皆さんゴールデンウィーク何してますか?とある週末におじゃましたこちらのお宅。
集まっていたのはご近所の仲よし主婦たち
すごい。
すご〜い。
取り出したのは百貨店で買ってきた
色とりどりのサラダに生春巻き
コラーゲンとらなきゃ。
こちらはコラーゲン入りの肉団子。
月に2回はこんなランチ会を開いているとか
(一同)いただきます。
おいしい。
実はここに並んでいる総菜は全部
いったい何ていうお店?
こちらになります。
皆さんお気に入りの店の名は…
柿安ダイニングってどんな店なのか?デパ地下に見に行ってみると…。
おぉすごい行列
店頭には山盛りのお総菜がずらり
なかでも一番人気がこれ
どれもおいしそう
全国のデパ地下から出店要請が殺到。
ここ西武では総菜部門で
女性を中心に圧倒的な人気を集めている
客を引き付ける魅惑の総菜。
その裏にはよそにはマネできないおいしさの秘密が隠されていた
柿安は
その理由がこの店頭の厨房。
今では結構見かけるがデパ地下に火を使った本格的な厨房を初めて導入したのが実は柿安。
国産の黒毛和牛を一枚一枚ていねいに鍋で煮て牛めしの出来上がり。
1つ1201円といいお値段だが…。
大ヒット商品なのだ。
でも柿安のすごさは売り場の更に下にあった
多くの店は外で作ったものをデパ地下に持ってきて売っているが柿安ではすべてこの厨房で作っている。
実は専用厨房を持つことが出店の絶対条件になっている。
しかもここで調理しているのは…
厨房スタッフのおよそ半分がレストランなどで経験を積んだ名うての料理人たち。
プロだからこだわりも半端じゃない。
今いちばん人気エビマヨのエビを揚げている。
すると…。
ん?ハサミ!?
よく見てみるとちょっとだけ突き出た衣をカットしていた
そしてこちらの女性は…
閉じているエビのしっぽを一つひとつ手で開いていた。
こうすると…。
う〜ん確かにおいしそう
お客様いちばん人気の大海老マヨが出来たて到着しました。
ぜひご覧くださいませ。
出来上がったら即店頭に。
専用厨房でプロの
よそでは真似できない味がお客をひきつけていた。
しかし百貨店はなぜ柿安にだけ専用の厨房を用意したのか?
まだまだある…
柿安の総菜の魅力は味だけじゃない。
それはこの彩りと盛りつけの美しさ
どうやって盛りつけているのか見せてもらった
最初のポイントはすべての食材を土台の時点から均等に盛っていくこと
そして最大のポイントがここ。
エビを縦に盛っている
縦にさすことで崩れにくくなるうえ商品に迫力が出てくる。
この盛りつけ方を柿安では攻めると呼ぶそうだ
お客にビシビシ突き刺さる…
途中で崩れちゃうんじゃないかって?心配ご無用。
ちょっとやそっとじゃ崩れない。
しかも土台から食材が満遍なく盛りつけてあるので取り分けもスムーズ。
だからお客の側から見るといつも山盛り。
どの総菜も立たせて魅せる。
この攻め盛りを始めてから実際に売り上げもアップしたという
デパ地下に専用の厨房を持つ柿安ダイニングならではのメリット。
それは客の流れに応じて総菜のラインナップを変えること。
そのカギを握るのが
いわばこの店の司令塔だ。
柿安ではショーケースに並べる総菜の配置にもこだわる
例えば年配客が多い午前中は…
するとねらいどおり年配客が引き寄せられてきた
お昼のピークが過ぎて客足が落ち着いてきた1時過ぎ。
ここでいかに売るかが店長の腕の見せどころ。
と花輪がどこかへ走り出した
おつかれさまです。
から揚げを増量して試食をしてもらう作戦
さぁただいまからご試食販売ですよ。
実はあまり込んでいないほうがお客は試食しやすい。
しだいにお客が集まってきて…
から揚げがどんどん売れていく
それが呼び水となって他の総菜もついで買い。
見事花輪の作戦勝ち
夕方のピークを控えた午後3時。
今度は花輪総菜の配置を変え始めた
午前中サッパリ系サラダがあった場所にローストビーフやゴーヤチャンプルを並べる
いよいよ夕方のピーク。
仕事帰りのお客が次々にガッツリ系の総菜を買っていく。
まさにねらいどおり
そしてその横では名物のでっかいメンチカツもバンバン売れ始めた
大人気ですからねお客さま!
行列までできてきた!
これを見た花輪が更に動く。
専用厨房に電話
翌日の材料を使って140個追加。
店長に裁量があるから売り上げチャンスも逃さない
さぁ揚げたてのメンチカツが到着いたしました!いらっしゃいませいかがでしょうか。
売れ行きは更にヒートアップ
お待たせしました。
おいしくお召し上がりくださいませ。
すみませんありがとうございます。
なんと30分後には140個のメンチカツが売り切れに
おいしさと臨機応変。
専用厨房のメリットを活かしてこの日もほぼ完売
この柿安ダイニングを運営するのが
本社は三重県の桑名市にある。
実は柿安昨日今日できた総菜店じゃない。
今年で創業143年を迎える老舗中の老舗
本社の1階には広い肉の売り場が。
柿安はこの精肉店をメインとして発展してきた
今ではすき焼きしゃぶしゃぶの料亭や…。
ビュッフェスタイルのレストラン。
更には和菓子の専門店も全国展開している
長い歴史を経て内食中食外食のすべてを手がける食の総合企業だ
匠厨房と書かれたここは
料理の命は旬。
短い旬の味を総菜に取り入れるため柿安では
この日はゴールデンウィークに向けた新商品の検討会。
とそこに…
おはようございます。
この男こそ人気総菜店を作り上げた立て役者
老舗の6代目。
赤塚は食に関して独自の感覚を持っている。
気になったのはこのグリーンサラダ。
おいしそうに見えるが…
赤塚の言うとおり外してみると…。
料理の景色が一気に変わった
商品として店頭に出すかどうかすべて赤塚が決めている
今夜は挑戦することで伝統を守る。
老舗のサバイバル術を見よ!
こちらに商品を持ってきていただきました。
小池さん柿安のファンらしいですね。
はいよく買いにいかせていただきます。
こちらから…。
こちらが普通盛りでいわゆるこちらが攻めの盛りってことですね。
はいおっしゃるとおりです。
こうやって見比べてみると全然違いますね。
目で受ける印象というものが。
これ見ていただくとこっちの商品はボリュームがないですよね。
こっちは高く盛り付けてありますからやはり見た目にもボリューム迫力がありますから。
まず驚きますよねこのスナップエンドウ見たら。
せっかくなのでシェフに盛っていただいたのでいただきたいと思います。
召し上がってくださいませ。
栄子ちゃんあのへんのでっかいスナップエンドウとってくれる?おっきなのがいいですか?俺スナップエンドウがすごい好きなんだ。
スナップエンドウに目がないんですよ。
うん!シャキシャキですねおいしい。
海老マヨはずっと不動の人気商品ですよね。
うん!幸せじゃないですか。
なに?いや全部食いそう…。
いっぱいマヨネーズつけてますけど唇に。
全部食べそうでまずいな…。
柿安さんの特徴というとやはり店頭での調理ですけれどもいつぐらいから始められたことなんでしょう?その当時というのは他にはそういうことをしてる人はいなかった…。
そうですよね受け入れる側も。
でもよく百貨店オーケーしましたね。
ありがたい話です。
もちろん厨房があるってことは家賃なりなんなりコストもかかるわけですけど…。
そうですねもちろんです。
それに見合った価値があるわけですね?店頭にいらっしゃる店長さんがたくさんお客さんの頃合いも見計らいながら仕切ってらっしゃいますよね。
店長さんの手腕相当大きいと思うんですけども失敗なんかすることだってあるわけですよね?
長い歴史の中で新たな業態を開発してきた柿安。
老舗らしからぬその姿に村上龍は驚きを感じていた
このあとは常に変わり続けてきた柿安の歴史に迫る
143年の老舗を襲った創業以来最大の危機
いったい何があったのか?
柿安のお膝元
ここに柿安のルーツといえる1軒の料亭がある。
すき焼きやしゃぶしゃぶの名店として地元で古くから親しまれている店だ。
この店から柿安の歴史は始まった。
柿安の創業者は江戸末期柿の行商をしていた
おいしい柿を扱うことから…
それが柿安の由来。
だから今もマークは柿を上から見た図柄になっている
幕末江戸に牛鍋なるものがあると聞いた安次郎はわざわざ江戸まで食べに行ってこれは流行ると確信。
明治4年桑名で初の当時の料理店ではあまりやっていなかった客の目の前で調理するという手法で繁盛する。
2代目はおいしい肉を自分で作ろうと牛の飼育に乗り出す。
その後の跡取りたちも時代とともに業態を広げていった。
なかでも柿安の事業を一気に拡大させたのが現社長の父である
保は桑名だけだった店を名古屋や東京などに出店。
柿安を全国区に押し上げた。
しかしそんな柿安に最大の危機が訪れる。
それが2001年に発生したBSE。
いわゆる狂牛病問題だ。
汚染地域の牛が大量に殺処分され日本中で
日本各地で焼肉店や精肉店が倒産やリストラに追い込まれ牛丼店のメニューから一斉に牛丼が消えた
牛肉をメインで扱っていた柿安も売り上げが激減。
創業以来初めてとなる
当時常務として対策の陣頭指揮をとっていたのが現社長の赤塚
リストラの噂まで流れ社内に動揺が走った。
そのとき柿安が出した答えは…
柿安は飲食店の大部分を閉鎖するという決断を下し代わりに当時数店舗しかなかったデパ地下の総菜店を集中出店。
料理人に仕事を与えるため年間20店舗もオープンしたのだ。
するとプロが作る総菜が人気を呼んで店は大繁盛。
翌年には見事V字回復。
その後も利益は右肩上がりを遂げていく。
父とともに最大の危機を乗り切った赤塚。
そんな赤塚が2006年社長を引き継いだとき父から言われたひと言があるという
その経営理念こそ…
この理念を守りながら赤塚は変わり続けることにも力を注いでいる。
この日向かったのは和菓子の店。
今後の高齢化に向けて今特に力を入れている業態だ。
もともと出していた店の横にこの春だんごの専門店をオープンさせた
確かに商品を見るとだんごだけ。
だがそこに赤塚は新しさも加えている。
例えば
練乳入りの白あんといちごのペーストをのせている。
こちらはその名も桶だんご。
串に刺さっているものだけがだんごじゃない。
お好きなだけどうぞというコンセプトだ。
総菜店と同じように量り売り。
伝統を守りながら新しさも打ち出す。
これが柿安代々の流儀だ
それで…約140年の伝統で培った本物の味と時代に合った業態を開発する力…それが必要だというのは本当になんか経営の教科書に出てきそうな言葉なんですけど。
老舗であるほどすごく難しいと思うんですよ。
はい。
安次郎さんは江戸で食べたんでしょ?牛鍋を。
安次郎さんそのとき江戸に何しに行ったんですかね?江戸に…本人から聞いたわけじゃないですからわからないですけども…。
ただ三重県から江戸って当時新幹線とかないですもんね。
歩いて行ったんですか?はい。
牛鍋食べに?信じられる?信じられないです。
5代目のお父さまの保さんの時代が第二の創業だというふうに言われているんですよね。
ただ…どうなんでしょう?お総菜っていうのに関してプロのシェフとか料理人の人は抵抗とかなかったんでしょうか?さっき先代から引き継ぎのときに言われた言葉っていうのが理念だけは変えてはいけないとあとはお前が好きなように変えろ変えていいんだって言われると一般的にはすごくいいお父さんで何を変えてもいいんだよっていう優しさにも聞こえますが実はすごく厳しい言葉だなと思ったんですけど。
このあとは肉の柿安ならではの…
こちらは4、000円の松坂牛。
隣も見事なサシなのにえっ半額?どうなってるの!?
おいしいものをお値打ち価格で提供する柿安。
その象徴が精肉売り場にある。
三重県発祥だからウリはもちろん松阪牛。
だがそれに匹敵する人気の牛肉があるという。
その名も…
柿安牛は松坂牛と同じ三重で育てている
肉質は松坂牛と比べてもひけを取らないという。
見事なサシでしょう
同じサーロインで比べてみると値段は松坂牛のおよそ半分。
超お値打ち商品だ。
安さを実現する秘密がある。
ここは柿安牛を育てる協力牧場
柿安牛は肉質がやわらかい
生産者と二人三脚で質のよい牛を育てている
そのカギとなるのが独自にブレンドしたエサ。
配合は秘密だがカキ殻の粉やもち粉なども入っている
柿安ではここの牛を
だから仕入れも安く済む。
それがお値打ち価格につながるのだ
一方こちらは
お値打ち価格実現のため赤塚自ら生産者に会いに出向く
柿安本店の赤塚でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
迎えてくれたのはこちらのハウスのほうになります。
いい香りだすごい。
そこはイチゴ畑。
もちろん人気ブランドの
栃木さんは農薬を抑えた安全安心でおいしいイチゴを育てている
評判を聞きつけた赤塚。
これをイチゴ大福に使いたいと交渉にやってきたのだ
おいしいね。
ありがとうございます。
赤塚には生産者を口説く独特の技がある。
取り出したのは自分の店の大福
そこにイチゴを挟む。
どんな商品になるかを生産者に食べてもらって納得してもらうのが赤塚流だ
初めて食べる自分のイチゴのイチゴ大福
真っ白ですね。
口説きのテクニックがもう1つ。
それは大小関係なく全量買いすること。
生産者はおおいに助かる。
赤塚がその足で向かったのが宇都宮の百貨店に入っているおはようございます。
まっすぐ専用厨房へ
イチゴ持ってきたからイチゴで…。
取り出したのはさっきの農場のとちおとめ
すごいいい香り。
赤塚は大福には使えない小さいイチゴで総菜を作るように指示した
いちばん小さいサイズはミキサーに入れそこにオリーブオイルを加える
出来たのは
これをかければイチゴと生ハムのサラダの出来上がり
さまざまな業態を持つことでお値打ち価格を実現。
これが柿安の強さだ
経営理念はおいしいものをお値打ちで提供する。
ということですけどこのお値打ち価格っていうのは誰がどういうふうに決めていくんですか?常にお客さんです。
ですから単に原価とか経費を計算して値段をつけるとかじゃないってことですね?ないですね。
僕いつも思うんですけど何て言うのかな…。
例えば昔は自動車会社っていうのは自動車を愛する人が作ってたんですよね。
でそのときにやはり経営者が自分が作っているもの自分が売っているものに愛情を感じているかどうかっていうのがすごく大事なところだと思うんですよ。
そのとおりですね。
あんこを300日食うんですか。
はい大好きです。
で牛肉は350日食べるんでしょ?
このあとは村上龍が見抜いた柿安強さの本質に迫る
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2014/05/01(木) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【“挑戦してこそ伝統は守られる”143年続く食の老舗企業】[字]
“デパ地下”の人気惣菜店「柿安ダイニング」を展開する柿安本店。「内食」「中食」「外食」の3分野を網羅し成長し続ける、創業143年の老舗企業の信念とは?
詳細情報
番組内容
“デパ地下”の人気総菜店「柿安ダイニング」。展開するのは、三重県に本社を置く「柿安本店」。総菜店のほか、精肉店、食品販売、レストラン、和菓子店など、幅広い業態をもつ食の総合企業だ。その歴史は古く、今年で創業143年を迎える。「内食」「中食」「外食」を網羅することで成長してきた老舗企業が守り続けてきたのは、“常に変わり続ける”という信念だ。その根源的な戦略の秘密を探る。
出演者
【ゲスト】柿安本店社長・赤塚保正
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
お知らせ
※放送時間が変更になる場合があります
関連情報
【ホームページ】
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【公式Facebook】
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