東北発☆未来塾「映像のチカラ 総決算 心を動かす映像とは」 2014.05.03

21。
(伊達)どうも。
「東北発☆未来塾」応援団長のサンドウィッチマンです。
(富澤)ど〜も。
さあ今回は映画監督の是枝裕和さんが福島の高校生に教える「映像のチカラ」総決算です。
50年がかりの映像がついに完成ですね。
生まれてないでしょ子どもたちね。
あそう。
でもね完成まで道のりは長かったみたいですね〜。
(是枝)ハハハ。
そういうもんですよ編集って。
そりゃ大変ですよ。
俺たちだって編集でこんな枠に入れられてるわけだしね。
狭い所にいますけどそれ関係ない。
違うんですよ。
でもね生徒たちの作品最後はすごいのが出来たみたいですからね。
あそう。
だからそれだけで意味がある気はしますね。
高校生たちの思いは映像でどう描かれたのか気になりますね。
ええ。
彼女たちは涙を俺たちは笑いを。
心を動かす「映像のチカラ」始まるよ!
(歌声)
(歌声)今年3月福島県立相馬高校の3年生が卒業式を迎えました。
今回映像作りを学んでいる3人の生徒たちもこの日で卒業です。
みんな卒業後は福島を離れます。
(但野)もう悲しくなってきた!但野仁美さんは東京の大学に進学します。
同級生と過ごすのもこの日が最後。
但野さんは1月から震災で変わってしまった日常の風景を取材してきました。
でも卒業式を経験して友だちの気持ちを中心に描きたいと考えるようになりました。
…みたいなのもにしていきたいって言ってたじゃないですか。
「楽しかった」とかあと…こんにちは。
(一同)こんにちは。
卒業式の5日後編集した作品を映画監督の是枝裕和さんに見てもらいます。
但野さんは8分間の映像にまとめました。
(アナウンサー)「予想最高気温平年より1度から4度ほど高く3月上旬から4月上旬並みの気温となるでしょう。
続いて各地の放射線量です。
単位はマイクロシーベルトです。
各自治体ごとの最小値と最大値です」。
(但野)「これが私たちの日常だ」。
(但野)「私たちの3年間は本当に平穏だったのだろうか」。
「しようと思ったけどうちは家で犬飼ってるから置いて行くのはできないし」。
「携帯電話1つで逃げたんで。
3月11日が一番パニックで何が何だか分かんなくて。
よく教科書で見る戦後の日本みたいな映像がもうそこに広がってたから」。
(男子生徒)「卒業生のみんな。
みんなと共に過ごした3年間は私の宝物です」。
(男子生徒)「たくさんの思い出をありがとうございました」。
(但野)「この日の涙の理由はきっとみんな違う。
私たちはお互いの事なんて何も知らなかったのかもしれない」。
(但野)「高校生活楽しめた?」。
「うん。
そりゃ楽しかったよ。
周りいい人だったから楽しかったよ」。
「ハハハ!楽しかったよ。
あのやっぱり仲いい友だちとかできてね。
ね。
ありがとう」。
(但野)「それでも今笑顔で素直に『ありがとう』と言えるのには大きな意味がある気がする」。
但野さんの作品は今まで知らなかった友だちの日常に焦点を当て最後は感謝の言葉で締めくくっています。
でも是枝さんは映像のストーリーを再検討するように提案しました。
特に是枝さんが気になったのはこの最後のところ。
これで終わって…いや。
でも友だちに対する感謝とか楽しかったって気持ちは本物で今回はそれをすごく強く出したくてもうここまできたら…うんうん。
全然暗く終わらせた方がいいっていうつもりはないんですけど。
見えなかったものを見ようとしてインタビューして見えたんだけど更に見えてなかったものがあったっていう。
はあ〜。
ここで楽しくまとめずに。
あれなんですよ。
楽しく終わらせたいはずなのにこう…自分が作ってるのに自分を置き去りにして作ってたんですよずっと。
っていうのは私の中に後悔があってすごく…。
うん。
今のそのまんま見せればいい。
(笑い)そうですよね。
うん。
結局是枝さんから本音を引き出されてしまいました…。
「本当はこういう事がやりたかったのかもしれない」という事を見つけられる可能性があるのが編集なので自分の出会った事のない自分に出会うかもしれません。
フフッ…。
なので頑張って下さいそこは。
はい。
是枝さんのアドバイスを受けて但野さんは後悔を表すこのナレーションで作品を締めくくりました。
(但野)「この日の涙の理由はきっとみんな違う。
私たちはお互いの事なんて何も知らなかったのかもしれない」。
(根本)まだ全然詰めてないです。
続いてはもう1人ドキュメンタリーに挑戦した根本李安奈さんの作品です。
震災が生んだ「心の壁」をインタビューを通して描こうとしていました。
でもいざ取材になると話を切り出せずにいました。
家族とか亡くなっちゃってる子に…う〜ん…聞くのが何か怖いんですよね。
相馬市は原発事故だけでなく津波でも大きな被害を受けた地域。
震災の体験も友だちによってさまざまです。
津波で家を流された人。
家族を失った人。
遠くへ避難した人。
根本さんは友だちが希望する場所に出向いて取材を進めてきました。
出来上がったのは対話を通して心の壁に迫るドキュメンタリーです。
根本さんと同じクラスの植田さん。
震災の後5か月間横浜市に避難していました。
(根本)「うちさ植田が前『自分は逃げた』って言ってたのがさ何かすごく引っ掛かっててさ」。
(植田)「…うん。
実際に学校にも避難で今も帰ってきてない友だちいるけどその人がその人の親っていうか…『同じ被災者だけどあなたは逃げたでしょ』と言われたらしい」。
(根本)「あ〜」。
「まあ確かにあの時は逃げるのが精いっぱいだったんだけどさ」。
(根本)「ああ…。
そんな何か特別楽しかったみたいな思い出はない?」。
「う〜ん…別に。
何か毎日生活すんのが精いっぱいだったからね」。
最後に取材した友だちは震災後親戚の元に1人身を寄せている南部さんです。
(南部)「レポートして早く」。
(根本)「レポート?」。
「今日は…」。
(根本)「今日は…南部さんのお宅にお邪魔しています」。
「ヘヘヘヘヘ!」。
(根本)「何だ?これ」。
「ハハハ!いいじゃん」。
(根本)「うちさあ今までさ南部に…地震の時の話ってできなかったのよ」。
「何で?」。
(根本)「何で?」。
「聞きづらいか」。
(根本)「うん」。
「聞きづらいよな〜」。
(根本)「南部には聞きづらかったな」。
「そうでしょ普通に。
分かるもんだって。
そりゃそうだよ」。
「遺体見つかってないからな。
うちのお母さんもだよ。
(根本)「そうなの」。
何か実感湧かなくない?どっかでまだ生きてると思っちゃわない?どうしても。
『多分記憶喪失にでもなったのかな〜』なんて。
『帰って来られなくなったのかな』なんて…。
こういう分かってくれる人だったらいいじゃん。
何にも…何もないっつっちゃそりゃあおかしいけど普通の幸せな家庭の人にね話したとしても何か『どうせ』ってしか思わない。
こっちのが大っきいもん。
いるじゃんだって。
(根本)「いる」。
だってあなた家族いるじゃん。
アハハハ!。
(根本)「なるよね」。
あのねえ駄目なんだよね。
あの『お母さんうち死んでほしい』とかばかじゃねえのって思う」。
(根本)「だよな」。
「何にも分かってないくせに何言ってんのクソガキ。
ハハハハハハ!」。
「涙腺塞いで」。
「ね〜どうしたの?大丈夫?話聞く人いなくなったらどうすんの?」。
(シャッター音)是枝さんはまず初めて作品を見た生徒2人に感想を聞きました。
う〜ん何だろう…。
いや〜な…何て言えばいいんだろうな…。
ちょっとすみません先にお願いします。
(蓑野)え〜やめてよ。
こっちも何か泣きそうになってきた…。
あ〜!何で?何で何で?もうやめてよホント!多分根本さんの人柄なのかふだんの友だちとのつきあい方なのかいろんな事がちゃんとよく出てると思いますよ。
きちんと友だちが腹を割って話してくれてるっていうかな。
そこは間違いなく僕には撮れないものが撮れてる。
だからそれだけで意味があるんじゃないかなっていう気はしますね。
これアドバイスが難しい。
難しいなあ〜。
撮れてるものは強いと思いますよ。
これまで舞台の主役を務めるなど震災を伝える活動を続けてきた但野さん。
全然そんな事じゃなくて。
何でかっていうと常に震災と向き合う活動をしたもんだから何か常に忘れらんなくて。
楽しそうにしてる人たちが羨ましくて。
何か周りがすごく能天気に生きているように見えちゃって。
これ見てそんなの表に出さなくて当たり前だしみんな何か考えて生きてるなんて当たり前だったのに何かそれが見えなくなってたなって思って。
何か「自分ばかだったなあ」と思って。
震災をテーマにした舞台の脚本や演出を手がけてきた蓑野さん。
うちよりひどい人がいっぱいいるじゃん。
何か出てきたけどさ。
(蓑野)うちも何かまああんまり被害受けてない方でやっぱりこういう活動してたじゃんうちね。
それで何か「ホントに分かってんの?」って言われた事があったんだよ友だちにね。
何かそういう事言われるのがさすごく悲しくて…。
だから「何で分かってあげられないんだろうな」っていうのと「何で分かり合えないんだろうな」ってやつ。
だから私は何かやっぱり…そんなつらい思いもしてないし…みんなと比べたら。
だけど何かやっぱり…ずっと分かりたくて。
けどやっぱり何かさあ人って経験してる事も違うしだから結局私はあなたになれないしあなたも私にはなれないし。
それはみんなに言える事だけど結局それでそれこそ何か壁が生まれるわけじゃん。
今すごく大事な事を蓑野さんは言ったと思いますけど……っていうのがドキュメンタリーの一番大事な考え方だろうと僕は思って今まで作ってきてるんですけど。
よく安易に「共感」とか「感情移入」とかあの…何だろうな…分かった気になって使うけれども本当はカメラは自分じゃない人間にカメラを向けるわけだからそこで見えてくるのは自分とは違う考え方感じ方を持ってる人とどう出会うか見た人にどう出会わせてあげるか。
その事によって見た人にどういう気付きを与えてくれるかが多分一番大事な価値だと思うんですよねドキュメンタリーのね。
「映像のチカラ」ゴールデンルール。
皆さんみたいな高校生が生活をしながら生活の一部として回してく事の切実さとか大変さとかをそれこそ僕は分かったつもりになってたと思いますけど撮ってきたものを見てそれを見てる皆さんの言葉に触れるといかに分かっていなかったかって事を僕も気付かされるのでまずはその「見せて頂いた事をありがとうございます」と感謝したいと思います。
僕にとってもいい経験になってます。
うんなるほどね。
福島に生きる彼女たちの強い思いがあったからこそできた映像だよね。
そうですね。
すごかったね。
生徒たちはこの後完成した作品の上映会を東京で行ったみたいですね。
震災を伝え続けていくんだね。
そうですね。
彼女たちはこれからどうしていくんだろうね?大学でも映像作りを続けるみたいですよ。
あ〜頼もしいですね。
ね〜。
頑張ってくれよ!目指せアカデミー賞!アカデミー賞ね。
応援しましょう。
さあこれからも「未来塾」は「映像のチカラ」を信じて頑張っていきますよ!5月の「未来塾」は…講師は山形出身の料理人奥田政行さん。
今世界中から注目されています。
東北を元気にする食の極意とは。
「食のチカラ」お楽しみに!2014/05/03(土) 11:20〜11:40
NHKEテレ1大阪
東北発☆未来塾「映像のチカラ 総決算 心を動かす映像とは」[解][字][再]

映画監督・是枝裕和さんが福島県の高校生に教える「映像のチカラ」総決算。その結果、是枝さんも驚く作品が生まれた。最後、高校生たちの涙の訳は?【ナレーター】川島海荷

詳細情報
番組内容
「編集がこんなに辛いとは思わなかった」。震災で変わってしまった日常をドキュメンタリーで描こうとしていた女子生徒の言葉だ。是枝さんは「出会ったことのない自分に出会うかもしれないのが編集」という。福島県相馬市は原発事故だけでなく津波でも大きな被害を受けた。友達へのインタビューを続けた生徒の作品は、是枝さんが「僕には撮れないものが撮れている」というものになった。それは…【応援団長】サンドウィッチマン
出演者
【出演】映画監督…是枝裕和,サンドウィッチマン,【語り】川島海荷

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
趣味/教育 – 大学生・受験
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0×0808)
EventID:28979(0×7133)