先どり きょうの健康「ひざの痛み 克服法 予防するには」 2014.05.03

(テーマ音楽)知っておきたい健康情報を分かりやすくお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
今週はこちら「ひざの痛み克服法」4日間にわたってお送りしていきます。
ひざの痛みを持つ人は少なくとも1,000万人。
そして症状はなくてもX線などで検査するとひざに変形が見られるという人が推計3,000万人と…。
なんとも大変な数ですね。
という事で今日のテーマはこちら。
今日も専門家をお迎えしております。
分かりやすくお話をして頂きましょう。
ご紹介致します。
特にひざの関節の病気とけがの診断・治療がご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
ひざの痛みがある方がなんと1,000万人ものすごい数ですがひざは痛みやすいんだという事なんですね。
ひざというのは我々歩いたりする時に我々の体重を支えてる関節でとても大きな力がかかる関節です。
これまでもひざにはすごく大きな力がかかる事がいわれてきたんですが最近より直接的にそれを測定するデータがありましてそれでひざにどれぐらいの力がかかっているかという事が明らかになってきました。
よりはっきりしてきた訳ですね。
こちらをご覧になると一番左側がただ普通に立ってる状態です。
立ってる状態でひざにどれぐらい力がかかってるかと。
片方のひざのデータなんですが実は立ってるだけで体重の1.1倍。
体重の1.1倍の力が片方のひざにかかっている事が明らかになってきました。
1.1倍…つまり体重とほぼ同じ負荷が片足にかかってるとおっしゃいました?おかしくありません?60kgの方は30kgずつの負荷がかかるという事じゃないんですか?普通はそういうふうに考えますけども実際は違って立ってる時は我々足に力入れますよね。
立ってる時には太ももの力に…太ももとかですねそこの筋肉をずっと収縮させてないとカクッとひざがなっちゃいますよね。
そのために我々ずっと筋肉を緊張させてるのでその分の力がかかるので実際は体重の半分だけじゃなくてその筋肉の力の分がかかってるので1.1倍の力がかかるというふうに考えられています。
そういう事ですが筋肉もギュッと締めてるようなイメージをすればよろしいですかね?歩いたり階段を下りたり。
これは?歩く時は片方のひざにかかるものですけども体重の2.6倍。
階段を下りる時は一番多くて3.5倍の力がかかるといわれてます。
これは実際ゆっくり下りる時のデータなんですね。
ですから我々急いで階段を下りたりとか跳びはねたりとかしますけれどもその時にはもっと多くの力がかかってるんじゃないかという事が想像されています。
確かにね。
跳んだり跳ねたりしたらもっとですよね。
こんなに大きな衝撃加わってるならひざが痛むのはやむをえないと。
しょうがないんだと。
どうにもならないんだと考えなきゃいけないんですか?そういう訳ではなくて実際人間の体にはひざにはそういう衝撃を和らげる特殊な機構が備わっています。
何でしょう?これはひざ関節の模式図です。
これは上が大たい骨という骨があって下がけい骨という骨があります。
これで体重を支えています。
ほかの関節と同じようにこのクリーム色の部分に関節軟骨と呼ばれる軟骨で覆われてます。
これがかかる衝撃を和らげる働きがあるんですがひざ関節にはこれ以外に半月板と呼ばれるこの水色の三角ですね内側と外側に1つずつありますけれども半月板というコラーゲンの線維で出来た組織が間にありましてこれが関節軟骨と半月が組み合わさる事によって大きな衝撃を和らげる働きをしています。
こうした自然のクッションがあるのにひざを痛める人が多いというのはどうしてなんでしょうか?最近もうここのところはひざが痛いという方が非常に増えてます。
その原因の一つとしてはまずは我々高齢者が増えてきていると。
人口の高齢化ですね。
どんどん高齢になると軟骨が傷んできたりとかさっき言った半月板も傷んできたりして軟骨の場合はすり減ってきますよね。
そういう事によって痛んでくる人が多いです。
そうなんですね。
高齢化。
もう一つが肥満の方。
先ほど言ったようにひざには日常生活で多くの負荷がかかります。
だから体重が増えれば増えるほどひざにかかる負担が増えます。
例えば3kg増えただけで階段を下りる時は10kg以上の力がかかってしまいます。
負荷が増えますのでその負荷が増える事によってよりひざが痛んでしまう。
これらの高齢化で肥満の方が増えると変形性ひざ関節症という病気の方が非常に多くなってまいります。
高齢化そして太ってくるという事がどうしても負担がかかるという事になりますよね。
ひざを痛める患者さんの大体8割から9割が変形性ひざ関節症が原因という事がいわれております。
このほかにひざを悪くする要因は何かありますか?あとは運動不足という事が挙げられます。
通常例えば内科的な肺炎とかそういうものでは安静にするとよくなりますがひざの場合は運動器ですから運動をしないと逆に悪くなります。
1つは脚の力が落ちてしまいます。
脚の力が落ちるとひざにかかる衝撃が増えてしまいます。
それでひざをどんどん痛めてしまうという悪循環に陥ります。
どういう事かと言うと例えば山登りして皆さん上りの方がきついと感じると思いますけれども下り坂でひざが痛いという方多いですよね。
ガクガクしてきますよね。
下り坂になるとすごく筋肉に負担が増えますのでひざが笑ってまいります。
そうすると筋肉の力の入りが悪くなってひざにかかる衝撃が増えてしまってひざが健康な人でも痛みを感じます。
このように脚の筋力が落ちる事によってひざにかかる負担が増えてしまうという悪影響があります。
そして「軟骨・半月板に悪影響」というのはどういう事ですか?軟骨とか半月板というのは実はこの写真にあるようにこれは大たい骨の軟骨。
これはけい骨の軟骨。
これは半月板。
白い組織です。
白いというのはどうして白いかと言うと血管がないんですね。
半月板の外側の一部にあるんですが大部分の軟骨組織と半月組織には血管がありません。
血がきてない…。
ですから普通我々はいろんな血管から栄養をもらってますけれども血管から栄養をもらう事ができません。
そこに大事になってくるのが関節液と呼ばれるごく少量のドロッとした液があるんですけれどもそれが関節軟骨とか半月板に栄養を与えてます。
ですから関節は動かす事によって関節液からの栄養をもらってますので動かさないでいると関節軟骨とか半月に悪影響が出てきます。
そういう事ですか。
動かすからこそ関節液が行き渡って栄養も行き渡るという事なんですね。
なるほど。
これよく分かりましたね。
さてもう一つですがここですね。
関節が硬くなるんだよと。
運動不足だという事ですね。
これは?運動不足で動かさないとひざの場合は正常の場合はピ〜ンと伸ばして正座ができるぐらい深く曲げる事ができますが動かさないでいると関節の動きがだんだん悪くなって例えばひざで言ったら正座ができてたのにできなくなるとか。
完全にひざが伸びてたのが伸びなくなるとかそういうように関節の動きが悪くなってきます。
これもひざにとって悪影響悪い事ですね。
いやしかしこうして伺いますと運動不足動かさないと脚の筋力は落ちるわ半月板軟骨に影響が悪いわ関節は硬くなってくるわよくない事ばかりなんですね。
動かさなきゃいけないんですね。
ただ運動し過ぎて動かし過ぎてひざを痛めてしまっている人もいますよね。
ウオーキングのし過ぎ。
今言った動かさないで悪くなる方もいらっしゃるんですけども中には激しい運動が原因でひざのけがをしてしまってひざを痛める方もいらっしゃいます。
特にスポーツを熱心にやってる方ですね。
若い方にも多いですがスポーツを熱心にやったりとかやり過ぎたりして例えばひざで言ったら半月板という組織を傷めてしまったりとかひざとひざとをつないでいるじん帯を傷めたりしてひざを痛めてる方もいらっしゃいます。
しかしスポーツ健康のためにも楽しみたいですしね積極的にやりたい訳ですがけがをしてはいけませんがどういうふうに予防していけばいいですかね?スポーツをやる場合は基礎練習をしっかりやるという事。
あとは準備運動クールダウンをしっかりやるという事ですね。
そしてスポーツ以外に太ってる人はいけませんでしたね。
ひざには体重の何倍もの力がかかりますから減量する事が非常に大事です。
減量が大事。
そして?先ほど申しましたように運動不足というのはひざにとって悪影響ですからウオーキング自転車水泳などの運動をもし運動不足の方がいらっしゃったら積極的にやって頂きたいと思います。
動いた方がいいんだという事でしたよね。
そして…?そのほかに自宅でもできるトレーニングがありますので脚の筋肉を鍛えて頂いたりとかストレッチをやって頂くような自宅でのトレーニングが有効ですので是非やって頂きたいと思います。
外へ出て特別な事何かやるのではなくて自宅でできるこうした筋トレストレッチ大事なんですね。
さあこの筋トレストレッチ具体的にどんなふうにやるんでしょうね。
覚えておきましょう。
久田さん。
はい。
今日は帝京大学医学部附属病院理学療法士の工藤隆則さんに教えて頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
今日は予防のための運動という事でひざの痛みがない方が行う運動を教えて頂きます。
既に痛みがある方の運動に関しては明日ご紹介していきます。
それでは早速どんな運動ですか?まず初めにスクワットという運動です。
肩幅に腰を広げて立って頂きます。
ゆっくりとひざを曲げお尻を下げていきます。
この時ひざが爪先より前に出過ぎないように注意しお尻を椅子に腰掛けるように下げていきます。
このくらいの角度で大丈夫ですか?ひざを曲げる角度はこのぐらいで十分鍛える事ができます。
これで十分鍛える事ができるんですね。
そしてまた元に戻すという事ですね。
もう一度見せて頂けますか。
グ〜ッとして…。
太ももと裏側の筋肉を鍛えます。
ここを鍛えてまた戻すという事ですね。
効果としてはではここの筋肉を鍛えて…。
ひざを支える上で最も重要な太ももの前側の大たい四頭筋と裏側のハムストリングスを効率的に鍛える事ができます。
1日どのくらい行うといいですか?1日5回から10回を3セット行って下さい。
それでは次の運動を教えて下さい。
フロントランジになります。
腰に手を置いて頂きゆっくりと大きく前に足を踏み出します。
前に踏み出すんですね。
この時ひざが水平になるようにして頂きます。
体を起こしゆっくりと戻ります。
そして反対側もグ〜ッと。
平らになるぐらいという事ですね。
そして戻していくと。
これどのくらい行いますか?こちらも同様に5回から10回を3セット行って下さい。
この運動にはどんな効果があるんでしょうか?足腰の筋力を鍛える効果もありますが柔軟性やバランス能力を高める事も期待できます。
では続いてストレッチを教えて頂きます。
どこを伸ばしていきますか?太ももの前側の大たい四頭筋のストレッチを行います。
こちらは横に寝て行います。
横に寝て…横向きに寝ていくんですね。
上側の脚を曲げ足首をつかみます。
ゆっくりと後ろに引いていき5秒くらいストレッチをします。
ここが伸びていくという事ですね。
5秒ぐらいこう…。
グ〜ッと後ろに引き下げます。
ありがとうございました。
ではお立ち頂けますか?このストレッチはどのくらい行っていけばいいですか?10回くらいをスクワットやフロントランジと合わせて行って頂くとよいと思います。
どうもありがとうございました。
これ難しい運動ではありませんでしたけれども多くの方が患う変形性ひざ関節症の場合痛みが出てくる何か前触れみたいな事はありますか?変形性ひざ関節症の前触れ症状としては動かし始めの痛みというのがあります。
例えば椅子にずっと座って立ち上がる時に痛いとか夜トイレに起きて歩くとひざが痛い。
ただ2〜3歩歩くとよくなってしまうという。
前触れなんですね。
そういう方に今のような…?そういう方には今の今日やって頂いたエクササイズを是非今日から始めて頂きたいと思います。
そうしますと予防につながるという事なんですね。
どうもお話ありがとうございました。
ありがとうございました。
明日は変形性ひざ関節症の治療についてお伝えしていきます。
明日も是非ご覧下さい。
それでは明日もどうぞよろしくお願い致します。
(一同)ありがとうございました。
2014/05/03(土) 04:15〜04:30
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「ひざの痛み 克服法 予防するには」[解][字][再]

ひざの痛みの悪化要因の一つが「運動不足」だ。そのため、ひざの痛みを予防する方法は「運動を行う」ことである。ひざの痛みがない人が予防のために行う運動を紹介する。

詳細情報
番組内容
ひざの痛みを持つ人は1千万人以上。これほど多いのには現代ならではの原因がある。それは肥満と高齢化だ。しかし、それに加えて悪化要因となっているのが「運動不足」だ。ひざの関節は毎日運動することで正常に動くようになっているのだ。そのため、ひざの痛みを予防する方法は「運動を行う」ことである。この日はひざの痛みがない人が予防のために行う運動を紹介する。また早期発見のために、ひざの痛みの前触れも紹介する。
出演者
【講師】帝京大学教授…中川匠,帝京大学医学部附属病院理学療法士…工藤隆則,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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