色花形のものが作り出されています。
これだけありますもんね。
ですのでこのたくさんの花の中から自分の好みの一鉢を探すという楽しみもありますし一方では今現在ご自宅の周りなどでなかなか草花を育てる事ができていない日陰この日陰をエビネを植える事で新たに園芸が楽しめる場所として再発掘する事ができるというメリットもあります。
それぞれ表情も違いますからね。
是非皆さん自分のお気に入りのエビネ見つけて育ててみてはいかがでしょうか?今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
今やりたい作業を紹介する「しゅみえんダイアリー」。
今日は…講師はこの人…このコチョウランきれいによく咲いてくれたけどそろそろ終わりだな。
冬の間リビングを彩ってくれた頂き物のコチョウラン。
花が落ち始めていますがこのままでもいいんでしょうかねえ?
このきれいに咲いてたお花ちょうど今頃手入れをすると来年また咲いてくれるんです。
今が一番の時期ですから植え替えをしていきましょう。
花が咲いていても…花茎は支柱とテープで留まってますから支柱ごとグッと抜いていきましょう。
株元を覆っている水ゴケも取り除きます。
ギフト用の株はこのように3つの株が一緒の化粧鉢に入って寄せ植えになってるんですね。
これをこのように一鉢ずつ抜いてこれを植え替える事になります。
ポットに入っていたら外して植え替えます。
新しい水ゴケを使って植え替えましょう。
まず全体を少し手でもんでそれから指を入れながら水ゴケを崩していきます。
この時少し根が折れても大丈夫ですから心配しないで思い切りよくやっていきましょう。
古い水ゴケが取れました。
随分長く根が伸びています。
根をよく見るとこのように枯れたようになったところがあります。
ぶかぶかしています。
これは死んでしまっている根っこです。
ですからこの枯れたところから先を切ってしまいます。
この時ほぐした根の下1/3程度を切り詰めて整理しておきます。
さあそれでは今日は素焼き鉢と水ゴケを使って植えてみます。
大事なのはねこの鉢の大きさ選びなんです。
大きい方がいいんじゃないですかねえ?
大きな鉢に植えたくなりますよね。
でも実はこういう小さい鉢に植えてあげるとよく育ってくれるんです。
ランは乾くと根が伸びます。
鉢は乾きの早い小さめがいいですよ。
湿らせた水ゴケを丸めボールを作ります。
これを根が広がるように株の中心に当ててあげます。
次に根の周りに水ゴケを巻きます。
鉢の直径よりやや大きくなるくらいが目安です。
ねじりながら鉢に収めはみ出た水ゴケは棒で中に押し込みます。
鉢底に指を入れてみましょう。
下までカチカチになっていると水が抜けなくて根が腐りやすくなります。
中に少し空間があって下の水ゴケが柔らかくなっているこの状態がベストです。
次はバークチップを使う手軽な植え替えです。
バークチップは非常に水はけが良いのでプラスチック鉢植えにとても向いています。
ちょうど根が隠れるくらいの高さまでしっかりバークチップに埋まるように植えてあげましょう。
隙間にもしっかりと詰めて下さい。
水をたっぷりやって植え替え完了。
コチョウランの植え替えは元気な葉が3〜4枚以上あるうちに行って下さい。
葉がなくなるとあとの生育に大きく影響してきます。
元気に育てて来年も咲かせて楽しみましょう。
「しゅみえんダイアリー」次回の放送は5月第3週です。
お楽しみに!「花信〜わたしのメモリアル〜」。
今日は花から勇気をもらい社会人への第一歩を踏み出した方からのお便りです。
「国家試験を控えた年の事私は試験への不安で体調を崩してしまいました。
そこで気分転換に植物を育ててみようと思っていた時ラナンキュラスに出会いました。
幾重にもなる花びらがかわいらしく『これだ!』と一目ぼれでした。
ラナンキュラスは春に咲く花……と思いを込めて育てました。
めげそうな時日に日に成長していくラナンキュラスを見ていると私も頑張らなければと思えました。
そして迎えた合格発表当日…同じ日偶然にもつぼみのままだったラナンキュラスにもかわいい黄色の花が咲きました。
もしかして一緒に咲くのを待っていてくれたのだろうかと思うと胸がいっぱいになりました」。
合格発表と同時に咲くなんてきっとラナンキュラスも応援してくれていたんですね。
今日ご紹介したエビネそして「しゅみえんダイアリー」は「趣味の園芸」テキスト4月号に掲載されています。
今後の放送内容についてはテキスト5月号に掲載されています。
併せて参考になさって下さい。
次回の「趣味の園芸」は…1週目は「育てて咲かせるカーネーション」です。
園芸研究家の矢澤秀成さんがカーネーションを長く楽しむコツについてお伝えします。
後半のミニコーナー「寄せ植えアプリ」はカリブラコアをポップに飾ります。
2014/05/01(木) 10:30〜10:55
NHKEテレ1大阪
趣味の園芸「魅力再発掘!華麗なるエビネの世界」[字]
お手軽品種が続々登場。ランの仲間でありながら暑さ寒さに強く屋外でも栽培可能などエビネの魅力を紹介。<コーナー>しゅみえんダイアリー・コチョウランの植え替え/花信
詳細情報
番組内容
世界最大の花の祭典フェンロー博覧会にて、ジエビネが最高勲章を受章。高価なイメージがあるが培養技術の発達でお手軽品種が続々登場。エビネの魅力はランの仲間でありながら猛暑厳冬に強く屋外でも育てられること。美しい花を楽しむための栽培条件。地植え、鉢植えで育てる注意点。開花後の植え替えや株分けなどを紹介。【司会】三上真史(D−BOYS)<ミニコーナー>しゅみえんダイアリー【コチョウランの植え替え】/花信
出演者
【講師】園芸研究家…和泉卓也,園芸研究家…江尻宗一,【司会】三上真史,【語り】笠原留美,園部啓一
ジャンル :
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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