「トクボウ警察庁特殊防犯課」第五話★ブラック企業の洗脳セミナー 2014.05.01

(富永翔太)生きている意味が…ない。

(警官)遺書がありました。
(武士沢)自殺か…よいしょ。
まだ若いのになあ。
(辻)富永!
(武士沢)お前知ってんのか?辻!?…辻?辻!はい。
しゃんとしろ!刑事なんだから。
すいません。
富永翔太…自分の中学の時の友人なんです。
(武士沢)そうなのか…。
あの遺書には何て?「希望を失いもう生きてる意味がありません」とだけある。
中学の時はすごく明るくて前向きなヤツでした。
今朝従業員が出勤して遺体を見つけて皆で降ろしたそうです。
朝倉さん?
(朝倉)辻君遅いですね。
今同僚の皆さんに事情を聞いてたところです。
何でここにいるんです?君は相変わらず制服警官に職業を聞くようなことするねえ。
矯正執行の裏取りをしてるんですよね?この工場に何があるんです?何の問題があるんですか?ずいぶんとやる気満々ですね。
(武士沢)運んで。
亡くなった富永翔太は自分の中学時代の友達なんです。
母1人子1人の富永がお母さんを残して死ぬなんて信じられない。
もしかしたら朝倉さんが調べていることが富永の自殺と何か関係あるかもしれないでしょ?さあどうでしょう。
ただ…。
ただ?富永さんは最近この工場を辞めていたそうですよ。
え?お話聞かせて頂けますか?富永はどうして辞めたんですか?
(従業員)富永君はひと月程前に機械の操作で大きなミスをしてしまったんです。
ああ!!ギャーッ!!富永君どうしたの?あ〜っ!!救急車!!
(従業員)そのせいで機械も故障してしばらくラインを動かすことはできなかったんです。
(従業員)あれで納期がかなり遅れたんだよ。
それが理由でクビになった?いえ。
富永君は自分から辞めたと聞きました。
自分から?自主退職です。
事故を起こす前に何かこう不満を言っていたりとか辛そうにしてたとかはありませんか?
(従業員)そんな様子はなかったと思いますよ。
ねえ?悩んでたとか。
そりゃしんどい仕事だけど俺達は仕事に誇り持ってるから。
私たちが作ってる部品は世界中の困ってる人たちを助ける役に立ってるんです。
それはすごいですね。
(従業員)そもそも社長がすごい人なんだよ。
(従業員)私九条社長に救われたんです!ここで働くまでは自分に自信がなくて。
あの人は正社員だろうが派遣だろうが従業員に対しては平等だしな。
ここはいい会社ですよ。
富永君もそう言ってました。
じゃあどうして富永は自分から辞めたんですか?
(従業員)さあ。
責任を感じたんですかね。
ありがとうございました。
富永…何で?
(富永幸枝)翔太!…翔太!!うう〜っ…。
おばさん本当に残念です。
まさかこんな再会になるなんて。
辻君…。
中学時代のことがまるで昨日のことのようなのに…。
よく翔太の部屋でバカ話して…あいつは何か悩んでたんですか?事故を起こしたとはいえ会社を辞めたりして。
え?辞めてなんかいないわよ。
え?早く治して工場に復帰しなきゃ皆待ってるしホントですか?ええ。
あの子九条エレクトロニクスで働き始めてから毎日遅くまで頑張ってたのよ。
休日でも仕事だって楽しそうに出かけてたわ。
九条って社長さんのことを尊敬してたみたい。
事故のことは何か言ってませんでした?居眠りした自分のせいだって。
だからそれを挽回するためにももっと頑張らなきゃって言ってたのに…なのにどうして…。
おかしいと思いませんか?従業員は自主退職したと言ってるのにお母さんは辞めてないって言うんですよ。
お母さんに嘘をついてたのかもしれませんよ。
じゃあ仮に辞めていたとしたら何故富永はわざわざ工場で死んだんですか?もう関係ない場所でしょ。
自宅や他の場所じゃなくて工場を死に場所に選んだのには絶対に意味があるはずです!朝倉さん九条エレクトロニクスには何かあるんでしょ?別に何も。
え?九条エレクトロニクスを矯正執行するつもりなんですよね。
いえしませんよ。
嘘!どうしてですか?僕は確信しました。
九条エレクトロニクスはいい会社です。
従業員だって言ってたでしょ。
社長だって皆から尊敬されてる。
そんないい会社ならどうして富永は死ぬほど追い詰められたんですか!?富永を死に追いやった理由が九条エレクトロニクスにあるはずです。
それは単に富永君が弱かっただけではないでしょうか?
(茶をすする音)もういいです。
あなたを見損ないました!失礼します。
はぁ…死にたい。
暗躍する社会の害虫に対し更生を促す行為…
そしてその判断から実行までの全てを一任されている部署それが…
通称トクボウである
中途採用とかやってないか…くっそ〜!
(高清水)はあ?何だお前転職する気か?違いますよ。
じゃあ朝倉警視が転職とか?すりゃいいんだよ。
なに怒ってんだ。
俺も定年退職したら人材派遣会社に登録でもするかな。
警備の仕事とかな。
人材派遣!?お偉いさんはいいよなあ。
定年後の行き先があって。
登録が完了したらすぐに派遣で働けるんですか?
(女子社員)そうです。
お名前は?あの…つつ津田です。
(女子社員)確か九条エレクトロニクスをご希望でしたね?はい。
明日から研修入れますか?あ明日から?そんなにすぐ大丈夫なんですか?九条エレクトロニクスは今ぐんと業績を伸ばしてまして派遣社員を大量に募集しているんですよ。
そうなんですか。
(柏木)もう少しですはい。
そこは上手くやります。

(伊達)わっ!!あ…朝倉君何してんだよ。
その言葉そっくりそのまま伊達君に返すよ。
いやあの…これねあの叶さんに渡したいものがあってね。
伊達の牛たん?うん僕の大好物。
あっ!え?もしかして叶さん牛たん嫌いなの?やっぱり他のものにすればよかったかな。
プレゼントに牛たん?うん。
たまたま美味しそうな牛たんを見つけてね。
叶さんにどうかなと思って。
ひょっとして君叶さんに…。
ノー!ノーノー…。
何言ってんだよそんな訳ないだろ。
じゃあこれ叶さんに…よろしく!サンキュー!
(美由紀)牛たん…嫌がらせ?どうでしょう?まだ根に持ってるのかしら?ハーバードにいた時会ったばっかりだっていうのに「メリーミー?」なんて言うから断ってやったの。
当然でしょ?えっ伊達くん叶さんに結婚申し込んだんですか?なんで日本人同士なのに英語なのよ?周りからはからかわれるし思い出したくない思い出ワーストワン!へえ…そうだったんだ。
へえそうだったんだ…。
うるさい!九条エレクトロニクスの件は?現在までの報告書と資料はあちらに。
報告書ねぇ。
遅い!のろま。
いやいろいろとやってる最中でして。
コーヒーのことよ。
いつまで待たせんの?あっすいません。
ほんと察しが悪いんだから。
コーヒーぐだぐだ。
アオスブレイン?叶それがパンドラの箱だと気づいてないのか?これより九条エレクトロニクス新人研修を始めます。
それでは九条社長よろしくお願い致します。
僕が証拠みつけてやる…。
(九条)新人の皆さんこんにちは。
私が社長の九条茂信です。
突然ですがあなた達は生きていて楽しいですか?明日が待ち遠しいですか?そこのあなた。
お名前は?津田です。
(九条)津田くん君には頼れる仲間がいますか?はあ…。
(九条)その友達は本当に信頼できますか?《え?なんで朝倉さんなんか思い出すんだ。
だいたい仲間じゃないし!》それじゃあ津田くんあなたの希望は何ですか?えっと…。
《希望は立派な刑事になることだけど…》あなたは社会へ貢献をしていますか?え〜っと…。
《刑事は社会貢献してるよなぁ。
でも刑事だとは絶対言えないし》すぐに答えられないのはないのと同じですね。
それでは津田くん君は何のために生きているのかな?えっと…それはあの…。
いいです。
皆さんも津田くんと同じだと思います。
自分は存在意義のないちっぽけな存在だと思っている。
皆さん生きる意味を見失っている。
だがそれは違うんです!あなた達は世界にとってなくてはならない存在なんです。
あなた達には価値がある!だが皆さんそれに気がついていない。
私は…私はそれが本当に悔しいです!うっ…。
皆さん気がついて欲しい!我が社の従業員はみんな仲間だ!給料だって労働条件だって区別はしません。
派遣だからといって遠慮はしないでください。
信頼できる仲間未来への希望意義ある社会貢献がここにある。
さあ皆さん一緒に生きる意味と価値を手に入れましょう!ようこそ九条エレクトロニクスへ!
(拍手)青須社長いつもいい人材を送り込んで頂いてありがとうございます。
あっははは。
いやぁ扱いやすい連中で助かってますよ。
(青須)工場で自殺騒ぎがあったそうじゃないか。
ああ例の怪我をした男ですよ。
君が労災を申請させなかったあいつか。
(九条)またまた人聞きの悪い。
さあ。
どなたのためにやったとお思いですか?労災を申請するのは悪い事だと思い込ませたんだろ?そのうまい口で。
お褒めいただいて光栄です。
九条くん君もワルだな。
(笑い)いやそもそも派遣社員の労災が派遣先のうちではなく派遣会社の青須さんの方の責任だなんておかしな話ですよねえ。
労災の申請が多いと労災保険の保険料が高くなる。
そんな無駄な金はごめんだからな。
わかっておりますよ。
うちだって怪我をした派遣なんて使いたくもないのにあの男が急に現れましてね。
ほお…。
そんな!ここで働くのが生きがいなんです!そうしてあげたいのはやまやまなんですけどね
(九条)よく考えてみてください。
君が事故を起こしたせいで我が社は数千万円の損害を被りました。
仲間の汗と努力の結晶が一瞬にして無になってしまったんです。
みんなの手前処分しないわけにはいかないでしょ退職も事故ももとをただせばすべて君が原因ではありませんかまったくあてつけがましく工場で自殺するとはねえ。
死んで欲しかったんだろ?あははは…ま少しは期待して追い込んでみたんですけどね。
またうちにいて労災だの保障だの言い出すと面倒ですから。
従業員はどんどん取っ換えて安く使い捨てにする。
そのための派遣でございましょ?はっははは。
おかげでうちは儲けさせていただいております。
いやいやそうでもしないと利益なんか出ませんよ。
生き残るためのリスクヘッジですよ。
はっははは。
世の中そんなもんでしょ。
まったくいつもながら君の手腕には脱帽だよ。
それもこれも青須社長のご指南の賜物でございますよ。
さすがカリスマ社長。
世界には貧困や戦火によって苦しい生活を余儀なくしている人たちがこんなにもたくさんいるんです。
それは私たちが贅沢な暮らしをしたいという欲求が生み出す弊害なんです!いったいいつまで続くんだ…。
(九条)あなたたちがひとつ贅沢をすればそれが巡り巡って世界のどこかで悲しい思いをする人たちを生み出すんですよ!あなたはあなたはあなたは他者を不幸にする引き金を引くダメな人間なんです!君なに携帯を見てるんだ。
君は世界で困っている人たちを助けたくないのか?あいえ…すいません。
(チャイム)終業時間だ。
やっと終わった。
まだだよ。
今日のノルマが終わってないだろ。
残業ですか?いや残業じゃない。
だからタイムカードは押してね。
えでもそれって…。
仕方ないよ。
終わらなかったのは僕らの責任だし。
世界中の困ってる人たちが僕らの部品を待ってるんだ。
あそれから明日の日曜はセミナーだからね。
新人は絶対参加だから。
休みの日にセミナーですか?大丈夫有給休暇を使うから給料は出るよ。
ああそれならよかった…。
んっ?有休で休みにセミナー?さあ津田くん40個目です。
何を失敗しましたか?えっと…。
中学の時に飼ってた文鳥が猫にやられて死んじゃいました。
おかしいな。
それは猫のせいじゃない。
君が注意さえしていれば文鳥は死なずに済んだんですよ。
はあ…今まで聞かせてもらった40の失敗すべて君自身が原因じゃありませんか。
それを全部人のせいにして。
君は最低です!皆さんそう思いませんか?最低です!
(従業員達)最低です!ごめんなさい。
君はクズです。
虫けらです!
(盗聴器:辻の声)そうなんですね。
僕って…。
(盗聴器:九条の声)それは昨日までの君です。
自分がいかにダメな人間か気づいた君はえらい!私は君を誇りに思う!君は今日から生まれ変わった!ほら仲間もこんなにたくさんいます!頑張ろう!津田くん頑張って!
(従業員達)頑張ろう!頑張って!ありがとう。
うん!さあみんな一緒に。
会社には君が必要だ!世界には君が必要だ!
(従業員達)私は必要とされている!君は価値ある存在だ!
(従業員達)私は価値ある存在だ!
(盗聴器:九条の声)生きる意味がここにはある!
(盗聴器:従業員達の声)ここにある。
はぁ…死にたい。
労働基準監督署の朝倉と申します。
あ…どうも。
九条でございます。
まどうぞ。
どうぞ。
朝倉草平さんですか。
実は先日お宅の工場で自殺された富永翔太さんの件なんですが…。
あ〜…。
お宅が彼が事故を起こした時の労災隠しをやっているという匿名の通報がありましてね。
ハハ…馬鹿馬鹿しい。
隠すも何も彼は派遣社員でしたから。
派遣社員の労災はうちで申請することは出来ません。
派遣会社のすべき事です。
アオスブレインですよね?報告はされたんですか?もちろんいたしました。
ただ富永さんは労災の申請をしなかったと聞いていますが。
お宅に過失はなかったと?もちろん!何なりとお調べ下さい。
そうだ…工場をご覧になりませんか?そうすればうちがどんなに素晴らしい労働環境かお分かり頂けると思います。
(九条)皆さん元気でやってますか?
(従業員達)はい!
(九条)仕事は楽しいですか?
(従業員達)はい!
(九条)こちら労働基準監督署の朝倉さんです。
皆さん何か問題はありますか?問題なんて何もないですよ。
仕事はすごく楽しいです!我が社の仕事は決して楽ではありません。
でもそれでも頑張れるのは社員一同この仕事に意義を見出しているんです。
生きがいなんです。
素晴らしい。
素晴らし過ぎて…気持ち悪い。
(九条)は?あどうも。
これで失礼致します。
二度と作るつもりなかったのに。
なんで作ってるんだろ…。
朝倉さん何しに来てたんです?矯正執行するつもりはないって言ってたくせに。
楽しそうに働いてましたね。
楽しく働くことの何が悪いんです?必要とされるって気持ちいいんです。
だからみんな自分から残業するし休日のセミナーだってとってもためになるんですよ。
どこが?自分はどれだけちっぽけでダメな人間か気づかされました。
あの会社で本当の生きる意味を見つけた気がするんです。
まあ警察官は意義のある仕事だけどあの工場での仕事もそれと同じぐらい…いや仲間との一体感はそれ以上かもしれない!君は本当にそう思ってるの?やりがいのある仕事なんです。
世界の困ってる人の役に立つ仕事なんですよ!役に立たないなぁ…。
役に立ってますよ。
富永君の無念を晴らすんじゃなかったんですか。
でも…朝倉さんの言うとおり九条エレクトロニクスは悪くなかったんですよ。
富永のことだって自分がちゃんと連絡取ってやればよかったんだ。
相談に乗ってやってやれば自殺を防げたかもしれない。
友達なのに疎遠になって…気づいてやれなかった自分が悪いんです。
全部自分のせいなんですよ!なんて愚かなんだ僕は…。
はぁ…これじゃ実態が表に出てこないわけだ。
今の君は無駄に前向きないつもの100倍ウザい人間になってしまった。
哀れだ…。
え?ギャアーーー!今社長は来客中ですのでそのまましばらくお待ち下さい。
(盗聴器:九条の声)何ですか?こんな所へ呼び出して。
(盗聴器:朝倉の声)今日は従業員の皆さんはいらっしゃらない…。
何だこれ…。
待って下さい。
(盗聴器:九条の声)そりゃあ休日ですからね。
九条社長…生きる意味って何でしょう?何ですか…また唐突に。
僕はそんなこと全然分からずに生きてきました。
ああ…そりゃまあ誰にも分からないんじゃないですか。
そうですか。
社長セミナーで皆さんに仰ってましたよね。
「生きる意味がここにはある」って。
何を仰ってるんですか?辻君から聞きました。
九条社長は素晴らしいって。
辻?あここでは津田君でした。
ご存知でしょう?新しい派遣社員の津田君。
実は彼本名は辻といって豊島署の刑事なんです。
刑事?え…。
刑事?本当です。
(盗聴器:朝倉の声)彼亡くなった富永翔太さんの友人なんですよ。
皆さん富永は自主退職したんじゃありません。
これから本当のことが分かります。
辻君死んだ友達のために潜入して探ろうとしてたはずなのにすっかり洗脳されちゃって。
辻君の目を覚まさせるのに苦労しましたよ。
ちょっと楽しかったんですけどね。
洗脳って何のことですか?申し遅れましたがわたくし警察庁生活安全局特殊防犯課指導係警視朝倉草平です。
これ名刺です。
あなたも刑事?富永さんが自分から退職したなんてウソですね。
え〜っ?「希望を失いもう生きてる意味がありません」。
富永さんの遺書です。
富永さんの生きてる意味それはここで働くことだった。
だがそれを奪われて彼は死を選んだ。
つまりあなたがクビにしたんでしょう?違いますよ!あなたは富永さんに生きる意味を与えながらそれを奪ったんです。
フッ…真面目でもね使えない奴がいるとみんなの足を引っ張って会社が損をするんだ。
そんな奴に給料を払えないでしょ。
利益を追求するのが企業ってもんなんですよ。
その事は富永にも話して納得して辞めてもらった。
これは違法じゃないだろ?それより潜入捜査だのおとり捜査だのっていうのは違法だろ?フッ…逮捕なんか出来ないぞ。
あっ…何するんだ?アイタッ。
おいはな…。
何する…おいやめろ!
(盗聴器:九条の声)イテーッ!逮捕はしない。
特殊防犯課トクボウの仕事は起訴じゃない。
防犯のための矯正執行だ。
(九条)ほどけおい!ぐぅ〜…。
どうするつもりなんだ?い…何をするいてえなもうやめてくれ!
(盗聴器:九条の声)動けないじゃないか!朝倉草平矯正執行入ります。
労働基準法を知ってるか?えっ…。
会社が労働者を守る義務があるって法律だよ。
あし…知ってる。
ウソつけ!だったらどうして賃金も払わずにサービス残業させてる?はぁ…。
どうして本来取るべきはずの休日に有休でセミナーをやってる?うぅ…知らない。
あれは従業員達が自主的にやってる事なんだ。
自主的?お前が洗脳してさせてるんだろ?ああ…。
お前が洗脳して休日に働かせた。
だから疲れ果てて富永さんは事故を起こしたんだ。
うぅ…。
今日やってるセミナーそのものが洗脳なんだろ!洗脳って何だよ…。
(盗聴器:朝倉の声)お前に洗脳された富永さんから。
ここの仕事を奪ったらどうなるかお前は分かっててクビにしたんだろ?違う!違う…。
お前のせいで富永さんはここで命を絶った。
(九条)私は悪くない!うぅ…。
どうだお前も富永さんと同じ思いを味わってみるか?えっ?アァッやめてくれ!やめてください!命の価値をお前にも教えてやるよ。
ウゥ…わかったわかりました正直に言います。
おっしゃる通り私が派遣従業員を洗脳してサービス残業をさせました!
(従業員達)えっ!そんな〜!これが事実なんです!これがこれが九条社長の真の姿なんです!本当にすいませんでした!でもアオスブレインの言う通りに私はやっただけなんです。
富永君が労災を申請しないように洗脳したのもアオスブレインの労災隠しのためなんです!自分のせいじゃないってか?はい私は言われた通りにやっただけです。
従業員を洗脳する方法もアオスブレインが青須が教えてくれたことなんです。
お前がしっかりしてればやらないことだろ。
自分自身が原因だろ。
全部人のせいにしやがってお前は最低なクソ野郎だ!ははい…。
このクズ!虫けら!この害虫め!はい!私は害虫です!アァ…。
まだ判んねぇ野郎だな。
僕が欲しいのは業務改善の兆候だ。
つまりあんたの反省の声なんだよ!アァ…やめます。
もう洗脳はやめます。
残業代も払います。
当たり前だろ!まだ判らないようだなぁ。
アァー!守ります!従業員を守ります。
命も守りますぅ!本当だな?はいアオスブレインとも手を切ります。
もう関わりは持ちません!決別します〜!よかったな。
はい。
お前の生きる目標が出来て。
アァイヤー痛い痛い…。
やめて…。
いやだね。
これはお前の大好きなサービス残業だ!アッアアー!ハァ…。
アオスブレインって…まずい!
(ドアの開く音)柏木警視長ノックもなしとは今日はまたずいぶん乱暴なご登場ですね。
いい気なもんだ。
叶君松山警視監がお呼びだ。
監察のですか?監察に呼ばれることがどういうことかわかってるだろうね。
残念だよ。
私はこうなることを恐れて君に忠告してたんだ。
九条エレクトロニクスの裏にいるアオスブレインですか。
アオスブレインは元警視総監・鶴井浩二の経営するツルイ警備と繋がっている…。
それがどういうことか君もよくわかってるはずだ。
やっぱりレイディーには牛たんよりもコラーゲンだよなぁ。
あっ叶さん!えっ?あっ!ごめんなさい。
いえいえ。
(柏木)おい何やってんだ?時間稼いでお願い。
(柏木)何をしてるんだ。
(伊達)あっ柏木警視長あの何かあったんですか?
(柏木)君には関係ないことだ。
(伊達)いえそれがあるんですよ。
朝倉君九条エレクトロニクスへの矯正執行はまずいわ。
これお持ちください。
なんだこれは?これはね非常に美味しい豚足なんですよほら〜お肌プッルプルになりますよスキンケア!いらん!やっぱり…。
ほら行くぞ。
これから皆さんでここを本当に素晴らしい職場にしてください。
富永の死を無駄にしないでください。
友人としてのお願いです。
あっそうだ九条社長。
3か月以内に業務内容の改善がみられなかった場合再度矯正執行を行います。
ちなみに今までの会話すべて従業員の皆さんも研修室で聴いてますのではたして働いてくれるかどうか…。
失礼します。
アオスブレインが黒幕だったんですね。
害虫は一匹いれば百匹隠れている。
延々に終わらない害虫退治で僕は生かされてるんです。
あぁ死にたい。
(携帯の着信音)上司から連絡があったみたいです。
(留守電:美由紀の声)朝倉君九条エレクトロニクスへの矯正執行はまずいわ。
トクボウが監察に狙われてるの。
私は今から連行される。
朝倉君逃げて!叶さん…。
どうかしたんですか?いや別に…。
じゃあアオスブレインの裏取りに行きましょう。
急用が出来たのでそれは後日にします。
僕はこれで。
朝倉さんちょっと!いったい何が起こってるんだ?身に覚えがありません。
(松山)そんな言い訳が通用すると思ってるのかなぁ。
いったいどこから我々が九条エレクトロニクスの内偵をしていることをお聞きになったんですか?関係ないだろう。
君がそんな人間だったとは残念だよ。
(伊達)朝倉君はこんな時にいったい何やってるんだ!叶さんディスフォーユー。
チッまったく…。
え?
(盗聴器:美由紀の声)いくら聞かれても答えは同じです。
(盗聴器:松山の声)君はアオスブレインの反町課長に接待を受けた。
これってもしかして…盗聴!?その見返りとして反町が主導で行った労災隠しをごまかすために九条エレクトロニクスに調査に入りお茶を濁した。
これは君立派な職権乱用収賄だ。
証拠も揃ってるんだよ?証拠?我々の調べに対して反町は自分が独断でやったと証言してる。
君は反町の接待ゴルフを受けたはずだ。
私はゴルフなんかしませんしその反町という男も知りません。
おかしいじゃないか。
おかしいのはそっちじゃないですか。
目的は私たちトクボウにアオスブレインを調べさせないためですか?なんだと?反町という男でトカゲの尻尾切りをするつもりなんでしょ。
アオスブレインと繋がっているツルイ警備がそうしろと言ってきたんですか?叶美由紀君は警察に入って何年だ?10年です。
10年もいて我々がどういう組織なのかまだわからないのか!叶君。
君は認めない限りここから出られないんだよ。
やっぱりダメか…。
(依田)朝倉草平だな。
いえ伊達鉄人です。
何を言ってる一緒に来てもらおう。
イテ!アッ!あっ大丈夫ですか?
(依田)貴様!失礼します。
大丈夫ですか!お怪我は!?
(依田)いいから追え!逃げられた?
(依田)申し訳ありません。
チッ依田君は私の期待に応えてくれるんだろうね。
必ずやよきご報告を。
悪いな。
でき過ぎる女は目障りなんだよ。
いいか朝倉が現れたらすぐに連絡しろ。
朝倉は俺達が来るまでここに引き留めておけ。
いいな!はい!
(依田)行くぞ。
・はい・
(アナウンス)ただいま電話に出ることができ…。
何やらかしたんだよ朝倉さん。
あぁ死にたい。
2014/05/01(木) 23:59〜00:54
読売テレビ1
「トクボウ警察庁特殊防犯課」第五話★ブラック企業の洗脳セミナー[字][デ]

「矯正執行、入ります。」法では裁けない悪人たちを徹底的に更生させる!…脱力系なのにハードボイルドなニューヒーローの活躍を描く今までにない痛快刑事ドラマ!

詳細情報
出演者
伊原剛志

松下洸平
宅間孝行

国広富之
升毅
矢島健一

川平慈英
安達祐実ほか
番組内容
【第5話】辻(松下洸平)の中学時代の友人が派遣社員として働く工場内で自殺。彼の死を不審に思った辻は、この会社に疑念を抱くが従業員は仕事に満足し社長(国広富之)を尊敬していた。優良企業だと断言する朝倉(伊原剛志)と決別した辻は単独で潜入捜査を行うが会社の考えに取り込まれていく。朝倉は裏に潜む人材派遣会社の労災隠しを追及。一方、叶(安達祐実)はそれらの裏に暗躍する存在に気付くが警察庁監査に連行されて…
制作
【原作】
『トクボウ 朝倉草平』高橋秀武(集英社 ジャンプコミックス デラックス刊)
音楽
【主題歌】
『HANDs』AAA(avex trax)着うた配信中!
番組ホームページ
【「トクボウ 警察庁特殊防犯課」公式サイト】
http://www.ytv.co.jp/tokubou/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語ステレオ
サンプリングレート : 48kHz

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