ロンリのちから「誤った前提・危険な飛躍」 2014.05.02

またな。
微々たる進歩じゃったのう太郎。
南無三だ〜。
(礼央)僕たちはいつのころからか「それ」を曖昧にしてきた。
「それ」とはゆがみのない真理。
明快で合理的な思考。
考えを伝えるための強力な武器。
今こそ手に入れよう。
(チャイム)
(マリー)最近私は何に対してもやる気が出ない。
愛想笑いを見透かされたあの日以来。
(溝口)三段論法は論理展開の基本よ。
それは間違いね。
第2話。
心の声恥ずかしい。
自分でおどけて自分で間違って。
バカみたい。
そう。
私はいつもこうやって一人もんもんと不安の国に迷い込んでいく。
キャ〜!ここどこ?私…誰だっけ?
(杏奈)あなたはアリスでしょ?私が書いたシナリオの登場人物。
ほかの何者でもないわ。
彼はテレス。
あなたと同じ感情を持たないアンドロイド。
機械の星から誰もいなくなった地球にかつて存在した感情というものを調査に来ているの。
いいえ違う。
私は高校生。
アンドロイドなんかじゃない。
アリス何を言っているの?あなたはコンピューターの頭脳を持った完璧に論理的なアンドロイドよ。
だからあなたなら分かるでしょ?高校生は勉強が嫌い。
私は高校生だ。
だから私は勉強が嫌い。
分からない!アリス早くしなさい。
あなたなら分かるでしょ!嫌だ!もう決めつけないで!そうよマリー。
気付いたかしら。
あなたは決めつけていたのよ。
溝口先生…。
決めつけていたのは私…?推論が正しいためには2つの事が必要なの。
2つの事?そう。
1つは飛躍がないこと。
飛躍…。
例えばあなた一人の事から女子全員の事を結論してしまうような三段論法は飛躍がある。
だから間違いね。
でもあなたの三段論法には飛躍はなかった。
じゃあどうして?推論が正しいために必要なもう一つは前提が正しいこと。
私の三段論法は前提が間違っていた。
そう。
だから間違った推論になっていたの。
正しい前提とは何か。
この前の三段論法で復習してみましょう。
(マリー)「鳥は卵を産む」。
この文に間違いはある?
(マリー)卵を産まない鳥を私は知らないわ。
(マリー)「ペンギンは鳥」。
この2番目の前提はどう?
(マリー)ペンギンは確実に鳥だと思う。
(マリー)「だからペンギンは卵を産む」。
どう?マリー。
(マリー)正しい前提から結論が導き出された。
でも「高校生は勉強が嫌い」だって間違ってないじゃん。
それはおかしいわ。
私は高校生だけど勉強が好きよ。
杏奈が変わってるだけじゃん。
みんな勉強なんて嫌いだよ。
「高校生は勉強が嫌い」という誤った前提から「だから私は勉強が嫌い」という結論を導いてしまったのよ。
前提があやふやな推論はまるで自分が誰だか分からなくなったあなたみたい。
そう。
君は機械の星から来たアンドロイドのアリス。
そう。
あなたは感情を持たないアンドロイドのアリス。
違う。
私は人間の女の子。
アンドロイドなんかじゃないもん!溝口先生助けて!助けてあげるわマリー。
「感情を持つものはアンドロイドではない」。
「私は感情を持つ」。
「よって私はアンドロイドではない」!カット!
(カチンコの音)あれ?マリー。
何を当たり前の事を言ってるの?そんなのみんな知ってるわよ。
でも…当たり前の事でも自分で確かめないと見失っちゃう。
私には感情がある。
うれしかったりつらかったりする。
だから私は…私なの。
ふ〜ん。
何だかたくましくなったみたいだね。
(マリー)そうね。
不安の国から抜け出した気分よ。
マリー。
あなたが誤った前提から誤った結論を導いてしまったように世の中には自分勝手な意見を言うために間違った論理があふれているの。
例えば?例えばこんな決めつけ。
ブランド品をたくさん持っている人はオシャレっていう印象があるでしょ?それを三段論法で言ってみるとどうかしら。
杏奈。
やってみるわ。
よくできたわね杏奈。
さすがね。
こういう人いるいる。
ブランド品をたくさん持っている事がオシャレだという間違った前提に立っている。
女子に限らず男子にもいるよこういうやつ。
じゃあこんなのはどう?これは誤った前提ではなく飛躍ね。
しまった…。
あれ?でも飛躍って何だっけ?そっか…。
前提が間違っているのではなく強引に結論を導いてしまっているのか。
危険な飛躍ね。
合格率が高いという前提から必ず合格するという結論へと飛躍してしまっている。
多くの人が合格するというだけなのにその多くの人の中に勝手に自分も含めてしまって受かった気になっている。
あ〜でもこの気持ち分かるな。
「そうならいいな」っていう気持ちが「そうなんだ」っていう決めつけになっちゃうんだよね。
本当に日常には間違った推論があふれているのね。
それを見破れないとだまされてしまう事がある。
そっか。
それを見破る力も…。
そう。
それも「ロンリのちから」。
(アリス)ウサギさんウサギさん。
間違った三段論法ってさ結論が間違っちゃってるんだよね。
(ウサギ)違うね。
結論が正しくてもめちゃくちゃな三段論法はある。
え〜?結論が正しいのに?そう。
いいかい?こんなのもあるぜ。
不思議!「アリスは猫だ」って1つ目の前提でめちゃくちゃな事言ってるのに「だからアリスは飛べない」って正しい結論になってる。
結論だけじゃなくてどういう前提からどうやってその結論が出てきたのかその道筋をちゃんと見なくちゃ。
ね?すごい!それ前提が2つとも間違ってるのに結論は正しい。
見事にでたらめな三段論法だ。
まあね。
ヘヘヘ…。
2014/05/02(金) 00:50〜01:00
NHKEテレ1大阪
ロンリのちから「誤った前提・危険な飛躍」[字]

論理的思考力を養う番組です。毎回、簡単な例文を題材に、論理的に考えるとはどういうことかを学んでいきます。第2回は「前提の誤り」について学びます。

詳細情報
番組内容
「高校生は勉強が嫌い。わたしは高校生。だからわたしは勉強が嫌い。」この文章のどこがおかしいかわかりますか? 「ロンリのちから」の2回目は、誤った前提からは誤った結論が導き出される可能性があることを理解します。【出演】緒川たまき、大場はるか、山崎紘菜、植田慎一郎
出演者
【出演】緒川たまき,山崎紘菜,大場はるか,植田慎一郎

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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