GWも後半に入りました。
後ほどの特集では、この憲法を取り上げたいと思いますが、最初のニュースもそれに関連したニュースです。
昭和史に関する新たな発見。
昭和天皇が1959年に長男の明仁皇太子と旧姓、正田美智子さま、現在の天皇・皇后両陛下ですけれども、結婚したことをアメリカの当時のアイゼンハワー大統領に伝えた直筆署名の手紙が見つかりました。
手紙の日付は、今の天皇・皇后両陛下が結婚された直後の1959年4月27日づけ。
菊の御紋が入った便箋に書かれており、日本語の文章とそれを翻訳した英文も同封されていました。
宛先はアイゼンハワー大統領。
昭和天皇の手放しの喜びようが伝わってくるような文面です。
手紙の末尾には「良友裕仁」とあり直筆で署名されていました。
これは多分、昭和天皇にとればですね、アメリカと日本の関係の中で日本を代表する私とアメリカを代表するあなたの間の関係というのを象徴的に語ればこういう言葉じゃないかという意味ではないでしょうか。
また、「報道特集」の取材チームが入手した文書には1950年代後半の在日アメリカ大使館とアメリカ国務省の間で交わされた多数の公電や機密文書があり、アメリカが当時、この婚約は天皇制の将来にとって大きな意味があると最大級の評価をしていたこともわかりました。
研究者らは、当時のアメリカが日本で根づいていった象徴天皇制についてどのような評価をしていたのかを示す貴重な資料だと関心を寄せています。
後ほどの特集でもじっくりとお伝えいたします。
GWの後半、4連休初日の今日、各交通機関は行楽地や故郷などに向かう人たちで混雑した。
連休初日、多くの乗客で込み合う東京駅。
東海道新幹線下りの始発で自由席の乗車率が200%となるなど混雑が続いた。
一方、空の便も今日がピークで、成田空港と羽田空港からは今日だけで合わせて5万2000人が出国。
後半4連休の短い休みでも楽しめるようハワイやグアム、それに台湾などアジア方面が人気だとのこと。
3月にターミナルが拡張し、国際線の昼間の発着便が増えた羽田空港では新設されたヨーロッパ方面への便を利用する人も多く見られた。
高速道路の下りは午前中を中心にピークを迎えた。
日本道路交通情報センターによると…ご覧の映像は東名高速・大井松田IC付近の現在の様子。
Uターンや帰国のラッシュは5日6日になる見込み。
4連休の初日、世界遺産に登録される見通しとなった群馬県の富岡製糸場は過去最多の人出となった。
先月、世界遺産登録の勧告を受けた富岡製糸場には午前9時の開場を前におよそ450人の観光客が長い列をつくった。
今日、すごい人ですね?すごかったですね、早く来たんですけど。
今話題じゃないですか。
ひょっとしたら来月選ばれるんじゃないかと期待して来ました。
何に選ばれると?世界遺産。
今日の来場者数は、およそ6500人と過去最多の人出だったとのことで、この4日間で2万人以上が訪れると予想されている。
一方、福岡市では、博多どんたく港まつりが今日開幕した。
華やかでリズムに乗って一緒に楽しめるところが。
明日までの2日間、国の内外から延べおよそ750団体が参加し、3万8000人が市内各所に設けられた舞台やパレードで踊りなどを披露する。
主催者では、2日間で合わせて200万人の人出を見込んでいて、例年、GW期間中、全国で最も多くの人が集まるイベントとなっている。
今日5月3日は憲法記念日。
憲法施行から67年を迎え、改憲・護憲両派が各地で集会を開いた。
憲法改正の手続を定めた国民投票法案を自民・民主・公明など7党が共同提出し、今の国会で成立が確実視されているだけに改憲派の集会では憲法改正に向けた運動を活性化させるべきだという声が相次いだ。
また、党内に改憲・護憲の両派を抱える民主党は海江田代表が街頭演説で次のように訴えた。
一方、護憲派の集会では、安倍総理が憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に強い意欲を示していることへ批判が相次いだ。
そして、参加者たちは憲法9畳を壊すななどと書かれたプラカードを掲げ、銀座をパレードした。
昨日、大阪市平野区でストーカー被害に遭っていた飲食店アルバイトの女性が殺害された事件で逮捕された常連客の男が女性の仕事帰りを待ち伏せして襲った可能性が高いことが警察への取材でわかった。
殺人の疑いで逮捕された大阪市平野区の無職、松本隆容疑者は昨日未明、平野区の路上で飲食店アルバイトの井村由美さんの腹などを包丁のようなもので刺して、殺害した疑いが持たれている。
警察によると松本容疑者はレンタカーを借り、仕事を終え帰宅する井村さんを車の中で待ちぶせしていたとのこと。
警察は、計画的に犯行に及んだ可能性が高いと見て捜査している。
ノバルティスファーマの高血圧治療薬をめぐる論文不正問題で、臨床研究のデータ改ざんが指摘された京都府立医大の元教授がJNNの取材に応じ、データ改ざんについて大学側の関与を否定した。
ノバルティスの高血圧治療薬、ディオバンは、脳卒中などの予防にも効果があるとされたが、その後、複数の大学での臨床研究にノバルティスの当時の社員が関与していたことが判明。
研究データの改ざんが明らかになった。
京都府立医大で研究の責任者だった元教授がJNNの取材に応じ、データ改ざんについて大学側の関与を否定した。
データの改ざんは行われていたんですか?ご自身で?一方、元社員は、これまでの厚労省などの調査に対し、データの改ざんについて関与を否定している。
東京地検特捜部は、不正なデータを薬の宣伝に利用した薬事法違反の疑いで捜査していて、関係者の聴取などを行い、実態解明を進める方針。
朝日新聞阪神支局襲撃事件から今日で27年。
朝日新聞阪神支局には殺害された小尻知博記者をしのび、多くの人が訪れている。
1987年の今日、散弾銃を持った男が小尻記者を射殺、別の記者にも重傷を負わせたが、いまだ犯人は特定されていない。
当時2歳だった小尻記者の娘は、父が亡くなった年の29歳になりました、父の分まで精いっぱい生きていきたいとコメントした。
韓国・ソウルの地下鉄衝突事故で、列車を運行するソウルメトロは現場の駅に列車が止まっている場合、停止と注意になっているはずの手前の信号2つが事故当時、いずれも青信号で、自動列車停止装置が作動しない状態だったと明らかにした。
信号装置のデータ変更後、当日の午前3時頃からエラーが発生していたとのこと。
たびたびお伝えしていますが、今日は憲法記念日。
今年は施行から67年となります。
憲法改正を掲げる安倍政権のもと、国会では憲法解釈の変更が焦点となっています。
一方で、私たちは今、岐路に差しかかっているこの憲法をどこまで自分の言葉で語ることができるのでしょうか。
今週火曜日、都内にある劇団で、来週始まる公演に向け、稽古が続けられていた。
すみません、お待たせしました。
これで皆さんそろいました。
小さな島に降ってわいた独立話。
島の住民たちは、戸惑いながら自分たちの憲法をつくっていく。
で、あとは戦争ですが。
独立したら戦争を仕掛けられる可能性だってあるんですから。
さすがに戦争は仕掛けてこないでしょう。
こんな小さな島に戦争しかけったってメリットなんかないんですから。
劇は終戦翌年、実際に起きた出来事をモチーフにしている。
都心からわずか120kmに位置する伊豆大島。
90歳の藤井善弥さんは当時のことを覚えていた。
柳瀬のおじさん、おじさんと呼んだんだけどもね、おじさんが善弥、大変なことになったよという話でね。
何だと言ったら…村の青年会長だった藤井さんは、縁戚関係にあった柳瀬善之助村長に、大島が日本から分離されることを告げられたと言う。
終戦翌年、GHQは沖縄などとともに伊豆諸島を日本から行政上分離することを決めた。
柳瀬村長らは日本から独立した島として独自の憲法をつくり上げることになる。
役場にその写しが保管されている。
手書きの草案は、大島大誓言と名づけられている。
本文は23の条文から成り、大島の統治権は島民に在りで始まる。
主権在民、平和主義と日本国憲法にも通じる精神。
当時を知る、山田一蔵さんはこう説明する。
結局、伊豆諸島分離の計画は53日間で取り消され、大島憲法は幻となる。
その事実は、住民にも広く知らされることはなかった。
劇中、現在の憲法論議を想起させるシーンがある。
それまでの本土は戦争=敗戦の悲惨な姿でした。
自分たちの手で憲法をつくり上げようと真正面から向き合う島の住民たちの姿は、私たちにどんなメッセージを投げかけるのか。
島って政治をやる人と一般市民が距離が近いものができ上がるわけですけれども、そういったものを通して、皆さんもある程度…もし憲法解釈の必要があれば閣議決定を行い、国会において議論をしていきたいと。
GW初日、こう語り、外遊に出発した安倍総理。
安倍総理の私的諮問機関、いわゆる安保法制懇は、連休明けの翌週にも憲法9条の従来の政府解釈を大きく転換させる報告書を発表する。
柱となるのは、集団的自衛権の行使を可能にすること。
従来、これを禁じてきた政府の憲法解釈の変更。
政府は報告書を受けて、事実上、憲法9条の解釈変更を盛り込んだ政府方針を閣議決定する。
そして秋の臨時国会では、自衛隊法や周辺事態法などの法改正の審議が行われる見通し。
今までの解釈は誤りということに中身はなるんじゃないかということを非常に私は、憤慨を込めて感じております。
第1次安倍政権で内閣法制局長官を務めた宮崎礼壹氏は憤りを隠さなかった。
集団的自衛権とは、直接武力攻撃を受けていなくても密接な関係にある国が攻撃を受けた場合、自国への攻撃とみなして反撃する権利。
歴代内閣は、自衛権の行使は我が国を守るために必要最小限度にとどめるべきで、集団的自衛権の行使はその範囲を超えるため許されない、つまり憲法違反だとしてきた。
集団的自衛権というのは自国が武力攻撃を受けていない場合に他国に対する武力攻撃を当該他国と一緒になって武力を使って排撃すると。
宮崎氏は、安倍政権にこう警鐘を鳴らす。
強引にやれば形の上ではできるのかもしれませんが、それについての正当性が非常にクエスチョンがついた状態で施行されるというようなことになり、そうだとすると大変深刻な問題、混乱を持ち込むことになると思いますね。
実際にそれで武力行使のために自衛隊を海外派遣することになってしまうわけでしょ。
いったんそうなれば簡単に戻らないですから。
第一次安倍政権で立ち上げられた安保法制懇は、第2次安倍政権でも同じメンバーで再開した。
座長代理の北岡伸一氏はかつて国連の次席大使も務め、日本政治外交史を専門とする。
端的に言うと、これまでの政府答弁つまり内閣法制局の解釈が間違っていたということですか?全体の議論が、懇談会の提言がそのトーンであるかどうかというのはちょっと濃淡ありまして、不適切だという人から、間違っているという人までいろいろいて。
北岡氏は、集団的自衛権をめぐる言葉の使い方にこだわりを見せた。
集団的自衛権というのは国連憲章においても、サンフランシスコ講和条約においても、日米安全保障条約においてもこれを保持すると。
歴史的な積み重ねを経て、合憲とされてきた必要最小限度の自衛権。
北岡氏の考えは、こうだ。
北岡氏は、集団的自衛権を行使するガイドラインとして6つを挙げた。
海外に自衛隊が出ていってPKO活動、あるいは日本が密接に関係を有している国が何らかの武力紛争に巻き込まれたときの行動があった場合、最悪の事態みたいなものを想定しなきゃいけないですね。
最悪の事態って何ですか?例えば、自衛隊員に死者が出るとか血を流すみたいなことがあり得ますね。
そういう意味では質的にものすごく変わるんじゃないですか?でも、これはもちろんそういうことがあってほしくないし、ないようにできるだけの努力はすべきですよ。
だけども、今の法制度でもあり得ないことはないです。
今のPKOでもあり得る話ですね。
しかし、今までなかったことが、これによってなお可能性が増すというおそれがもっと大きくなるということはありませんか?それはどうでしょうか、そうかもしれないし、そうでないかもしれません。
というのは、何々のおそれということを皆さんよく言われるんだけれども…日本の安全だけを守り他国を守ることができない今の法制度が問題だと言う。
外国に兵を送るということの、外国に武力を送ってそこに参加することの、それ自体の危うさというのは日本人というのは一番よく知ってると想うんですよね。
であるからこそここまで平和主義を貫いてきたと。
ある種の積み重ねというのがあって、そこの重要性というのは、幾ら強調しても強調しすぎることはないと思う。
でも、そうすると日本がロシアになるということですか。
そんなことを言ってるんじゃないですよ。
兵を送るということですか?送るわけないじゃないですか?そんなこと言ってないですよ。
では、何ですか?兵を出さないということによって、築かれてきたものの重みというのがあるんじゃないでしょうかということを申し上げているんです。
いや、日本のPKOの参加は世界ではとても評価されていますよ。
北岡氏はさらに持論を展開した。
自分が武器を持たなければ持たないほど平和になるという考え方は間違いだということです。
これは安全保障の常識から言って全く間違いですよ。
例えばPKOに行くときに機関銃1か2かどちらがいいかという議論がありました。
十分持っていって使わないのが一番いいんですよ。
憲法9条との関係で、つまりこれは反対論者の人たちがかなり強く言っているのは、憲法9条そのものの空洞化とか否定につながるんじゃないかと。
警察予備隊が自衛隊になったときの話ですね?これは大きな変化だと思いますね。
小さいささやかな変化。
北岡氏は集団的自衛権行使のための憲法解釈の変更について、こう表現した。
私は憲法は大変重要だと思うから、これを守って生かしていくためには憲法の中の最も重要なのは私は国家国民の安全だと思いますよ。
安全なしには基本的人権も幸福追求権もありませんよ。
だからそれを守るために、国の安全をどう考えるか、これはやっぱり最上のルールの一つだと思うんですね。
政治の場で進む議論。
それに対する、私たちの側の意識。
聞いたことは。
聞いたことないです。
あんまりないですね。
自分1人だけだと変えられない気がするから、それだったらほかのこと勉強してたほうがいいかなって思います。
法学部です。
戦争のどうのこうのですよね。
いや、全然知らないっす。
作家・高橋源一郎さんは鎌倉市主催の憲法についての講演会に向かっていた。
この日、高橋さんは改憲か護憲かという枠組みでは語らなかった。
今日は言葉のお話をしたいと思います。
僕は作家ですので、何でも言葉の観点から考えます。
僕たち自身が日本人としてというか、法治国家に住む人間として最低限どれだけの権利があり、何ができ、何ができないのかをだんだん気がつかなくなっています。
そういう政策がまかり通るようになることよりももっと怖いのは、我々自身がそれに慣れてしまうことです。
仕方ないよと、能力がないんだからそんなこと言っても変わらない、これが多分、一番恐ろしいことなのではないかと思います。
もしかすると、僕たちには頼るべき言葉すらないのかもしれません。
国や政治について考える言葉を持つために何が必要なのか。
僕は、1人1人が個人で考えるしかないと思っています。
そして、その答えは誰かと一緒ではなくて、その人1人1人のものだというふうに思います。
先月開かれたインターネット動画サービスのイベント。
総理がただいま到着をいたしました。
皆さん、旗を振ってくださーい。
動画サービスにチャンネルを持つ政党や団体などがブースで情報を発信した。
自らもイベントに参加した映画作家・想田和弘さん。
自民党のブースに今の時代の空気を感じた。
巨大な街宣車が乗り入れられていて街宣車にはアニメのキャラがあしらわれているわけですよね。
そこに「日本を、取り戻す」というふうにキャッチフレーズが書いてあるわけですよね。
でも、誰が何をどう日本を取り戻すのか全然わかんないですよね。
全くロジカルじゃないんですよ。
だけど、そこにはノリはあるわけですよね。
想田さんは憲法をめぐる議論で発せられる言葉についてもこう指摘した。
例えば、憲法改悪反対とか、民主主義を蹂躙するなとか、定型句というのがありますよね。
その言葉が発せられた瞬間に人々は興味を失ってしまうんですよね。
例えば、民主主義という言葉も、僕は認めたくないことだけど民主主義と言ってもみんな何も感じなくなっている。
作家、高橋さんは教鞭をとる大学で考える武器としての言葉を磨こうと話す。
僕らは言葉を使わないと、考えると言っていますけど、実は言葉を組み合わせているだけなんです。
だから、どれだけ言葉を扱える能力というかね、素地、センスがあるかどうかが集団的自衛権の講師を容認するかどうかというのは憲法の基本原則に関わる非常に大きなテーマなんですけれども、安保法制懇というのは総理の私的諮問機関にすぎないわけですよね。
だからある意味ではそこで出す結論というのはもう見えてしまっているところがあると思うんですね。
もちろん北岡氏の言葉をかりますと、これまでの内閣法制局の解釈については誤りから不適切まで濃淡があるというそうなんですけれども、これが1954年の自衛隊発足に比べれば今回起きようとしていることは本当に北岡氏の言うように小さなささやかな変化なのかどうか、そこは今もって僕自身も考えたいと思っているところですね。
先日、自民党の中で唯一解釈変更に反対の声を上げている村上誠一郎議員の話を伺ったんですけれども、村上さんは平和主義という憲法の核心にかかわる問題ですら、閣議決定で解釈が変えられる、そういった前例をつくってしまえば例えば、基本的人権の尊重といった原則までも変わってしまうかもしれない、そういった危うさがあるのだということを指摘していましたね。
平和主義というのは国内だけではなくて世界に発したメッセージだと思うんですね。
私、アジアの国々で8年以上、生活して仕事してきたんですけれども、平和憲法というのが日本がアジアで生きていく上で非常に重要な働きをしてきたんだなと何回か感じました。
安全保障面も含めてですけれども。
そして、それは中国や朝鮮半島に限ったことではなくて、東南アジアの国々との関係についても、その土台をつくったのは平和憲法だと感じたこともあります。
日本を取り巻く安全保障環境が変わったことは確かかもしれませんけれども、だからこそ今、この憲法についてその果たしてきた役割を謙虚に分析することも大切なんじゃないかと思います。
こちらにありますのは、アメリカの国立公文書館に残されている膨大な日米関係のファイルの一部をコピーしたものです。
今の天皇・皇后両陛下が結婚された時期の前後、日米間でやりとりされていた公電や秘密文書の一部なんですけれども、この中には先ほどのニュースでお伝えしました昭和天皇の直筆署名の手紙も含まれていました。
こうした資料を読み解きますと、当時、アメリカ政府が日本の天皇制について精力的に情報収集をしていた実態が浮かび上がってきます。
アメリカ側の関心は、新憲法の下での象徴天皇制の行く末でした。
憲法は天皇の地位を規定する条文から始まっている。
象徴天皇制を規定した条文。
天皇という立場にあることは孤独とも思えるものですが、私は結婚により、私が大切にしたいと思うものをともに大切に思ってくれる伴侶を得ました。
去年、80歳の誕生日を迎えられた天皇陛下が皇后さまと結婚したのは、今から55年前のこと。
その結婚の前後、日米両政府間では様々な情報が行き交っていた。
そうした日米間の生々しいやりとりを記録した資料がアメリカの国立公文書館で見つかった。
アメリカのメリーランド州にあります国立公文書館に来ています。
ここに昭和天皇直筆のアイゼンハワー大統領に充てた手紙が所蔵されていました。
まさかそれを直接手にとって見られるとは想像もしていませんでした。
その手紙は1950年代後半の日米関係のファイルの中から見つかった。
1959年、両陛下のご結婚は国民に一大ブームを巻き起こした。
皇太子さまとテニスはどちらがお強いんですか?それは殿下の方がお強うございます。
GHQの占領下にあった日本が主権を回復して7年。
敗戦から立ち直りつつあった日本はお祝いムードに包まれた。
アメリカは、この結婚をどう見ていたのか。
これは両陛下が結婚する3年前の文書。
ある夕食会でアメリカ大使館のパーソンズ首席公使が当時、参議院議員だった宮沢喜一元総理と交わした会話を本国に報告した秘密文書。
その中で、宮沢氏は当時の皇太子さまの将来の結婚についての分析を披露したと言う。
宮沢氏によると、皇太子の結婚について、舞台裏では2つの派閥の争いがあると言う。
保守的な派閥は、皇太子のお妃は伝統的な5つの家系の中から選ばれるのが望ましいと考えている。
もう一方のグループは、皇太子は自分のお后を自分で選ぶことができるようにするべきだと考えている。
そうなれば、天皇家が時代に適応していることを示し、日本におけるよい模範となるだろう。
宮内庁長官が正田家を訪れ婚約の内定を伝えたのが1958年11月21日。
その前日、11月20日の公電が残っている。
この日、アメリカ大使館は皇室に近い情報源から婚約内定の情報を得ていた。
アメリカ大使館は皇室に近い情報源から皇太子と正田美智子さんとの婚約に関する噂は正確であり、近く発表されるとの情報を得た。
すごいですね。
これマッカーサーからその当時の。
これは高度の情報レベルが動いているということなんでしょうけれども。
昭和史の研究者、保阪正康氏は、アメリカ側の皇室に関する情報収集能力に注目する。
日本の側からアメリカ大使館の館員たちに伝える人がいたと思うんですが、それは1つに、マッカーサーの甥御さんが大使だったということ、それから恒常的にそういう情報のきちんとした交換をするルートがあったんだなということですね。
アメリカの当時の駐日大使はダクラス・マッカーサー2世。
連合国軍最高司令官だったダグラス・マッカーサーのおいに当たる人物。
アメリカ側は婚約の公式発表後、すぐさま美智子さまの人となりや婚約の意義を分析している。
正田美智子さんは、カソリックの有名大学の卒業生で、英語も堪能な上、西洋文化やキリスト教文化にも触れてきたという。
この婚約は、天皇制の将来にとって大きな意味がある。
皇太子はよりリベラルで幅広い教育を受けてきた。
彼が魅力的な人柄のお妃を貴族階級の外から選んだことからも、天皇制の維持に不可欠と見られている天皇の人間化というプロセスが今後も続くことを証明している。
多くの公文書で天皇の人間化という言葉が繰り返し使われている。
アメリカ側が天皇制を分析する際のキーワードとなっていたことがわかる。
アメリカ公文書館で資料を読み込んでいくうちにある文書に行き当たった。
これ現物。
これ現物。
こういう方向ですね。
菊の御紋が入った封筒ですよね。
びっくりしたな、こんなものがあるなんて。
アメリカの公文書館で見つかったのは、なんと昭和天皇からアイゼンハワー大統領に宛てた手紙だった。
これは驚いたというか、これ、裕仁って書いてありますからグッドフレンド、「良友裕仁」。
昭和天皇の直筆のサインですよね。
菊の御紋がここにありますけども。
手紙の中身は、当時の皇太子ご夫妻の結婚の報告。
まず一つに驚きですね。
こういったお手紙を出していたということは今まで一般には知られていないと思います。
その意味で驚きがありますけれども、文面は率直にアメリカのアイゼンハワー大統領に対する自分の喜びと心配りというものに対して感謝するということを明確に述べていますね。
この手紙には、昭和天皇の本心がにじみ出ていると話すのは近現代の天皇制を研究してきた原武史氏。
天皇がアメリカに対してああいう喜びをあらわにしているというのは、もちろん儀礼的な意味合いもあると思いますけど、結構本音も混じっているような気がするんですよね。
当時の皇太子ご夫妻の結婚を高く評価していたアメリカ政府は、結婚式の直前から2人をアメリカに招く計画を進めていた。
皇太子と皇太子妃を1960年の春にワシントンに招待する準備があると、日本政府に対し内々に知らせることを許可する。
ところが、この訪米計画は当時の日米間の政治状況に翻弄されることになる。
昨夜、山田外務次官は非公式に宮内庁が皇太子夫妻をいかなる政治的問題にも巻き込みたくないと考えていることなどから安全保障条約の批准後まで訪米を延期したいとの意向を伝えてきた。
訪米が予定されていた1960年の春といえば、国会で日米安全保障条約の批准手続がまさに最終局面を迎え、国内が騒然としていた時期。
そのようなタイミングで当時の皇太子ご夫妻が訪米することは皇室の政治利用と受け止められると日本政府が警戒した。
宮内庁としても、そういうところに天皇を巻き込みたくない、皇太子を巻き込みたくない、天皇制をそこへ絡ませたくないというのには本当に慎重な態度を取っているのがわかりますね。
ミッチーブームが起こって、今までにないような新鮮なイメージが出てきたわけですよね。
アメリカ側もそれに注目して、それを好意的に評価していると。
安保闘争の渦中に巻き込むようなことをしてしまうとせっかくの象徴天皇、新しいイメージというものが根本的に覆ってしまうというか、そういう危険性が多分あったと思います。
結局、当時の皇太子ご夫妻が訪米するのは日米安全保障条約が発効した後の1960年9月と決まった。
訪米の直前、皇太子ご夫妻は、東京のひばりが丘団地を視察された。
庶民の暮らしを間近に見るため。
ご結婚して間もない皇太子ご夫妻が庶民の家庭を訪問する。
それはアメリカの公文書が言う人間化を象徴するような出来事だった。
皇太子ご夫妻が訪れたのは、横井さん家族の部屋。
そのとき4歳だった横井淑児さん。
今57歳になっている。
当時と同じつくりの部屋が今も保存されている。
美智子さまのほうがやっぱりいろいろな家を、部屋を見て回って、今みたいにお風呂とかトイレとか、ガスであるとか、そういうのを1つずつうちの母親に質問して見て回りましたね。
あの皇太子夫妻が何を体現していたのかというと、それはアメリカ的なライフスタイルを同時に体現していた面があって、ちゃぶ台ではなくてテーブルがあって、イスに座って朝からトーストを焼いて朝食を食べるというそういうライフスタイルが1960年当時は一番団地で普及していたという行啓がすごく象徴的でした。
皇室に新しい風を吹き込んだ若い皇太子ご夫妻は、国民と皇室の距離を縮める役割を果たした。
年齢を聞かれたこと、頭をちょっとなでられたことがあるんですけど、やっぱり美智子さまは一般の家庭から来たというのとあと、優しいところがあって、子どもの目線で、私と同じ高さで質問されて、頭をなでていただいたりしたんです。
アメリカに向け出発した当時の皇太子ご夫妻。
飛行機の座席には、生まれたばかりの今の皇太子さまの写真が置かれている。
ハワイやロサンゼルス、そしてワシントン・DCとおよそ2週間のアメリカご訪問では、各地で市民の熱烈な歓迎を受けた。
一般の市民の方はどういうふうにお感じになったでしょうか?あまり、いいです。
けれども、多分アメリカ人からプリンス、少しちょっと堅苦しいです。
けれどもプリンセス、とても魅力的です。
そしてアメリカ人、皆さん大好き。
アメリカ国立公文書館に残る資料の中には、アメリカ大使館が新しい憲法の下で象徴天皇制が日本に根づいていく様子を分析した複数の資料が残されている。
そうしたアメリカによる分析は、天皇制が戦前のような軍国主義に利用される危険性がないかという視点で貫かれている。
このときのアメリカの日本大使館から国務省へ送る電報がなぜ重要かというと、ちょうど石橋湛山内閣が昭和32年の1月に病気で倒れますね。
その後、岸さんが首相になるんですが、岸さんの政治路線というのは憲法改正。
全体に旧体制に回顧する、かえっていくんじゃないかという不安もアメリカ大使館の側には持っていたのかなと。
その中で天皇制が利用されてはいけないと。
それから半世紀以上過ぎた今、自民党は天皇を元首と位置づける憲法改正草案を発表している。
この改憲案の第1条はやはり戦後の歴史のいろいろな流れ自体を全く踏まえていないなというのが率直な感想です。
象徴として営々として実績をつくってきた天皇・皇后両陛下の努力というものに対して私たちは謙虚にならなきゃいけないと思うんですね。
この1条はその謙虚さに欠けているんじゃないかというのが率直な印象ですね。
国民の上を思い、象徴として望ましい天皇のあり方を求めつつ今日まで過ごしてきました。
日本国憲法には、天皇はこの憲法の定める国事に関する行為のみを行い国政に関与する権能を有しないと規定されています。
この条項を遵守することを念頭に置いて、ひばりが丘団地を視察される前日には、視察する横井さんのお宅に宮内庁の職員が来て、皇太子ご夫妻は靴のまま上がるので、バスタオルなどを敷いておくようにと言われたそうなんですね。
実際は美智子さまはそんなことはできないとおっしゃって、靴を脱いで上がられたそうなんです。
私はご成婚の年に産まれたんですけれども、ご成婚をきっかけに、皇室と国民の距離が縮まったというのは一般家庭の会話からも伺うことができて、私の実家の小田原には、戦前、御用邸があって、祖母は子どもの頃よくお迎えに駆り出されたと。
ただずーっと頭を下げてるから一度も陛下の顔を見たことがないと言っていたんですね。
一方で、母の時代になると、美智子さまのファッションとか、子育てとか、話題がぐっと身近になったことを子どもながらに感じましたよね。
アメリカの国立公文書館にあったんですけれども、現代史を研究する人にとってみたらあそこは実は宝の山なんですよ。
アメリカという国はどこかの国と違って情報公開の原則がものすごくしっかり確立していて自分たちのやったことをちゃんと歴史に審判してもらおうと、すごいフェアな精神があると思うんですね。
そこによって僕らは今回得た情報というのは今の憲法を考える上で非常に重要な示唆を与えてくれると思いますけどね。
続いてはスポーツです。
ゴルフの中日クラウンズ、石川遼選手、相性のいいコースで遼チャージとなったのでしょうか。
トップと3打差の4位タイからスタートした石川遼は、4年前に驚異のスコア58をマークした相性のいいコースで猛チャージ。
前半だけで4つのバーディーを奪う。
後半は強風の影響でティーショットが乱れるが、ピンチのときこそ集中力を発揮するのが石川。
この日イーブンバーでしのぎ、3打差の3位タイから逆転優勝を目指す。
女子ゴルフ、サイバーエージェントレディス2日目。
初日70位と大きく出遅れた勝みなみはインスタートの15番、この日、最初のバーディーを奪う。
しかし、ショットが安定せず、トータル1オーバー。
無念の予選落ちとなった。
そしてこの日は、勝と同じアマチュアの森田遥と堀琴音が見せる。
森田は6番バーディーパット。
得意のパットが冴え、この日4つスコアを伸ばし、8アンダー。
また堀琴音も同じスコアで並び首位2人がアマチュアで最終日を迎える史上初の結果となった。
続いて、ボクシング。
井岡選手の対戦相手、チャンピオンのアムナット選手が練習を公開した。
ボクシング王国・タイ出身のアムナットは、12戦全勝の最強王者。
アマチュア時代の井岡一翔に勝利したこともあるチャンピオン。
スパーリング中も笑顔を見せるなど、王者の余裕を感じさせる練習を行った。
静岡国際陸上200m決勝に飯塚翔太が出場した。
去年、自己ベストをマークした相性のいい大会。
飯塚は直線でスピードに乗るとトップでゴール。
記録更新はならなかったが、アジア大会代表へ結果を残した。
フェンシング、オリンピック銀メダリスト、太田雄貴が2年ぶりにW杯に出場した。
今年から本格的に復帰したため、シードがなく予選からの登場。
それでも太田はメダリストの実力を遺憾なく発揮する。
華麗な剣さばきで予選を5勝1敗で突破。
明日の本戦進出を決めた。
東京六大学野球で70連敗中の東京大学。
およそ4年ぶりの勝利を目指して早稲田大学と戦います。
不名誉なワースト記録の更新は何としても阻止したい東大野球部。
1回、いきなりツーランを浴び先制される。
打線の前に立ちはだかるのはドラフト候補、早稲田のエース・有原航平。
150kmを超えるストレートに手も足も出ず、6回まで7つの三振を奪われる。
放ったヒットはわずか3本。
0−11で完封負けを喫し、71連敗。
ついにワースト記録を更新してしまった。
東大71連敗ですけれども、大先輩と、ちょっとだけ先輩、お二人どうですか?申し訳ないなんて謝らなくていいですよね。
しようがないという部分もありますけど、東大だけには負けられないという逆のプレッシャーを相手に感じてもらうしかないですかね。
まあ、何でも記録つくることいいことなんじゃないの?勝てる見込みはどうですか?勝ちたいという思いは選手皆ともに持っています。
早稲田と戦いますのでちょっと連敗を断ち切ってほしいですね。
2014/05/03(土) 17:30〜18:50
MBS毎日放送
報道特集[字]【憲法〜直面する課題】
憲法が直面する課題を取り上げる。集団的自衛権の行使容認をめぐる賛否。象徴天皇に関して米公文書で明らかになった事実とは?
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お知らせ
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番組内容
【憲法〜直面する課題】
5月3日「憲法記念日」にちなんで、あらためて憲法について考えてみる。
「憲法9条」と集団的自衛権の問題。安倍政権は“行使容認”に向け突き進むが、賛否それぞれの立場のキーマンに話を聞く。
「憲法」や「民主主義」を自分たちの言葉で語り始めようとする大学生たちが現れた。彼らの思いとは?
「憲法1条」すなわち天皇をめぐって、55年前の米公文書で明らかになったこととは?
出演者
【キャスター】
金平茂紀(TBSテレビ報道局)
日下部正樹(TBSテレビ報道局)
岡村仁美(TBSテレビアナウンサー)
林みなほ(TBSテレビアナウンサー)
ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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