(テーマ音楽)・「ぞうさんぞうさんおはながながいのね」・「そうよかあさんもながいのよ」
(まど)ありがとう。
「ぞうさん」の作詞で知られる詩人まど・みちおさん。
優しく深い言葉で命と存在の不思議を書き続けました。
まど・みちおさんは明治42年山口県で生まれました。
5歳の時父親の仕事で家族が台湾に移住。
まどさんは一人残され祖父に育てられました。
(聞き手)それは全く晴天の霹靂…。
ええ。
そうでした。
目が覚めたら?そうそうそうそう。
そのとおりです。
ショックだった?孤独な少年時代。
寂しい心を慰めたのは草花そして虫などの生き物でした。
時間を忘れて見入っていたといいます。
こうした体験は詩人まど・みちおの原点となりました。
まどさんが家族のいる台湾に渡ったのは9歳の時。
ようやく得られた家族のぬくもり。
後にそんな幸福感を詩に表わしています。
この詩が25歳の時北原白秋が選者を務める童謡の詩の募集で特選に選ばれます。
まどさんはこれをきっかけに童謡の詩の創作に本格的に取り組みました。
昭和14年29歳で結婚。
翌年には長男が生まれました。
しかし家族の幸せもつかの間太平洋戦争が始まります。
まどさんはこの時期生涯後悔する事になる2編の詩を作りました。
いわゆる戦争協力詩です。
その後まどさんは徴兵されフィリピンインドネシアなどを転戦。
人と人が命を奪い合う戦争の渦中を生き抜きました。
終戦から50年近く経って出版されたまどさんの全集。
まどさんはこの中に戦争協力詩をあえて収めました。
そしてあとがきの全てを割いて謝罪の言葉を記しています。
戦後まどさんは雑誌の編集をしながら童謡の詩を精力的に書きつづります。
そうした中で生まれたのが童謡「ぞうさん」でした。
・「そうよかあさんもながいのよ」昭和27年NHKのラジオで初めて放送。
全国の子供たちに歌われるようになりました。
・「すきなのよ」まどさんは「やぎさんゆうびん」や「いちねんせいになったら」など時代を超えて歌い継がれる数々の童謡を生み出しました。
その後もまどさんは独自の感性で見た世界を優しい言葉で詩にしていきます。
58歳で初めての詩集を出版しました。
「ふしぎがり」と自らを呼ぶまどさん。
その詩は生きている事存在する事の不思議と尊さを語りかけています。
84歳の時まどさんは児童文学のノーベル賞と言われる「国際アンデルセン賞」を受賞。
その詩の世界が高く評価されたのです。
100歳を越えてもなお詩作を続けたまど・みちおさん。
まっすぐなまなざしで世界を見つめ続けた104年の生涯でした。
ありがとう。
2014/05/03(土) 05:40〜05:50
NHK総合1・神戸
NHK映像ファイル あの人に会いたい「まど・みちお(詩人)」[字]
童謡「ぞうさん」の作詞で知られる詩人、まど・みちおさん。104年の生涯、やさしく深い言葉で、命と存在の不思議を書き続けた。まどさんの詩作への思いが語られる。
詳細情報
番組内容
童謡「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」などの作詞で知られる詩人、まど・みちおさん。104年の生涯、やさしく深い言葉で命と存在の不思議を書き続けた。少年時代、家族から離れ、祖父に育てられた。孤独な体験が、詩人としての原点になったという。戦後は、歌い継がれる数々の童謡の詩を作った。その後も、まどさんは独自の感性でみた世界を詩にしていく。真っ直ぐなまなざしで世界を見つめたまどさんの詩作への思いが語られる。
出演者
【出演】まど・みちお
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
情報/ワイドショー – 芸能・ワイドショー
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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