連続テレビ小説 花子とアン(28)「波乱の大文学会」 2014.05.01

(はな)このままだとジュリエットの役降ろされますよ。
舞台に立てなくなってもいいんですか?
(蓮子)いいえ。
じゃあこれ読んで下さい。
徹夜で書き上げた脚本です。
私なりに脚色も加えました。
これを読んでやるかどうか決めて下さい。
(醍醐)はなさん。
あっ醍醐さんおはよう。
はなさんはどっちを選ぶの?は…?徹夜で書き上げた原稿をあの方に読ませるなんて…。
私より葉山様の事が好きなの?どっちかなんてそんなの選べる訳ないじゃないですか。
「ロミオとジュリエット」を成功させるために2人とも大切な人です。
そういう事じゃなくて!えっ?もういい!私ははなさんにジュリエットをやってほしいの。
それは無理!だって私緊張すると声裏返っちゃうし。
じゃあ誰がジュリエットをやるの?葉山様はちっとも稽古にいらっしゃらないし。
(白鳥)分かりました。
私が一肌脱ぎましょう。
(はな醍醐)白鳥様…。
そんなに困っているならジュリエット役はこの白鳥がお引き受けしてもよくってよ。
ますます暗雲が立ちこめる「ロミオとジュリエット」。
無事に公演までこぎ着ける事ができるのでしょうか?・「これからはじまる」・「あなたの物語」・「ずっと長く道は続くよ」・「虹色の雨降り注げば」・「空は高鳴る」・「眩しい笑顔の奥に」・「悲しい音がする」・「寄りそって今があって」・「こんなにも愛おしい」・「手を繋げば温かいこと」・「嫌いになれば一人になってくこと」・「ひとつひとつがあなたになる」・「道は続くよ」「おおロミオ様!どうしてあなたはロミオなんでしょう?ロミオ・モンタギュー!あなたの家と私の家は…」。
あの衣装どうしたのかしら?やる気満々ですよ。
どうするのよ?どうするって…。
お願い!畠山さん断ってきて。
(畠山)えっ…。
「ロミオ様。
どうしたら私たちは運命に打ち勝ち永遠の愛を手にする事ができるのでしょう?」。
醍醐さんあなたロミオでしょう?何見てるんですか?早くお稽古始めましょう!すいません…。
では第三幕四場キャピュレット家のバルコニーと庭園。
「おお愛するジュリエット…」。
もっと気持ち入れて!
(ドアが開く音)何しに来たんですか?あなたはもうとっくに降りたはずでしょう。
私降りません。
絶対に。
蓮子さん…。
お稽古も今日からちゃんと参りますのでよろしくお願い致します。
またそんな無責任な事おっしゃってこれ以上私たちを振り回さないで下さい!脚本最後まで読みました。
率直に感動致しました。
シェークスピアがこんなに面白かったなんて知らなかった。
あなたやっぱり翻訳力だけは大したものだわ。
蓮子さん…。
(茂木)やっと本気になってくれましたね。
(ふじ)吉太郎!吉太郎!ところでふじはこんなに慌ててどうしたのでしょう?
(リン)ふじちゃん…。
吉太郎!
(吉太郎)おかあ。
どうしただ?おまん軍隊に入りたがってるって本当け。
(周造)てっ!今地主さんとこで聞いてきただよ。
事もあろうに宴会に乗り込んで連隊長に直訴しただとう?
(もも)てっ!兄やん兵隊さんになるだけ。
ももやめろし!キチどういうこんだ。
おじぃやんとおかあには折を見てちゃんと言おうと思ってただよ。
おら兵隊になる。
ええ加減な気持ちじゃねえ。
いつか軍隊に入って立派にお国の役に立ってみんなに楽さしてやりてえだ。
ほれと同じこんうちの人も言ってただ…。
そう言っておらが止めるのも聞かんで行っちまって…戻ってこなんだ。
あんな思えすんのはおら一人でたくさんだ…。
(泣き声)
(周造)リンの亭主が戦死した時にゃあ朝市はまだ乳飲み子だったからな。
朝市から聞いただ。
日清戦争で戦死しただって。
ほんでもおらお国のために死ねるじゃ本望だ!このままここでくすぶってちゃ死んでると同じこんだ!「ロミオ・モンタギュー。
あなたの家と私の家は互いに憎しみ合う宿命。
その忌まわしいモンタギューの名前をあなたが捨てて下さるなら私も今すぐキャピュレットの名を捨てますわ」。
「名前が何だというのであろう。
ロミオの名前を捨てたところで私は私だ!」。
「ええ。
バラはたとえほかのどんな名前でも香りは同じ。
名前が何だというのでしょう」。
そうかな…。
どうしたの?はなさん。
ここどうしても気になるんです。
「バラはたとえほかのどんな名前でも香りは同じ」とシェークスピアは言ってますがもしバラがアザミとかキャベツなんて名前だったらあんなすてきに感じられるかしら?私のおとうが吉平ではなくゴンベエっていう名前だったらおかあは好きになってるかしら…。
つまりはなさんは何が言いたいの?やっぱり名前は大切ですよね。
あの…ここのセリフ変えたいんですけど…。
はなさん。
悪いけどそんな時間はないわ。
このままいきましょう。
分かりました。
では今のところからもう一度。
「名前が何だというのであろう。
ロミオの名前を捨てたところで私は私だ!」。
「ロミオ様それはどうでしょうか。
もしバラがアザミやキャベツという名前だったら同じように香らないのではありませんか?やはり名前は大事なものです」。
勝手にセリフ変えないで下さい!そのセリフの方がずっといいわ!前より意味が深まって聞こえます。
そうね。
じゃあそれでいきましょう。
さっきはすてきな即興のセリフありがとうございました。
シェークスピアのセリフにけちをつけるなんてはなさんも相当ひねくれてるわね。
そうですね…。
はなさんのお父様とお母様は好き合って結ばれたの?ええまあ。
行商で甲府に来た父がブドウ畑で倒れて母に助けられたんです。
父は母に旅先での話をいろいろしてくれて母はもっと話が聞きたいと思って結婚したんです。
そう…。
はなは思いました。
もしかすると蓮子様は望まない相手と結婚させられたのかもしれない。
まるでジュリエットのように。
もし私がジュリエットのように親が決めた望まない相手との結婚を迫られたら…。
はなは子どもの頃のように想像の翼を広げました。
(吉平)はな。
はなはあの男と一緒になるだ。
はな。
涙をのんで辛抱してくりょう。
これでみんな腹いっぺえ食えるだよ。
こりゃあおまんの運命じゃん。
あっ婿殿がおいでになっただ。
婿殿!
(武)はな。
おらの嫁になってくりょう。
武…。
はなたれ!おらの嫁にしてやるじゃん!嫌〜!
(綾小路)大きな声を出して…。
脚本の事で根を詰め過ぎたのね。
少し頭を休めた方がいいわ。
「お兄上様。
来る5月16日午後2時より修和女学校講堂にて大文学会開催の運びと相成り候。
兄上様には必ず必ずおいで下さるべく候。
おいで候わば理由お分かりと存じ候。
かしこ。
蓮子」。
いやはやまあまるで果たし状のような招待状ですこと。
ごきげんよう。
さようなら。
2014/05/01(木) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 花子とアン(28)「波乱の大文学会」[解][字][デ][再]

はな(吉高由里子)が書きあがった脚本を真っ先に蓮子(仲間由紀恵)に渡したのを見て、醍醐(高梨臨)は嫉妬を抑えられない。一方、白鳥(近藤春菜)が代役を買って出る…

詳細情報
番組内容
はな(吉高由里子)が書きあがったばかりの脚本を真っ先に蓮子(仲間由紀恵)に渡したのを見て、醍醐(高梨臨)はしっとを抑えられない。一方、白鳥(近藤春菜)がジュリエットの代役を買って出る。その怪演ぶりに皆が内心困り果てていると、蓮子(仲間由紀恵)が現れ、脚本にいたく感動した、今日からまじめにけいこする、と宣言。喜びで演出にも力が入るはな。その頃甲府ではふじ(室井滋)が血相を変えて吉太郎(賀来賢人)に…
出演者
【出演】吉高由里子,仲間由紀恵,伊原剛志,室井滋,石橋蓮司,賀来賢人,松本明子,浅田美代子,高梨臨,近藤春菜,トーディ・クラーク,【語り】美輪明宏
原作・脚本
【原案】村岡恵理,【脚本】中園ミホ
音楽
【音楽】梶浦由記

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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