皆様こんばんは。
川中美幸です。
今日私がご紹介したいシンガーソングライターがいます。
同じ番組で共演をさせて頂いてます近藤夏子ちゃんです。
彼女の飾らないストレートな歌詞とそして耳障りのいい彼女のメロディーが最大の魅力です。
私も大ファンです!皆さんこんばんは!近藤夏子です!川中美幸さんがお薦めする…大阪の路上ライブで人気に火が付きました。
切ない恋心を歌い今若い女性を中心に支持を集めています。
歌に加えもう一つの魅力が…あ〜やばい〜!ちょっと上の世代からも愛されています。
そんな近藤さんを語る上で欠かせないのが依頼に応じてオリジナルソングを作るという独特の創作活動。
・「笑ってこぉ笑ってこぉ」それはかけがえのない応援歌となって聴く人の心に響きます。
この春近藤さんに高校生から新たな依頼が届きました。
人を笑顔にする歌が誕生するまでの記録です。
(取材者)久しぶりですか?地元島根の高校を卒業後10年前に歌手を目指して大阪に出てきた近藤さん。
デビュー前の下積み時代を過ごした場所がここ京橋です。
この角ら辺っていうか…ここからあそこの人たちに向けて…。
ここからあそこに向けて歌うんですよ。
遠いけど。
(取材者)見てくれるんですか?全然止まってくれなかったですよ。
だからやっぱり。
一人も止まってくれなくてずっと一人で歌ってワンコーラスでやめて帰っちゃったりとかもしたし。
音楽の専門学校に通いながら授業やアルバイトの合間を縫って路上ライブを続けました。
たくさんどなられましたしね。
やっぱり。
しかしくじけませんでした。
立ってピアノを演奏してみたりいろんなリクエストに応じたり注目を集めるためには何でもしました。
阪神戦とか野球の…とかあるとユニフォーム着てる人とか結構うろちょろされてるので「じゃあ今日は『六甲おろし』だ」と思って「六甲おろし」を歌ったらそういう人たちが集まってきてくれて…。
試合が勝った日だとテンション高く「いいね〜!」だったんですけど負けた日だと「やめとけうるさい!」とか言われてでもそれに負けずに「一緒に『六甲おろし』歌ってまた応援しましょうよ〜!」とかって会話しながら街の人と会話しながら徐々にそうやって人を集める事を覚えていきましたね。
そして4年前地道な努力が実を結びデビュー。
立って打楽器のようにピアノを弾きながら前のめりで歌うスタイルで注目を集めました。
そんな近藤さんデビュー3年目に歌手として成長していく上で大切な出会いをします。
それはNHKのバラエティー番組「あほやねん!すきやねん!」の「SongforYou」の企画。
どうも!初めまして〜!初めまして。
視聴者から寄せられた依頼に応えて歌を作る。
これまで自分の体験を歌にしてきた近藤さんにとってそれは初めての挑戦でした。
それでも自分を頼ってくれた人の思いに応えたいと近藤さんは歌を作り続けました。
ただ自分の思ってる事を歌に乗せて言うんじゃなくて…この春近藤さんのもとに高校生から新たな依頼が寄せられました。
「認知症の祖父の介護で苦労する母親を励ます歌を作ってほしい」というものです。
「だからなっちゃんの歌で元気づけてあげたい」。
私が経験した事ないお話なのでどういう曲を作ったらいいのか。
お母さんの気持ちを楽にできるかどうかは分からないにしても私が行く側としてはもうちょっとでもいいから笑顔が見たいっていう…。
近藤さんは高校生の暮らす京都府の南山城村を訪ねました。
超のどか。
こんにちは〜。
こんにちは。
こんにちは初めまして。
近藤夏子と申します。
こんにちは。
お母さんですか?美月ちゃんの。
はい美月の母です。
初めまして!よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
美月!美月ちゃん!初めまして!よろしくお願いします。
今回歌の依頼をしてきた木村美月さん。
高校2年生です。
去年祖母が亡くなり今は認知症の祖父両親そして姉の5人で暮らしています。
美月ちゃんのお部屋?今から行くの。
何で夏子の曲でって思ったの?私がなっちゃんの事大好きでいつもなっちゃんの曲で元気もらってるから私と同じようにお母さんもなっちゃんの曲で元気になってもらえたらいいなあと思って。
10年前から認知症を患い記憶障害や判断能力の低下などの症状が出ています。
(宣)ちょっと!待ち!待ち!武夫さんは認知症になる前酒屋を営むかたわら村の議員を17年も務めていました。
今その酒屋は美月さんの母恵美子さんが一人で切り盛りしています。
武夫さんの面倒を見るのも主に恵美子さんです。
武夫さんは一人で徘徊する事も多いため目が離せません。
ふだん穏やかなのに突然手に負えなくなる事もあるといいます。
お母さんどういう気持ちなんやろってすごい思う。
やっぱりしんどそう?しんどそうですね。
顔とかがもうすごいんですよ。
今にも泣きそうな顔してるんですよ。
そっちのあれなんや!うわ!それはまた…やっぱちゃうかった。
やっぱ分かってないわ夏子。
まだ全然。
そっちや!その夏子は疲れたとかもうこんな生活から抜け出したいとか何で私がこんな目に遭わなあかんのとかその何て言うのマイナスの方向での落ち込みだったりとかなのかなと思ったけど…。
お母さんに一番言ってあげたい言葉って何かある?「みんな」っていうのは?家族。
近藤さんは自分を責めてばかりのお母さんを美月さんたちが懸命に支えようとしている事を知ります。
お母さんの負担を減らすため美月さんたちが武夫さんと一緒に過ごす時間をなるべく作っていたのです。
・「忘れがたき故郷」しかしお母さんは娘たちの気遣いさえつらく感じていたと言います。
自分の中で…皆さんやってらっしゃるのに。
でもしかたがないよって周りの方も言って下さるし…そんなお母さんをなんとかしたいと美月さんたちは手紙を書いた事もありました。
「私がいる時はぐちでも何でも聞くから。
おじいちゃんのフォローもできるだけします」。
うん…。
だからすごい何だろう…。
何だろう…。
何て言っていいか分かんないけど…。
思うなすごく。
みんなの思いをどう歌にすれば心に届くのか。
答えはまだ見つかりません。
どうですか?今ご覧になって。
やっぱりなっちゃんがお手紙を読まれたあとに泣きながらおっしゃってた「誰も悪くないんだよね」って。
「お父さんが悪い訳でもお嬢さんが悪い訳でも誰も悪くないんだよね」。
その言葉が一番印象に残りましたよね。
お母さんの苦しさみたいなつらさみたいなものが何かすごく分かるんですよね。
でも全部自分が頑張らないと。
やらなきゃいけないって思うんだけどやっぱり限りがあるんですよ人間の力ってね。
どんなに頑張り屋でも。
その状況に対してこれからなっちゃんが歌を作らないといけない。
これはすごい事だと思いますよね。
ふだんのなっちゃんの歌っていつも元気じゃないですか。
同世代の人たちを元気づけ励ます太陽みたいな子でしょ。
だけどこれはねすごい難しいと思いますよね。
どんなふうになっちゃんがこれから作っていくのかちょっと私も楽しみなんですけどね。
美月さんの家を訪ねた3日後近藤さんは沖縄にいました。
・「kissmekissme今すぐ私の目を覚ましてよ」3月に新曲を発表し休む間もなく全国を飛び回っていたのです。
その合間を縫って歌作りと向き合います。
歌詞になりそうな言葉はすぐにスマートフォンにメモします。
しかし思うように進みません。
介護に苦しむお母さんへの言葉をまだ見つけられずにいたのです。
思った事とかそこで聞いた事とか自分が感じた事はメモには残してあるけどそれが正直全くまとまってなくて。
もしかしたら…沖縄から東京に戻った近藤さんは自宅で本格的に歌作りを始めました。
作曲する時必ず買いそろえるものがあります。
チョコレートと豆乳は絶対買うんですよね。
(取材者)何でですか?作曲中にもう脳みそ使うからかすごいカロリー使ってるかなんかで甘いもんめっちゃ欲しくなるっていうのとそれ食べないと次が進まないみたいな。
近藤さんはいつもサビから曲作りを始めます。
最も言いたい事を込められるのがサビだからです。
しかし美月さんのお母さんがどんな言葉をかけられても自分を責めてしまうため肝心のサビの歌詞を書けずにいました。
悩んだ末導き出した歌詞は…。
励ましの言葉ではなく美月さんがお母さんを理解しているという事実をサビで歌う事にしたのです。
う〜ん何があるかな…。
このサビをベースに歌全体の歌詞とメロディーを更に探り続けます。
近藤さんはある母親のもとを訪ねました。
大事な報告があるというのです。
アハハッ!アハハハハハッ!都子ちゃん久しぶり!来たよ!かつて番組の企画で歌を届けた27歳の新米ママ渡邉都子さんです。
都子さんには脳性まひと診断された惣右介くんという子供がいます。
当時1歳8か月でした。
恥ずかし!初めまして。
「初めまして」って。
いや〜や恥ずかし!あそこ映っとるよ。
生まれつき手足が自由に動かせません。
何かすごくそうさんに対して…自分を責め続ける都子さんのために作ったのがこちらの曲。
この時近藤さんは都子さんが伝えたい事をそのまま歌詞にしました。
それで都子さんは自分を責める気持ちが和らいだと言います。
久しぶりに会った惣右介くん。
一人で動き回れるほど成長していました。
開けてる〜!そうさん上手に開けて!ほんで…すっごい笑てんで!すっごい笑てんで!足よいしょ!バイバ〜イ!そうさんバイバ〜イ!めっちゃ笑てんねんけど。
「お兄ちゃんになったね顔つきが」とは思ってたけどこんなにもいろんな行動ができるようになってるって…。
うれしいわ〜。
ここで近藤さんを喜ばせる報告がありました。
実はこの子夏にお兄ちゃんになる。
えっ!?ホンマに!?そう実は。
えっうそやん!うそ!ホンマに!?ホンマに!?夏?もうやん!そう。
ホンマに!?おめでと〜!ありがとう。
マジか!いつ言おうかなと思って。
うわっ!えっうれしい!そうなの。
マジで!?
(拍手)なっ!そうさん。
そうさんお兄ちゃんだって!どうしよう泣きそう…。
ありがとう。
都子さんは第2子を授かる事が不安だった時も近藤さんの歌に励まされたと言います。
やっぱりきっかけもあって私がちょっと前向きにもなれたかなと思って。
きょうだいもできたらいいなとも思えて。
ほんでやっぱり今度赤ちゃん生まれるって思った時はすごいうれしかったし…。
この子も刺激もらえるけど生まれてくる兄弟も刺激もらえるしお互いにいいかなと思うし。
やっぱ曲書くっていう事に対してすごい何だろう…。
やりがいっていうよりかは生きがいっていう感覚で曲書けるなって思える瞬間ですよね。
生きがいやわ!めっちゃかっこええ事言うてもうたけど。
でも生きがいやわ!今思ったわ!何かその曲書くのやりがいじゃないわもう。
生きがいになってるんかもしれへんわ夏子。
こういう瞬間があってやけどやっぱり。
京都でスタジオに籠もった近藤さん。
歌の力を信じて改めて曲作りと向き合います。
・「頑張ってなんて言えないよ」・「ずっと頑張っているんだもん」・「何て言ってあげたら」・「何をしてあげたらいいんだろう」お母さんが自分を責めてしまうとしても美月さんの娘としての思いは歌詞にしたい。
近藤さんは考えていました。
本人の伝えたい言葉が何よりも力があると分かっているからです。
美月さんの思いを歌詞にしようとします。
そして最後に言葉を加えました。
・「どんなときでもいるよ」・「家族だもん」これどう!?「家族だもん」って言い切るのどう?伝えないと分かんないんですけどそう思いながら書きました。
・「何て言ってあげたら」・「何をしてあげたらいいんだろう」・「ラララララララララララ…」何か前向きな言葉ないかな。
美月さんの思いをお母さんの心に届けるため納得のいくまで試行錯誤を続けます。
近藤さんは再び美月さんの家を訪ねました。
歌が完成したのです。
お姉ちゃん!お久しぶりです。
お邪魔します。
お父さん?美月ちゃん。
そうです。
お父様初めまして。
近藤夏子と申します。
お父さんを含めた家族全員で歌を待っていました。
今日歌作ってきたんですよ。
(武夫)そうか。
かっこええ。
かっこいい?かっこええさ。
ありがとうございます。
歌聴いてくれます?歌っていいですか?いいです。
じゃあ歌おうかな。
せっかくやし。
(武夫)OK!OK!よっしゃやった〜!よっしゃやった〜!音楽大学に通う美月さんのお姉さんにピアノを借りて生で歌を届けます。
お〜こんな感じで歌おうか。
すごい緊張するんだけど。
何かいつもと感じが違う。
タイトルは「家族だもん」っていう曲です。
じゃあ聴いて下さい。
ありがとうございました。
(拍手)うわ〜ありがとうございました。
おじいちゃんどうでしたか?OK!OK!うれしい!ありがとうおじいちゃん。
(武夫)ありがとうありがとう。
いいえもうホントに…。
ごめん夏子が泣きそうになる。
ありがとうございました。
もうホントに。
(拍手)何か一つ一つの歌詞が今までの自分と重なってその時の場面とか何となく思い出してそしたらもう涙が止まらなくなってきて…。
私が思ってた事がなっちゃんの歌詞でホンマになっちゃんに作ってもらえてよかったな…。
こちらこそありがとう。
作らしてくれて。
日頃家にいないので今恐らくこういう状況やったんだなと歌詞からそれを思い描くとホントに家内には大変苦労をかけてるなと思うと…。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
おじいちゃんも泣いてるの?みんなありがとう。
ホントに届けられてよかったです。
私も。
ホントに悩みながら作ったけど悩んだ分ホントに何だろう…。
ホントに1つの家族の1ページにお邪魔するっていうのですごいプレッシャーもあったんですけどホントにみんなにそう言って頂けてよかったです。
ホントに今回も作らせて頂いてありがとうございました。
(拍手)おじいちゃんありがとう!何かおじいちゃんを介して家族の絆がより深まって家族っていいもんだなって改めて思いますよね。
なっちゃんの歌って改めて思ったんだけど押しつけがましくないんですよね。
何かすっとこう…何気なく言ってもらう言葉が人って胸に伝わってくるものだと思うんですよね。
歌の力ってよく言うけどホントに改めて歌のすばらしさでメロディーを通じて相手に気持ちを伝えていくっていう意味ではすごい力があるんだなって改めて感じるところですよね。
言葉にできない思いもメロディーに乗せる事で相手の心に伝わる。
それが歌の力。
それが近藤さんが歌い続ける原動力です。
2014/05/01(木) 15:15〜16:00
NHK総合1・神戸
ろーかる直送便 ドラマチック関西「届け!みんなへの応援歌〜近藤夏子〜」[字]
シンガーソングライター・近藤夏子が家族をテーマに新たな歌を生み出すまでのドキュメンタリー。家族とのふれあい、歌作りの葛藤、感動の歌が生まれるまでの軌跡に密着。
詳細情報
番組内容
大阪で人気に火がつき、今注目のシンガーソングライター・近藤夏子。彼女が女子高生の依頼に応え歌を作る物語。認知症の祖父の介護に苦労する母を笑顔にしたい…その願いにどう応えるのか?少女の家族と触れあい、母の思いに寄り添い、歌作りに取り組む近藤夏子。試行錯誤の末に紡ぎ出されたその歌とは?心温まる家族愛と歌の持つ力に触れられるドキュメンタリー。スタジオでVTRを見た歌手・川中美幸が語る感想にも注目!
出演者
【出演】近藤夏子,川中美幸,田代杏子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
音楽 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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