サラメシ 2014.05.01

こんにちは中井貴一です。
いいね大盛りかた焼きそば。
闘うサラリーマンの昼メシって感じ。
あら?今からランチの方心変わりしちゃってません?頂きます。
ランチの主は営業職の…この日は営業先の中目黒で見つけた中国料理店で飛び込みランチ。
東京中あちこちの得意先を回っているのでお昼どきに出向いた町がランチスポット。
ちなみに前の日のランチは…浅草橋で角煮ラーメンのセット。
また別の日は成城学園前で鶏塩ラーメン。
麺類お好きなんですね阿部さん。
得意先への気遣いに営業のノルマ。
阿部さんが唯一ホッとできるのはランチで麺をすする時。
でも月に何度かホッとできないランチがあるんだとか。
ああ〜そんな日は天気も湿りがちですね。
はい!分かりました。
じゃあ今伺います。
この日は午後2時から得意先と商談。
…って事はその前が問題のランチ?怖そうだ〜。
これお得意様でしょうか?阿部さんの勤務先は東京・目黒に本社を置くこちらの会社。
商品に値札をつけるプリンターなどを製造販売しています。
例えばスーパーなんかで見かけるハンドタイプのラベラーや…バーコードつきの値札を印刷するプリンター。
ほかにも商品名や生産者情報を印刷できるタイプもあります。
今やラベルは効率的な商品管理になくてはならない存在。
営業の仕事は製品への要望を聞いたりより便利な使い方を提案する事。
一人で麺をすすっていたあの日は午前中に会議。
その後中目黒のお得意先へ。
…かと思えばおよそ1時間後には新宿の得意先へ。
そのまた1時間後には来客の応対。
実はここ半年今までよりかなり忙し〜い日々を送っているんです。
その訳は4月から消費税が8%に変わったから。
本体価格や税込み価格表示のしかたで値段の印象は大きく変わる。
だからどんな表示にすべきか得意先からの相談が次々と舞い込んでいるんです。
今回の相談はスーパーで使っているラベル。
本体価格だけだったものに税込み価格と商品の名前も表示し一目で分かるようにしたいというリクエスト。
でも困った事が…。
新たなプリンターに買い替える余裕はない。
さあ阿部さんどうしますか?提案したのは2枚分のラベルを使う方法。
これなら見やすく表示できる上ちょっとしたプログラムを書き換えるだけでOK。
いや〜阿部さんやるじゃないですか。
こうして聞き出した要望はすぐに社内のエンジニアに伝えて改善。
天性の営業気質かなと思ったら取材の合間にこんな本音もポロリ。
人見知りの営業マンか。
そりゃランチぐらい一人でねえ。
大好きな麺をかき込みたくもなりますよね。
しかしどうやって営業魂を磨いてるんですかねえ?…ってあれ?この眼鏡キュッてやった人。
これどっかで見ましたよね。
覚えてます?そう。
阿部さんのホッとできないランチの相手。
得意先じゃなくて同じ会社の人でした。
この方阿部さんの上司で事業部を束ねる…重要な商談がある時は部下の営業先に同行。
なるほどね部長とランチって訳か。
…でこの部長ランチいくつか決まりがあるそうで。
うわもうその時点でホッとできない感じ。
阿部さんちょちょちょ…いいとこにラーメン屋さんがあるラーメン。
麺麺麺麺麺麺麺麺麺。
あれ?あれ?スルーしちゃうの?やって来たのはこの日のために下調べしておいた定食屋さん。
このランチの時は部長の好みが最優先なんだそうです。
ちなみに部長はごはん派。
「好みが合わないなら別々に」なんて事はもう絶対に駄目。
ない。
さりげなくはいおしぼり。
いや〜気ぃ遣うなあこりゃあ。
(奥森)たま〜にいますけどね。
出た。
提案させておいて却下。
これぞ上司の必殺技。
さあ始まりますホッとできないサラメシの時間です。
奥森部長が選んだのはしょうが焼きとチキン南蛮のガッツリ系ランチ。
さすが部長。
出世する男は食も太い。
一方阿部さんはしょうが焼きランチ。
しかもごはんは五穀米?注文も遠慮気味。
こんな時2人で何話すんでしょうね?固定カメラでのぞかせて頂きました。
(店員)欲張りランチのお客様。
はい。
ほらちらっと軽〜いチェック入ったよ。
お〜よかったじゃないですか阿部さん。
これで会話にも花が咲くってもんですよね。
フフッ。
うん?何この沈黙。
「う〜ん」って上司に「う〜ん」かよ。
もっとこう話に乗っかるとかさそこのところをこう掘り下げるとかしなさいよ。
すごいね。
2か月でそんなに痩せるもの?「フフフ」ってドヤ顔してる場合じゃないでしょう。
部長に気ぃ遣わせて。
でも会社の社長の知り合いがいるんだけど…。
でもあれですね。
意外とたあいない会話ですよねこれ。
ホッとできないランチっていうからお説教が延々と続くのかななんて心配してましたけど。
えっ?飲み物もらいます?すいません!15分で完食。
ランチ中に仕事の駄目出しをしないのは部長の決まり。
でもこんなところを見ているんだとか。
そういえばおしぼりや飲み物の注文率先してやってましたよね。
厳しいんですよ。
さすがにオチまで考えて話す事ってなかなかできないですよね。
人見知りな阿部さんをさりげなく磨く。
ホッとできないでも大切な時間。
最後の決まりはお支払い。
必ず部長が千円札を1枚。
500円のランチだろうが必ず1,000円。
残りは部下のランチ代の足しになります。
阿部さんこの日ホッとできないランチで得したのは20円でした。
誰にでも昼は来る。
弁当箱の中のロマンを求め西へ東へ今回は北へ。
来たねえ!しばれる。
お弁当ハンターこと…やって来たのは早春を迎えた…今町ではこんな季節の風物詩が見られます。
干してあるのは真鱈の干物棒鱈。
今回はこの棒鱈を作る水産加工場へ。
おはようございます!カメラマンの阿部と申します。
秋元です。
秋元さんですか。
迎えてくれたのは仕入れなどを担当する…真鱈を棒のように干すから…高いものでは1つ1万円するものも。
江戸時代には保存食だった棒鱈。
現在は主に東北から北陸京都の料亭などでも食べられています。
創業60年。
こちらで働くのは10代から70代まで総勢30人。
今日は北の大地で棒鱈を作る皆さんのお弁当をのぞき見です。
使われるのは北海道近海で取れた真鱈。
多い時で一日1,500匹以上さばく事もあるそうです。
最年長の阿部さんはこの道43年のベテラン。
裁割という独特のさばき方は熟練者にしかできない職人技。
残ったのは骨と頭だけ。
お見事です。
こちらもベテラン熊谷さんがさばいた鱈のおなかにはなんとホッケが。
時にはバクダンと呼ばれる10kg以上の鱈も。
それを上手にさばけた時が一番うれしいんだとか。
さばいた鱈はすぐに水洗い。
一匹一匹丁寧に余分な皮も剥いでいきます。
唯一つながっている顎の部分が裂けないようひもを通すのも全て手作業。
手間もひまもかかります。
こうして鱈は1週間室内で水分を落とします。
その後カチカチの棒鱈にするため屋外へ。
スタッフ一丸となって行うのが棒鱈の納屋掛けです。
鱈をひたすら上げるのは稚内出身の工藤さん。
地元で働きたいと入社しこの春で丸一年。
鱈を干すのは2階の屋根ほどの高さ。
うまみがギュ〜ッと詰まった棒鱈に仕上げるため風上に肉厚のカマの部分が来るように。
そして一匹一匹に風が吹きつけるように。
しかし真冬の寒さが引いたこの時期の乾いた強い風が棒鱈作りには欠かせません。
風自体がおいしい。
吹きさらしの納屋でじっくり3か月。
恵みの風に干され身がの重さになった頃おいしい棒鱈となるのです。
さあお待ちかねお弁当の時間です。
ランチは2か所の休憩室で。
失礼します!お疲れさまです!はいどうぞ。
こちらは主に男性陣。
いつも先輩と一緒に食べるのは納屋にいた若手工藤さん。
すごいじゃないですかこれ。
学生時代は給食だったという工藤さん。
お弁当は毎日母の手作り。
自分で買ったんですか?しかしごはんの量じゃあこちらも負けていません。
力仕事が多い高橋さん真ん中にはど〜んと大粒のホタテが。
(ノック)・どうぞ。
いいですか?まだまだ〜。
おいしい匂いに釣られて…。
こちらはベテラン女性陣。
最年長阿部さんのお弁当。
数の子は割と定番だとか。
ほかにも北海道の味覚が。
カジカのとも和え。
カジカっていう魚の。
何だか今日は「お弁当を食べに行く」になってますね。
山口さんと熊谷さんは38年共に働く姉妹。
この日は偶然エビフライがおそろい。
それぞれで作ったそうですが…。
何だか似ています。
洗い場担当の安藤さんは春らしく染まった赤飯に甘納豆。
から揚げにはゆでたブロッコリーの芯を添えました。
おいしいものは分け合いたい。
だってその方がもっとおいしいから。
今日出会ったのはこんなお弁当たち。
春風吹く北の町にはおいしい笑顔の花が咲いていました。
あの人も昼を食べた。
歌舞伎座で公演がある時はほぼ毎日。
地方公演に旅立つ前も必ず顔を出したという。
1か月25回は彼の来店記録。
混み合うランチどきは「相席でも構わないよ」と空いている席に腰を下ろした。
十八代目中村勘三郎。
国内のみならず世界の歌舞伎ファンを魅了した男をとりこにしたのは…。
こんなカレーでした。
好んで注文したのは特製スパイスをブレンドしたチキンマサラ。
クミンシードとともにタマネギニンニクショウガなどを香り高く炒める。
連日の公演。
消耗した体には辛いものが一番と皿ごとテークアウト。
楽屋でも好物をかき込んだ。
勘三郎の楽屋から漂う香りに誘われたのか皆がまたテークアウト。
仕上げにはコリアンダー。
そしてマサラ。
4種類のスパイスを加えたらメインの鶏のもも肉をじっくりと味がなじむまで。
初めて口にしたのは幼稚園の頃。
それから半世紀以上。
歌舞伎同様ランチもいちずだった。
病に伏せる前彼はカレーの本場インドへ旅に出る事を決めていた。
旅の手配を請け負ったのは友人でもある店主のナイルさん。
かなわなかったインド旅行。
そんな彼をしのび店では月命日には必ず彼の好物をテーブルに供える。
向こうでも大汗かきながら喜んでいるだろうか。
これが十八代目中村勘三郎が愛した昼ごはん。
ごちそうさまでした。
今日もお相手は中井貴一でした。
2014/05/01(木) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
サラメシ[字][再]

▽営業職の男性が上司と食べるドキドキランチ。上司の心をつかむには?▽北海道稚内で棒だらを作る人々の海の幸たっぷり弁当▽18世中村勘三郎さんが愛した絶品カレー。

詳細情報
番組内容
▽営業職の男性が上司と食べるドキドキランチ。上司の心をつかむノウハウは仕事にも生かせるのだとか。ランチの様子をのぞき見! ▽早春の北海道・稚内ではこの季節、棒だらを干す風景が見られる。作業に忙しいみなさんの弁当は、北海道ならではの海の幸たっぷり弁当。 ▽18世中村勘三郎さんが愛した銀座の絶品カレー。
出演者
【語り】中井貴一

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
バラエティ – 料理バラエティ
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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